丘の上の宝物 ~韓国徒然便り~

丘の上の宝物 ~韓国徒然便り~

2005年03月01日
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ちょうど一年前の昨日は、おうさまと私が初めて韓国を訪れた日です。2月28日の夜遅くホテルに着いておうさまのぱぱと合流したのをはっきりと覚えています。あの時は、韓国に関してわずかな知識しかなく、正直言ってとても怖かった。

韓国といえば、まず思い浮かべるのは「反日」「抗日」ということです。あんなに日本人が嫌われている場所に日本人である自分が住むなんて考えられないと思っていました。出発前には、おうさまとたった二人で仁川空港に降り立ち、自力で高速バスに乗っておうさまのぱぱが仕事で既に滞在していたロッテワールドホテルに向かうことを考えただけで、胃が痛くなるほど緊張していました。初めてだというのにおうさまのぱぱは大丈夫だからと言って迎えに来てくれないし。私が韓国語がわからない外国人であることは、すぐに周囲の人の知るところとなるはず。まず恐れたのは、バスで降りる所がわからず、知らない所に(わざと)降ろされて、おうさまと二人路頭に迷うのではないか。日本人だとわかると、ホテルの人だって口もきいてもらえないのではないか。本気でそんなことを心配していました。

実際には、東京駅で偶然エレベーターに乗り合わせた韓国人ビジネスマン二人がとても親切にしてくださり、バス乗り場まで連れて行ってもらったりして、とてもラッキーな旅の始まりでした。バス乗り場でも、日本(横須賀だったかな?)に住んでいると言う韓国人青年に話しかけられ、私の不安は徐々に消えていきました。ホテルも快適で立派で、朝食のビュッフェもとてもおいしかった(やはり食べ物は大事)。このようにソウルの第一印象は、とても良いものになりました。

実際生活してみると、いろいろ不便なこともあり、やはりドラマの世界とは大いに違うと実感しています。だけど、日本人だからということで不愉快な目に会ったことは、今までの所一度もありません。むしろ親切にしてくださることが多いように思います。だけど、タクシーに乗っている時、ラジオで「イルボン」という言葉を聞き取る度に、また神社参拝とかだれかの発言で韓国の人が怒っているのではないか、運転手さんがくるっと後ろを向いて、怒鳴り始めるのではないかとか思ってしまいます。また、韓国のメディアで日本への批判や例えば「植民地時代に強制連行された人の聞き取り調査を始めた」というような記事を目にするたびに、胃の中に小石がどんどん投げ込まれているような、自分の体が目に見えない柔らかい鎖でぐるぐる巻きにされていくような、そんな気がするのです。こういった目に見えないプレッシャーによって、韓国での生活が苦しいなと感じることが時々あります。

今メディアでかなり大きく取り上げられているように、竹島・独島問題や戦後補償の問題、歴史のこと・・・日韓両国間にはさまざまな問題が解決されないままでたくさん残っています。今日3・1節は韓国の祝日です。

「1910年、日本の植民地となり、日本人による不埒な行為により心身ともに苦痛を受ける中、1913年3月1日、パゴタ公園にて一学生による独立宣言書朗読により 日本政府に対する抵抗と反日感情は爆発しこの万歳運動は全国218ヶ軍中211ヶ軍にて行われた。」 ソウル日本人会HPより

この独立運動は結局失敗に終わり、日本によって鎮圧されてしまうわけですが、この日を愛国的観点から国民の祝日とし、国旗を掲げて記念するのです。昨日から町のあちこちで韓国の国旗が見かけられています。イベントも色々あり、日本の国旗もずいぶんな数が焼かれるそうです。様々な問題が残されている中で、正直な所韓国に住む日本人には身の置き場に困るような記念日であります。

竹島・独島問題については、今回いろいろな情報をネットで見てみたのですが、一応どちらの言い分にも一理あるように感じます。土地の所有問題は、個人間でもめることも多く、お互いが自分の主張を言い合っている間は解決しません。やはりここは国際法廷の場に持っていくのが妥当だと思うのですが、韓国としては、当然ウリナラ(わが国)の土地なんだから、そんな場所で争うまでもないというのが理由らしいですが、法廷では日本に有利になってしまう可能性もあるから、との噂もあります。現在竹島には韓国の兵が常駐し、韓国が島を使っているという事実を積み上げていこうとしているそうです。

