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nanaco☆ @ Re:なんと(01/08) 狼さん、お元気です?? その後調子はいか…
浪漫的狼 @ Re[1]:なんと(01/08) nanaco☆さん  わあい。すぐにお返事いた…
nanaco☆ @ Re:なんと(01/08) 狼さん、大変ご無沙汰しております~!!…
wine ガブガブ @ Re:充電します。(04/30) エネルギーが、蓄積されたら、また再開し…
deco7 @ Re:充電します。(04/30) 充電のお役には立ちませんが、遊びに来て…
Mar 30, 2008
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カテゴリ: 創作の部屋
いよいよ大詰めです



連載第16回



感じていた。


 「…ったく、どこが『桃源郷』だよ。結花のいない世界なんかつまんねえよ…。」


 高峯は暫くぼんやりとしていたが、また財布を取り出して、あのチケットを取り出すのだっ

た。それが、彼女が存在していた唯一の証拠、心の拠り所だった。


 そして、そこに書き込まれている、可愛らしい結花の文字に目をやった…。


 ところが、ふとした拍子に、あらぬ事か、チケットを脇へ落としてしまったのだ。


 「しまった」


 と、すぐに手を伸ばしたが、そこへ折からの風が吹き、チケットはふわりと樹の向こうへと

飛ばされていった。

 そして、その先の小さな池の水面に落ちてしまった。


 「ヤべ」


 と、高峯は立ち上がると、すぐに側に落ちていた木の枝を掴むと、水面で揺れているチケッ

トをすくい上げた。…見れば、チケットの表面はもう水を含んでひたひたになって、印刷も

所々が滲み始めている。



 そしてそれを裏返しにした時、高峯は目を疑った。



 「ない…。」


 そこには、確かに書かれていた筈の、あの「loveタカネ」の文字はなかった。

 「濡れて消えてしまったのだろうか…、いや、そんな筈はない、あれはどう見ても鉛筆で書

  かれていた。鉛筆が水で消えるわけがない、それに、仮に水性のペンだとしても、少し濡

  れたぐらいで全く跡形もなくなってしまうなんてことは…。」


 高峯は混乱してしまった。


 文字が消えたこともそうであるが、自分にとってそれは結花がいたことを表す唯一の証拠、

結花そのものと言っても過言でない筆跡だったのだ。


 それを自分の不注意で失ってしまったことに、もの凄い後悔と、じわじわと噴きあがって来

る喪失感を感じていた。



 「なんてことを…。ああ、オレは一体…。」



 …その時であった。


  高峯の鼻を、またあの時のような桃の花の甘い香りがくすぐった。


 「えっ。」


  高峯は思わず辺りを見回した。

 「…今日はあたたかいけれど、まだ花は咲いていない。ここに登ってくる途中も、花をつけ

  ている木は一本もなかったし、匂いもしていなかった。」


 高峯は、何かしら心の底から湧き上がってくる力のようなものを感じ、その場に立ち上が

ると、またこの間と同じようにその桃の大きな樹を振り仰いだ。

 しかし、やはりどこにも花を見つけることはできなかった。


 そして、暫くすると甘い香りもまた何処かへ行ってしまった。



 高峯は再びそこへ座り込んでしまった。濡れたチケットが虚しく高峯の手の中で萎れてい

た。




 「本当は、オレは蝶で…これが『夢』なのか。…いっそ、そうだったらいいのに…。」 

 木の幹を背に、目をつむっていると涙が頬を伝っていくのが分かった。

 …と、目をつむっていた高峯の鼻にまた桃の花の香りが漂ってきた。そして、同時に誰かが

坂を上ってくる気配がした。


 「…高校生の男がこんな所で泣いているなんて、端から見るとおかしいと思われても仕方が

  ない。」


 高峯は学生服の右袖で涙を拭うと、立ち上がって学生服に付いた枯草や泥を払った。


 その足音は次第に高峯の方に近づき、ついにその主は姿を現した。



  結花だった。



  それは、紛れもない結花その人だった。

 高峯は本当に夢でも見ているのではないかと自分の目を疑った。そして、思わず駆け寄る

と、結花の肩を両手で掴み、強く揺すぶった。


 「結花、結花だよね…。」


 結花は少し驚いたような顔で、「どうしたの、タカネくん。今更…。私に決まってるじゃな

い。樋口結花、17歳よ。」

 そう言って微笑む結花は結花そのものだった。


 高峯は掴んでいた結花の肩から手を離すと、すぐさま桃の樹の裏に回ってみた。



 そこには、確かに二つの刻印があった…。


つづく










明日は長いエピローグ…

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Last updated  Mar 30, 2008 08:55:35 AM
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Re:三題噺【その16】高峯は寄り掛かっていた樹の幹に…(03/30)  
nanaco☆  さん
今日も一番乗りかな~♪
結花ちゃんとうとう現れましたね!
やっぱり高峯クン違う世界に行っていたんですねぇ。
荘子の胡蝶の夢を引用してこんな素敵な物語になるなんて、浪漫的狼さんさすがです(*^o^*)
次はとうとうエピローグですね。楽しみです! (Mar 30, 2008 09:56:58 AM)

胡蝶の夢かぁー  
ムッティ138  さん
高峯くん、結花ちゃんに会えて良かったねぇ~!もしかして彼は桃の木の下で寝ちゃってたのでしょうか?春眠暁を覚えず…って言うし。いや、それは最近のワタクシです。まだポカポカ暖かい春は来ていないというのに、これからが心配だわぁ。
明日のエピローグが楽しみです。結花ちゃんの大切さに気付いた高峯くんはどんな行動を起こすのでしょうかっ!!!!ドキドキ。 (Mar 30, 2008 12:01:02 PM)

全ての元。  
山デジ  さん




説明するには、余りにも不可思議。桃の花の香り、一体どう言う事なんだ。これが全ての元....。

   春の夢...。


(Mar 30, 2008 06:05:43 PM)

Re[1]:三題噺【その16】高峯は寄り掛かっていた樹の幹に…(03/30)  
浪漫的狼  さん
nanaco☆さん
 ありがとうございます。漢文の世界って、実に面白いですよね。また、何か書いてみたい気もします。エピローグ、お楽しみに。 (Mar 31, 2008 06:40:29 AM)

Re:胡蝶の夢かぁー(03/30)  
浪漫的狼  さん
ムッティ138さん
 ちゃんと着陸できたでしょうか、と不安なんですが、一応ラストらしくはしようと思います。よろしくね。 (Mar 31, 2008 06:41:33 AM)

Re:全ての元。(03/30)  
浪漫的狼  さん
山デジさん
 そうですね。「春の夢」ってイメージがピッタリかも知れませんね。悪夢ではないことを祈りたいです。 (Mar 31, 2008 06:42:23 AM)

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