記ンダー

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2012.01.25
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先週まで公演していたキンダースペースの金色夜叉についての感想を。自分のことが忙しすぎて、稽古が1日しか見れなかったためその過程を見れなかったのが本当に残念だったが、本番を見れて良かったというのがまず一つ。

正直、本公演に関しては客演の人たちとの差が本番までに埋まらなくてみんな足踏みしている感がここ数年あったけど、今年の本公演はみんなかなりの歩数を進んだ気がする。

前半の貫一に対する信頼を問う場面と、後半になって現われるお宮の恐ろしさが、貫一とお宮の関係性から見えてくるものが生まれていた点は非常に評価していい部分だと思う。単に演技が上手いだけじゃなくて、その舞台の上で紡いでいけていたものが大きかった。観客を絡め取るという意味で

また、劇中幾度となく行われる2人の信頼を問うやり取りは番長皿屋敷を少し思い出した。

そして、私が良かったなぁと思ったのが、高利貸しになってから、旧友たちと金の貸し借りについての場面。貫一だけがあの場で目立つのではなく、意識の隔たりとか奥にある感情とか、そういったものが、複数の人間が居る場面は綺麗に進むのが難しいのだけど、その辺が上手くいっていた。

舞台装置も、牡丹灯篭の時には出せてい無かった影と黒が出ていて良かった。距離感も後ろの遠景の美しさと相まって良かったし、照明も柔らかい感じで役者たちが映えるようになっていて良かった。

演出に関して言えば、あの転換の仕方は私はもう見慣れているけど、初めて見る人にとっては斬新で巧みに映ると思う。そして、未完の作品を、未完のまま終わらせる。これが私にとっては一番感心した部分だった。

よく作品を作りかえると怒り始める人間が居るが、作品と真摯に向かい合ってそこから生まれるものを表現するという演劇行為、いや芸術行為において、今回の終盤の作り方はある意味正直な作り方だったのだと思う。勿論、終わらせられなかったのだとは思うが。それを無理に歪めなかった演出が良かった。

非常に丁寧で美しい舞台だったが、私はお宮の求める許しと、金貸しの定義を語る満枝が、恐ろしくてならなかった。 返信 リツイート お気に入りに登録 ? 開く


そして、貫一の満枝に放った「あなたともっと早く出会っていたら」という言葉の持つ、お宮にも満枝にも対する果てしない距離。

発狂したはずのスーちゃんが、貫一に現われた辺りから、私は現実と仮想が混じり合っているのを感じて、お宮が匕首で首を刺す場面が、何かその舞台で起きている強烈さとはまるで遠いあいまいさを感じたが、それは満枝が再び現われた時に、やっぱりとなぜか腑に落ちたのを覚えている。





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Last updated  2012.01.25 11:50:59
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