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October 5, 2006
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カテゴリ: 短編小説
 ペットボトルのふたを開けると、気の抜ける音がした。

『どうするんだ?』

 自分にはツキがなかった。すべての努力も結局は運に左右されるらしい。そして、ツキのないものは容赦なく蹴落とされるのだ。

『あんたは間違っていたのか?』

 分かった事は自分が無能で、努力は徒労だったという事。
 私が積み重ねてきた事など、気付かないうちに飲み干されてしまうんだ。

『そうじゃない。俺が聞いているのは――』

 開けたペットボトルに口を付ける。中のコーラが少し減った。

『俺が聞いているのは、あんたが間違っていたかどうかだ』


 自分のした事が間違っていたかなんて分かるわけがない。
 ただ、自分がベストだと思う事をしてきただけ。

『あんたが間違っていたかどうか。そんな事は誰にも分からない』

 何だよ。それなら聞くなよ。答えがないのに聞くなよ。

『だが、そんな事をずっと考えていたのは、あんたの方だろ?』

 何だよ、何が言いたいんだよ。

『あんたが間違っているかどうかは分からない。だが少なくとも、ずっとこのままでいる事は間違いだ』

 私はペットボトルの中のコーラを一気に飲み干した。
 何がなんだか分からない。
 だいたい何で私はこんな気に食わない奴と話さなきゃならないんだ。

 ただ、棘棘したこいつの言葉はどこか優しいと、私は感じた。


 攻撃的な泡の刺激と、それを乗り越えた後の甘さ。
 こいつはその二つを併せ持っているような気がした。

 私はよく考えなければならない。
 そう、だって私はさっき偉そうに言われた。このままでいてはいけないと。
 それなら――。






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Last updated  October 5, 2006 09:27:59 PM
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