従業員は、店主のオヤジさん。ウエイトレスは奥さん。2人とも、この時期になると十二単のように重ね着をするので、冬眠を前にしたミノムシを想像してしまう。店はそれほど寒くはないが、この2人の重ね着に寒々しい思いをするのは僕だけではあるまい。
店内は、決して清潔とはいえない。が、壁に張り出した新聞の切り抜きやポスター、作者不明の絵画、雑誌、ティッシュ箱1つとっても配置は変わらず、妙な安心感があるのが不思議だ。
メニューも変わらない。

これが定番人気メニューの「ミックスフライ定食」である。
味も変わらなければ量も変わらず、値段も変わらない。この「かわらなさ」が、よく「わからない」。