手作りおもちゃ伝承遊びも得意な多田さん（写真は本人提供）

こどもの表現活動家　多田純也さん
多田さんは、「こどもの表現活動家」として、ゼロ歳からの保育園・幼稚園、子ども劇場などで、子どもたちに劇や遊びの舞台を届けて全国をかけめぐっています。
東京おもちゃ美術館のおもちゃコンサルタントとして、東日本大震災のときは、車にたくさんのおもちゃを積んで避難所をまわり、子どもたちと遊んできました。
「避難所におもちゃなんて非常識なんじゃないかと最初はびくびくしました。でも、子どもたちが集まってきて『おじさん、だれ？』『遊んであげるよ』と迎えてくれました」と言います。今もその活動は続いています。
首相が言った「いっせい休校」のもと、「基本的に自宅で過ごせ」という文部科学省のＱ＆Ａをもとに、学校は子どもたちに自宅待機をすすめてきました。そのようななかで、公園で遊んでいる子どもを見て「外で遊んでいいのか」と注意するおとなも。（今、文科省は「外出して運動してよい」に変更）
「脅すのではなく、子どもたちには安心感を伝えて、ウイルス対策をしながら遊べる環境をつくして欲しい」といいます。

新聞紙であそぼう。好きな食べ物の形をつくります。食べるまねをして、その食べ物をあてるゲーム。

心の豊かさ養う
子どもの権利条約には「その年齢に適した遊びをおこなう権利」（第３１条）がうたわれています。「おとなにとって遊びはデザートのようなものだけど、子どもにとっては主食、基本的人権です。身体能力からコミュニケーションの力、心の豊かさまで養っている」と強調します。
じゃれつき遊びや鬼ごっこで体幹やバランス、筋力をつくります。「体育の授業としてやるとつらいけれど、遊びなら夢中になってやる。それは楽しいからだし、遊びでは自分自身が主人公だからなんです」
スポーツと違い、遊びはやる子どもたちによってルールが変わることもよくあります。「たとえば鬼ごっこもあきてきたら、片足だけでやるとか条件を変えるとまた盛り上がったりします。楽しくなければ、ただの作業にしかならないからです。仲間と相談し、ルールを変えたりしながら遊びをどんどん楽しくしていく。発想、説得、納得、実行。これは民主主義そのものです」

【どこでもたんていあそび！】

イラスト：多田純也
探偵役が見ていないうちに、イラストを描いたり、スマホなどのカメラで景色やものを撮る。探偵役はそれを描いた（写した）場所を推理して探し当てる。

【らくがきおめん！】

コンビニ弁当などの透明なふたを洗って、顔にあて、油性ペンで顔に落書きするように書く。できたら輪ゴムをつけてお面にして、かぶって遊ぶ。変身遊び。

【どうぶつかくれんぼ！】

公園や家の中に、ぬいぐるみや人形を隠して探す。小さいものほど難しい。

【でたらめ　おはなしがっせん！】

即興で昔話風の物語を作って遊ぶ。親や友達と交代で「すると～」と語りつなぐ。
「むかしむかしあるところに、カエルの親子が住んでいました。すると～」「そのカエルはお菓子が大好きで、いつもお菓子を食べていました。すると～」と、次々つなげる。

真剣・夢中・集中

全国児童青少年演劇協議会やおもちゃ美術館などがウェブ上に遊びのレシピを紹介しています。
多田さんも「げきあそチャンネル」というユーチューブチャンネルで遊びを紹介しています。いくつか教えてもらいました。（イラスト参照）

「しんぶん赤旗」日刊紙　2020年3月13日付掲載

遊びこんでいる子供ほど集中力が高い。
楽しんで、学ぶのですね。
僕の子どものころはコンビニやビニールのふたなどはなかったので、らくがきお面はできなかたけど…。
探偵遊びは、いわゆる鬼ごっこや缶けりとして。
どうぶつかくれんぼは、探し物競争。
でたらめお話しは、しりとり合戦。
などなど楽しんだものです。

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