それまでは「男はつらいよ」とか「釣りバカ日誌」程度しか撮影されていないと思っていたが、ちょうど僕が学生だった頃に「高原に列車が走った」という映画が撮影されていたらしい。主演は美保純さんで、所ジョージさんとかもロケに来たという。で、2回目はこの作品を上映することになったのだ。
実話をもとにしたこの作品はビデオ化されていなくて、興行用のフィルムを借りることになった。作品を所有している事務所が快く貸し出してくれたまでは良かった。ところが、事務所とのやりとりの中で、「美保純さんが上映会に行ってみたいと言い出した」という。個人的に会うならまだしも、上映会となると我々のグループだけで開くのはもったいない。さっそく、一般公開の上映会にまで発展してしまったのだ。
上映会当日は、会場超満員。主催者として映画を観ている時間さえない忙しさだったけど、打ち上げ会場でようやく美保純さんと話す機会を持てた。かつて、18禁映画のスターだった彼女にとって、この映画は女優として転換する作品だったらしい。なので、記憶にしっかりと残っていたということだった。実にきれいな人だった。

ところで、思わぬ方向に発展してしまった僕らの会は、こんなイベントを開いてしまったことで、周囲からの注目や期待を背負ってしまった。こうなると、逆に好きなことができなくなってしまったのだ。とりあえず、落ち着きを取り戻すまで活動を休止しようと決め、知らぬ間に今日に至ってしまった次第である。
映画を面白く観るというのは、結構大変だ。最小公倍数が、何事にも共通して楽しむ単位になってくる。だって、僕らは商売人ではないし、噛み締められない楽しみは、そんなに必要ないのだから。(映画を面白く観る・おしまい)