おうさまのぱぱともこの問題について話し合いました。おうさまのぱぱはアメリカ人ですが、一応日本人の妻を持っているからどちらかというと日本びいきに傾いていると言えます。ただ、第二次世界大戦で日本に敵対した国ですから、戦争関係については結構日本に対してシビアな意見だったりします。



「確かにややこしいことになっているけど、どちらかというと韓国のものという印象がわずかに勝っているかな。」

「そう?だけど職場でこの問題を持ち出して、火に油を注ぐようなことはしないでよね。」

議論好きなおうさまのぱぱは、やっぱりみんなに聞いてみたそうです(-_-;)。ちなみに彼を除いては全員韓国人の職場です。

「それで、何て言ってた?やっぱりみんな熱くなって日本に対する文句を言った?」

「それがさあ、誰も何も言わないんだよ。関心がないって。韓国の新聞の言っていることは、うそや誇張が多すぎて信用できないって言うんだよ。僕がいちばん関心があるような状態だった。みんな仕事が忙しいし、あの島には工場も何もないわけだから・・・」

「?!」

なんだか拍子抜けしてしまいました。もちろんみんな独島は韓国領と思ってはおられることでしょう。だけど、日本大使館の前で抗議のデモ・座り込みとか、自動車を焼いたとか、焼身自殺をしようとした人が警官に取り押さえられたとか、そういうことを聞いていたので、にわかには信じがたい話でした。きっとちょっとお酒でも入れば議論も盛り上がる(!)のでしょうか?それとも、彼の妻が日本人だから遠慮している?韓国の人はそういう遠慮のし方はしないようなきがするんだけど。

韓国のメジャーな新聞の記事をネットで見ても、ゴシップ誌と見まごうばかりの、あまりにも扇情的な言葉遣い・表現で日本を批判しているので、正直言って辟易としてしまうことはあります。また、デモなどをしている様子の写真を見ると、どうしてそこまで感情的になるの?日の丸に噛み付いたり(本当にです)焼いたりして何の問題が解決するの?と滑稽に思えることもあります。

確かに植民地時代には日本人は韓国の人にいやな思いをたくさんさせたことと思います。悔しくて悔しくて歯軋りしてもし足りない気持ちになられたことでしょう。私だって、「あなたは今日からアメリカ風の名前を名乗りなさい。そうですね、ナンシー・スミスがいいんじゃないの?」と言われたらすごくいやです。英会話教室でアメリカ風の変なニックネームをつけられるのでさえ、とてもいやな気持ちがして、自分からは決してその名前を名乗ることはしませんでした。

ただ、あの当時は植民地支配や人種・民族の差別は当然のように世界的で行われていました。だからといって差別を正当化するつもりは全くありませんが、ただ、軍事的に優勢な国が他国に攻め入ることは、昔の時代には普通だったのではないかと思うのです。だけど現代は違います。どんな人間であれ、ひとりひとりの人権が尊重されるべきだという考えが、世界的に主流になっていると思います。もちろん現在差別がこの世に存在しないということではありませんが、かつてイラクがクウェートに攻め入ったように、ただそうする力があるからという理由だけで他国を侵略することは、世界的に許されることではないという風潮になっていると思うのです。そして、日本も少なくともそのような立場に立っていると私は信じたい。じゃあアメリカがイラクを攻撃したのは、あれはなに?と言われると、返す言葉がないのですが・・・。私のアメリカに対する評価は、イラク戦争以来下降線をたどるばかりです・・・。

長々ととりとめもなく文章を書いてしまいましたが、どうかどうか韓国には終戦前の日本のことを許してほしいです。国民性の違い、文化の違い、感情表現の違いなど、隣にありながらこんなにも違う二つの国。一旦感情的にこじれてしまった関係を修復するのは並大抵の努力では実現しないでしょう。そのためには、日本も信用してもらえるような事実を根気良く積み重ね、そして韓国には極限まで高まった感情を少し冷まして、どうすれば問題が解決するのかを現実的に模索していって欲しいです。2005年の3・1節に珍しくまじめなことを考えてみたおうさまのままでした。





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最終更新日  2005年03月02日 00時40分38秒
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