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2005.03.17
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カテゴリ: 文学
 ヘミングウェイ著 福田陸太郎訳『移動祝祭日』岩波書店同時代ライブラリー28 1990年


 復活祭が近い。今年2005年は、3月27日(日)だそうだ。
 ご存知の方も多いと思うが、Easter(英)Pâques(仏)などと呼ばれるこの祝日は、春分の日以後最初の満月の次に来る日曜日とされており、年によって日付が変わる。

 ヘミングウェイはパリにおける若かりし頃の思い出を、この「移動 moveable」に懸けてこう記している。

  もしきみが幸運にも
  青年時代にパリに住んだとすれば
  きみが残りの人生をどこで過ごそうとも
  パリはきみについてまわる

  移動祝祭日だからだ

 私は旅行でパリへ行った程度であるが、へミングウェイが住んでいたカルディナル・ルモワンヌ街( Rue du Cardinal Lemoine; カルディナル・ルモワンヌという地下鉄の駅もある)あたり、パリ5区の近辺はとても雰囲気が良かった記憶がある。若い頃こんなところで暮らせば、一生その思い出が染みつくだろう、と実感した。

 標記の書『移動祝祭日』に、「シェイクスピア書店 Shakespeare and Company」という部分がある。ここでヘミングウェイは次のような描写をしている。

  ・・・それはオデオン街十二番地にあるシルヴィア・ビーチの
  貸本屋兼書店であった。冷たい風の吹きさらす通りにあったが、
  ここは、あたたかくて、陽気な場所であった。・・・(福田訳)

 この英語図書の店にはジェイムズ・ジョイスなども訪れており、パリの文学情報拠点となっていたようである。

  「ジョイスはいつ来ますか?」と私は聞いた。
  「来るときは、午後おそくがふつうです」と彼女《シルヴィア・
   ビーチ/筆者注》は言った。「お見かけになったことはない
   んですか?」(福田訳)

欧明社リヴ・ゴーシュ である。
 この 欧明社 は、フランス書籍を専門に扱っていることで知名度が高い。支店のひとつである東京日仏学院内のリヴ・ゴーシュは、赤・緑・黄の色彩が鮮やかな外観で、ファッション雑誌の背景に使われることもしばしばである。しかし、そのよりどころを知る人は、ほとんどいない。
 もちろん、私もそんな因果関係を全く知らずにリヴ・ゴーシュを利用していた。
ある日、店員さんたちとヘミングウェイやシェイクスピア書店についておしゃべりをしていると、偶然居合わせたO社長がこんなコメントを投げかけてくれた。「このお店は、それがモデルですよ。あれ見てください。」店内に飾られた小さな額には、赤・緑・黄が鮮やかなシェイクスピア書店の写真があった。指差しながら話す社長は、とても誇らしげであった。







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Last updated  2005.03.17 23:24:57


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