グランマの手料理レシピ

2023年01月19日
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カテゴリ: 江戸風料理
​ お正月の干し柿が残っていたので、大根と人参と一緒に酢の物に。
干し柿が入ると酸味を抑えてくれるのでまろやかになります。

​​​ 干し柿入り紅白なます ​​​


大根     3cmの輪切り
人参     1/4本
干し柿(小)  3個
塩      小さじ1/2

【合わせ酢】塩   少々
      砂糖  大さじ2
      酢   大さじ4

1.大根と人参は長さ3~4cmに切って皮をむき、縦に細切りにする。干し柿はヘタと種を取り、細切りにする。

2.ボールに大根と人参を入れ、塩を振って軽く混ぜ、10分ほどおく。しんなりしたら水洗いし、水気を絞る。

3.ボールに【合わせ酢】を入れて混ぜ、干し柿、大根、人参を加えてあえる。

※大根と人参は干し柿に合わせて、少し太めの棒状に切りました。。



​​ ​​ ​ブログ連載 長編時代小説​ ​ ​密かごと​ ​​​​​
​第2章 御船手組​

​1.将軍鷹狩り​

東の空が明るみはじめると、江戸の永代橋を渡る人の足どりが一段と速くなった。
天秤棒を担いで野菜を売りに行く人、仕事先に向かう人たちが、列を成して通り過ぎていく。いつもながらの朝の光景だった。
御船手同心の坂上進之助は、霊岸島八丁堀の組屋敷を出ると大川沿いの御船蔵へと向かう。
将軍家慶(いえよし)公の鷹狩りの日だった。
軍事指南が目的だった行事もいまや遊興行事の一つとなっていた。
御船蔵前では将軍の御座船を召し出す支度が始まっている。
足軽や人足たちが土手の傾斜に、転(ころ)という堅く丸い棒を敷き詰めていた。
大川には御座船の引き船として、紀州からやって来た八丁櫓の鯨船が二艘待機している。

坂上進之助は鯨船の舷側に描かれた鳳凰をちらっと見て、恐る恐る御船蔵へと入っていった。
「坂上! 遅いではないか!」
与力の菊地弥太郎から叱責された。
「申し訳ございません。出しなに妻が・・・」
「お登勢さんが、どうなされた?」
菊地弥太郎は、坂上進之助と同じ組屋敷に住んでいる。進之助の妻お登勢とも顔なじみだった。
「胸が苦しいと言い出し、あたふたしてしまいました」
「大事ないか?」
「幸い、痛みはすぐに治まりましたので」
「そうか、そういえば、そなたの出立は今日であったな」
「はあ」
坂上進之助は上様が御座船に御召し後に、廻船の御調べのために上総へ向かうことになっていた。
「お登勢さん、大丈夫か?」
「ご懸念には及びません」
進之助は平静をよそおっているが、妻お登勢は気うつを病んでいた。二人の息子を流行病(はやりやまい)で続けて亡くし、自分の里から養子として迎えた藤次郎が、進之助に馴染まぬことを悩んでいる。

「将監さまがお見えだぞ!」
菊地弥太郎が進之助を肩を叩く。
縞の半纏(はんてん)に浅黄の股引という野装束の御船手組頭九代目、向井将監正通が現れる。
上様の鷹狩りの御供を仰せつかっている与力の菊地弥太郎が進み出た。
「御座船の御着水の支度は整うております」
「うむ、一石橋に五つ時(午前8時)、上様をお乗せするときは、くれぐれも遺漏なきように」
「はっ、心得ております」
「還御(かんぎょ)の刻限は、遅くとも点灯ころまでに辰の口ぞ!」
「承知仕り!」
大川御成の道筋は大目付よりすでに御達しを受けている。菊地弥太郎は向井将監に一礼すると、御座船御着水の合図に走る。その後を進之助が追う。

将軍の鷹狩りには『大川御座船』と呼ばれる御船が使われている。
「さあ、行くぞ!」
御船蔵に与力の菊地弥太郎の声が響く。
御船蔵の外にいた人足たちが呼ばれ、漕ぎ手の男たちも加わり、総出で御座船を取り囲む。御座船に乗り込んだ菊地弥太郎が舳先の右側の先頭に立ち、坂上進之助は左側の先頭に立った。

「左右等分に分かれろ!」
菊地弥太郎の言葉に、40ほどの漕ぎ手が右と左に等分に分かれる。
「よいか!」
菊地弥太郎の合図で人足たちが一斉に御座船を押すと、御座船は転の上を滑り落ち、大川に突っ込み、水しぶきが花火のように飛び散った。
それを待っていたように、二艘の鯨船から縄が投げられた。
御座船の菊地弥太郎が二本の縄を舳先にしっかりと括りつける。
「よいぞ、進め!」
菊地弥太郎の合図を受け、二艘の鯨船の漕ぎ手たちが一斉に櫓を入れた。
川面は朝日を受け、きらきらと鱗のように光っている。
御座船は鯨船に曳行され、永代橋をくぐり、日本橋川へと入っていく。

一石橋の手前まで来ると、御鳥見組の乗った御先船や上様の御乗船をお助けする平田船(ひらたぶね)も待っていた。
菊地弥太郎は御座船から下りると、小船に乗ってきた配下の者たちに、平田船を船着場と御座船の間に置くように命じ、上様の御乗船に差障りがないように御船を押さえておくようにと言い渡す。

上様が無事に『大川御座船』に御乗船すると、若年寄と御側衆が続いて乗り込み、最後に御船手組頭の向井将監正通が同乗した。
御座船の後には、御膳番小納戸の船と御菓子船がお供をする。
向井将監が大きく手を振り、鯨船に出立を促すと『大川御座船』は二艘の鯨船に引かれて日本橋川を下り、大川上流の御鷹野である三河島村をめざしていった。

坂上進之助は『大川御座船』を見送り、御船蔵裏の組屋敷に取って返した。
妻お登勢は床を出て、進之助の旅支度を調えていた。
「起きておって、大丈夫か?」
「胸の痛みもやわらぎ、いまは落ち着いております」
「そうか」
進之助は旅支度の風呂敷包みを引き寄せると、養子の藤次郎の姿が見えないことに気づく。
「藤次郎はどうした?」
「先ほどまで、縁側に座っていたのですが、上様の御座船を見てくると」
「何だと?」
「御船手を継ぐのが嫌だと言いながら、上様の御座船を見に行くのか」
「まだ、十四の子どもですから」
「お前が甘やかすからだ!」
「すみませぬ。留守の間、よく言って聞かせますから」
お登勢がまた苦しそうな顔をした。
「大丈夫か?」
「はい、どうぞ、心おきなく、お勤めをなされませ」
お登勢は玄関先まで見送ってくれた。
「御用が済み次第、戻る」
進之助はそう言い置いて、霊岸島の御船番所で待つ水主たちのもとへ向かった。(つづく)





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Last updated  2023年01月25日 09時10分35秒


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