グランマの手料理レシピ

2023年01月26日
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カテゴリ: スープ&鍋物
フライパンに、牛肉、ねぎ、木綿豆腐、春菊を入れて調味料を加えるだけ。
一人だけの「すき焼き」を楽しむことができます。

​ ​お一人さま すき焼き​ ​


牛肉切り落とし  100g
ねぎ       1本
春菊       2房
木綿豆腐     1/2丁
卵        1個

【調味料】酒    大さじ4~5
     醤油   大さじ2
     砂糖   大さじ1.5

1.ねぎは2cmの長さに切り、豆腐は1cmの厚さに切る。春菊は葉をつまんで千切る。

2.小さめのフライパンに、ねぎを立てて、豆腐、牛肉を入れ、【調味料】を回し入る。



3.弱めの中火で8~9分ほど煮る。肉は上下を返して火を通す。

4.ねぎが柔らかくなったら、春菊を加えて軽く火を通せば完成。溶き卵をつけて食べる。

​※ねぎは立てて入れると味がしみやすくなります。​



ブログ連載 長編時代小説 ​​ 密かごと​ ​
​第2章 御船手組​

​​4.船手同心 坂上進之助​​

どんな顔で坂上進之助を迎えればよいのだ。
さちは気持を鎮めようとすればするほど、心の中にくすぶっていたものが噴き出してくる。
寿美の位牌に手を合わせていると、高ぶっていた気持も少し落ち着いてきた。
「佳乃、今夜は、お前、御座敷に出なくてもよいから」
「あら、おばばさん、大事な御船手の方でしょう?」
「そうだよ」
「それなら、わたしも顔を出した方がよいのでは」
若女将になることを嫌っていた佳乃も近ごろは、さちの仕事を進んで手伝うようになっていた。せっかくのやる気を削いではいけない。部屋に閉じこめておくわけにもいかないと、さちは覚悟を決めた。

佳乃は自分から座敷を整え、仲居たちと一緒に料理を運びはじめた。
船持惣代とともに、御船手同心となった坂上進之助が、若い同心見習を連れて現れた。
坂上進之助は恰幅がよくなったが、男ぶりは昔と変わらなかった。
「厄介になるぞ!」
さちに言葉を掛けた。
御船手同心としての威厳も備わっていた。
座敷に上がると、人を探すような目をして見回している。
料理を運んできた佳乃を見て、
「あっ、寿美さん!」
坂上進之助が叫んだ。
「あたし、佳乃です」
「寿美さんは?」
佳乃が答える前に、さちが言った。
「寿美は亡くなりました」
さちはそう言うと、佳乃に座敷から出て行くようにと目くばせをする。

「寿美さんが亡くなった! いつです?」
進之助は驚いて聞き返した。
「十七年前です」
さちが乾いた声で言った。
「亡くなったのか、それで、いまの娘は?」
「あの子は、親戚の娘でございます」
「寿美さんに似ているなあ!」
「寿美の顔を覚えておいでですか?」
さちの尖った言い方に、進之助は黙ってしまう。

そのあとの進之助は口数が少なく、表情も冴えなかった。
宴席を盛り上げていたのは若い同心見習だった。
進之助は好きな酒もあまり飲まず、宴席は早めに終わってしまった。
「先に戻ってくれ!」
進之助は水主同心見習を先に船宿に帰した。
船持惣代にも梅乃井にしばらくいるからと帰してしまった。
進之助は、さちの前に座ると頭を下げた。
「寿美さんの位牌を拝ませてください」
さちは無言で居間の仏壇に進之助を案内する。


「ところで、先程の佳乃と申した娘は?」
進之助は、やはり佳乃のことが気になるようだった。
「ですから、親戚の娘でございます」
「本当に、親戚の娘ごか?」
「左様でございます」
「寿美さんに、そっくりだな」
「そうでございますか」
さちは冷ややかに答える。客として迎えた坂上進之助への精一杯の抵抗だった。

その夜の客がすべて帰ると、佳乃は待っていたようにやって来た。
「おばばさん、あの御船手のお侍さんは」
「いいから、ここに、お座り!」
さちは佳乃の言葉をさえぎり、寿美のことを話す時がきたと重い口を開きはじめる。
「お前も、すぐ十七になることだし、おっかさんのことはきちんと話をしておこうと思うんだ」
さちは、寿美と坂上進之助との出会いと別れを感情を交えずに淡々と語った。
「おっかさんは、捨てられたってこと?」
さちは硬い表情のまま軽く頷いた。
そして、坂上進之助に妻がいたこと、その妻には子が生まれようとしていたことも話した。

「おっかさん、かわいそう!」
先ほど会ったばかりの坂上進之助の顔を思い浮かべ、佳乃は怒りをあらわにする。
「それで、おっかさん、どうなったの?」
「家を飛び出してしまった」
「家出をしたの?」
「ああ、江戸へ行ってしまったんだ」
「どうして?」
「おばばさんが、いけなかったんだ」

さちは、寿美の家出は自分にも責任があると思っている。
亭主作治は頼りにならず、さちは働くために寿美の面倒は人任せにしてきた。
寿美は子どもの頃から忙しい母に甘えてはいけないと、さちに助けを求めたり、悩みを打ち明けたりすることがなかった。自分の母親を離れたところから見ているような子だった。さちも忙しさにかまけて、娘の気持を思いやる余裕がなかった。気がつくと寿美は無口な娘になっていた。
男に裏切られ、悲嘆にくれる娘に、お前は男に騙されていたのだと、さちは酷いことを言ってしまった。寿美は慰めてほしいときに、身持ちの悪さを責め立てられ、母から見捨てられたと思ったのだ。

「それで、おっかさんは江戸の御船手の組屋敷へ行ったの?」
ところが、寿美は坂上進之助を訪ねるようなことはしなかったのだ。
「じゃあ、どこに、おっかさんは、江戸のどこへ行ったの?」
佳乃の畳みかけるような問いに、さちは寿美のその後の出来事を話しはじめた。(つづく)





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Last updated  2023年01月29日 08時27分52秒
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