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本日昼過ぎ、無事にディスプレイつながりました。でも、なぜいきなりつながったか分かりません。一度きったらまた、付かなくなるかもしれないと思うと消せなくて。で、結局そのまま書き始めることにしました。画面ってまぶしーね。くすっ。
いいのかな? いいんです。
![]()
バイロンの魔の手が(?)リカムに伸びようとしている、のかな。それともいい人?とにかく書いてみますね。
はじめての方、ほかを読みたい方。 目次ございます (上にも出てるかも)
【カーラ21】
痛々しい魔騎士の姿を目にしたバイロン公爵は、
部屋に入るとリカムの隣に腰掛けた。
公爵と言えば、魔法界の一部の領土を支配することを許された
高貴な身分。
その並びに座るなど、リカムにとって畏(おそ)れ多い事だった。
リカムは立ち上がろうとして、バイロンに押し戻された。
治りきらない傷の痛みに顔が歪んだ。
肩に掛けられた大きな手の重さと、
有無を言わさぬ強さを秘めた、紫の瞳。
目の前に来たバイロンの顔に、リカムは身を硬くした。
するといきなり、バイロンの手がリカムの背後に伸び、
包帯の端をめくり上げた。
「なッ、なにを……?!」
一瞬ひるんだリカムは、その手を払いのけようとしたが、
そんなリカムの抵抗など無視して、
バイロンの体がなおも覆いかぶさってくる。
リカムよりさらに一回り大きな胸に
囲い込まれてしまった。
リカムは奥歯をかみ締めた。
たとえいくら無謀なことをしようとも、
相手は王女姫カーラのフィアンセ。
立場上無理に抗(あらが)えないリカムは、
この屈辱的な仕打ちにも、黙って耐えるしかないのだった。
ベッドの上には、はずされた包帯が層をなしていった。
徐々にリカムの背中をあらわにしていくバイロンだったが、
途中でハッと息を呑んだように包帯を解く手を止めた。
無数のうっすらとした皮膚の引きつれのなかに、
いまだジクジクと体液を滲ませる、
生々しい傷跡が残っていたのだ。
「……この傷は!」
数日前にひどい傷を受けたリカムだったが、
魔法医師の術によって、
ガラスで受けた傷は殆んど完治していた。
しかし、いにしえの魔法が掛けられていた玉座の破片は
その姿を消し去ってもなお、毒牙となって
リカムの体を蝕み続けているのだった。
(つづく)
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