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中学のころの愛読書は、コナン・ドイルと谷崎潤一郎でした。 あ、おませさん
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でも、一番すきなのは、マンガ「パタリロ」よッ。 うはー
さて、魔法界王は、一連の騒ぎの中で、どうやら考えを改めたようですね。
カーラはどこへ行くの? まさか……。 目次はここに
【カーラ31】
「お父様。リカムを連れて行くこと、お許しいただきまして、
ありがとうございます。」
カーラは後ろのリカムに目をやった。
そこには、人間界からカーラが持ってきた薬草の力を借りて、
すっかりもとの体に戻ったリカムが、
いつものように控えていた。
父王に視線を戻したカーラの眼には、
重い何かを決意したような、それでいて期待に満ち満ちた、
不思議な輝きが宿っていた。
「カーラよ……。父は、お前のやろうとしていることが正しいとは、
今でも思ってはおらぬ。
だが、全ての事は、神の思し召し。
お前の好きなようにやってみるのもよかろう。
何があろうと、お前はこのわたしの娘だ。
そのことだけは、忘れてはくれるな」
魔法界王に目に、涙が光った。
ここ玉座の間には、腹心の従者らと、
王がカーラの意見を認めるきっかけとなった、
預言者セテも同席していた。
セテは、静かに立ち上がると、
見えない眼をしっかとカーラに据えた。
「姫様。人間界では、魔法使いの存在は
未だタブーとされております。
お辛い事もあるでしょうが、
亡くなられた母上様のぶんまで、
しっかりと生きなさるが宜しいですぞ」
そういうとセテは、カーラに向かって、手を差し伸べた。
カーラが近寄ってその手を取ると、
何か小さく堅い物が、手のひらに載せられたのを感じた。
「これは……?」
何かと尋ねようとしかけたカーラの手を、
セテの手が再び強くにぎり締めた。
「姫様。これは、使命ですぞ」
声は小さかったが、その言葉の強さにおもわずハッとして、
カーラは身じろいだ。
セテは二度頷くと、その手をゆっくりと離した。
カーラの手には、花のような模様のある、
一つの指輪が残されていた。
(つづく)
魔法の真矛ちゃん【カーラ38】の2終 July 8, 2009
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