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前回のコメントのお返事に書いたけどね、
こえめは子どもの頃からおばけ屋敷が怖くなくって、
作り物なんて、全然平気でした。
本当に怖いものは目に見えないものだって、知っていたの。
西向きの部屋は暖かく、午後の光で明かるく輝いています。
私は一人で絵本を眺めて、穏やかな気分です。
ふと、視線を感じる。
一旦それに気がつくと、部屋の空気が一転します。
一瞬にしてその部屋は、なにかの気配で満ち溢れてしまうのです。
まるで部屋全体が目にでもなったかのように、
周り中から誰かに見られているような気がするのです。
一人のひとの、大きな視線に……。
誰かを呼ぼうにも誰もいないことは分かっている。
怖くて動けない。
「こわくないもん!」
声を出すことで、その気配は薄れるのです。
私は言い続けながら、サンダルを履いて外に逃げ出すのでした。
その隣の部屋には、親の趣味で飾ってあるお面がありました。
それは能楽の能面です。通販で買ったと言っていたのを覚えています。
真っ白い顔に、目と口が空いていて、まるで何かをうすら笑っているような、
或いは何か言いたげな、不思議な表情をしているのでした。
私はそれが怖かったのです。
見ていると、生きているように見えてくるのです。
いいえ、そのものが生きているというのではありません。
その裏側の隠れた部分に、何者かの意思が働いて、
じっとこちらを見つめているように感じられたのです。
その能面の隣には、火男の面がありました。
だから、能面はおかめを意味していたのかもしれません。
でも、火男は全然こわくないのに、なぜかおかめの振りをした能面だけが、
私を見つめてくるのです。
何度か「お面が怖い」と言ってみたのですが、
親にしてみれば、気に入って買ったものだし、珍し物好きの親は、
子どものことだからそのうち馴れるだろうと思ったのでしょう、
その後もしばらく、それはありました。
ある時、お客様が来てお面を見たときに、
これはなんだか怖いというようなことを言ったのです。
大人の言うことは効果があるんですね。
それでやっとお面が壁から取り外されました。
私がどんなにホッとしたかは、皆さんにもお分かりいただけるかと思います。
そんな思いをしていたので、私は作りものが怖くなかったんです。
それからずっと後、
学生時代、サークルの合宿で肝試し大会がありましたが、
そのときも、どこに隠れているか分かってしまうし、
全く怖くないわけですよ。
一緒の子はキャーキャー騒いで、楽しそうなのに……。
それに、私は夜が大好きでした。今も好きだけど。
暗闇は、ほんの少しの明かりでもあれば、平気です。
星明りでも充分です。
でも、真っ暗闇はさすがに怖い。
例えば雨戸を閉め切った部屋の中。
目をあけているのか閉じているのかさえも分からない闇の中では、
心まで闇に閉じ込められたような気がしてしまいますから。
以上。じつは怖がりなこえめでした。
後でこえめがこっそり遊びに行くんだからっ^・ω・^
^・ω・^たましいvsこころ March 19, 2012
^・ω・^うっかりまちがい February 19, 2012
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