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March 23, 2009
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メール痛みに気を失い、夢を見ていたリカム。続きをどうぞ手書きハート

         始めての方、ほかを読みたい方は こちらからも目次 へいけます。  


【カーラ16】

「リカム。おとなになったらわたし、人間とけっこんするの」

そういうと、幼い少女はリカムに向って

手のひらの花びらを散らした。

「何を仰るのです、姫様! 人間は私たち魔法びとの敵です。

あのような怖ろしいものと結婚などと……。

二度とその様な事は言ってはなりません。

父王様が悲しみます」

そういっている自分の目から、涙があふれ出た。

あまりに突然の感情に、リカム自身驚いた。 

その胸の激しい痛みは、

リカムを打ちのめそうとすると同時に、

どこか懐かしさを秘めているようでもあり、

こころの奥深く閉ざされた扉がわずかに開きかけたような、

もどかしさを感じさせた。

目の前を、無残に引きちぎられた花びらが

雪のようにゆっくりと、大きく滲みながら通り過ぎていく。

(私はなぜ泣くのだ。今のはただの好奇心から出た言葉。

姫様は人間がどんなものか、

まだ何もご存知ではないのだから……)

「姫様。そろそろ戻りましょう。

風が出てまいりました」

「イヤッ、もっとここに居たい。リカムと一緒に居たい」

「私はいつだって一緒です。一生、姫様のお側を離れたりしません」

「ほんとう?」

「本当です。天に誓って」

優しくいいながら、小さな手を包み込むように取り、

リカムはひざまずいた。

カーラがくるりと彼の腕の中に入り込んだ。

小さな背中がリカムの胸に押し付けられ、

甘い香りがリカムの胸を満たす。

(天よ。時よ。今を永遠に……)

「リカム。どうして泣いているの? どこか痛いの?」

「いいえ。姫様」

いつの間にか胸の中の少女が、

成長した姿へと変わっていた。

目を閉じたカーラの唇に、自分の唇を重ね、

リカムは強くつよく、その体を抱きしめた。

夢であることを知りながら。

(つづく)

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Last updated  March 23, 2009 12:14:54 PM
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