konosoranosita

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2005.11.09
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テーマ: 独り言(100)
カテゴリ: 独り言
野口米次郎は最終的には詩人であり、日本の伝統芸術等を世界に紹介する美術評論家になった。

レオニーが日本にイサムを連れて来たとき、まつ子と言う女中だった人に子供を産ませ家庭を持っていた。
便宜上日本人の妻と家庭を持っていたほうが、当時の日本社会で詩人として生きていくためには有利だと思ってのことだったのだろう。

その松子との生活の中で九人の子供をもうけ、米次郎は日本文化を論じられる大学教授としてイギリスに招かれたり、詩人ヨネ・ノグチとして各国で認められ、当時の数々の著名なアーティストや知識人と交流する人となっていた。

その影でレオニーは引き続き米次郎の詩作の手助けを続けていた。
最終的には米次郎の共同制作者としての扱いを受けるようになっていた。

米次郎は晩年、イサムに対して何でもしてあげて、力になりたかったけれど、まつ子がそれを許さなかったとイサムに言った事がある。
レオニーに何もしない父親、自分を認知しない父親に対する恨みもあったけれど、イサムは世界に出て行くたびに米次郎の偉大さを知るのだった。

米次郎という強烈な個性(晩年はまつ子の尻に引かれるが)と、レオニーという我慢強くて、イサムが幼い頃から、アーティストにする為ならどんな困難にも立ち向かっていく揺るぎない信念の持ち主と、混血という片子であり、自分を認知しない父親を持つ片親の子であるイサムの苦しみが混ぜこぜになって、それがイサムを突き動かしていたのではないかと思った。



服装は黒っぽい何かを上下で着ていた。
とても痩せている人だった。
見てはいけないものを見てしまったように感じたのだけれど、視線はいけないと思いながらもその人を追っていた。
後姿を確認したけれど、やはりちゃんと結ってあった。
深川とかが近い下町だから、何かの芸人なのだろうか。


イサム・ノグチ展でエナジー・ヴォイドが展示されていたフロアにはベンチがいたるところに置いてあって、それを眺めながら休憩できるようになっていた。
歩いていくと正面のベンチに白人の男性と日本の女の子が仲良く座っていた。
白人の男の人とたまたま目が合ったらにっこり微笑むので、自然に微笑み返したら、側にいた女の子が、ぎゅっとその白人の男の人を自分の方に引き寄せた。
それを見て、つい気が緩んでいて微笑み返してしまったのがいけなかったと気がついが、白人の男性は困った顔をしてまた私に微笑むのだった。

運が悪い事は続くもので、その後カフェテラスでコーヒーを飲み終え、帰ろうとホールを歩いていたら又その二人に会ってしまった。
その白人の男の人は何か説明するためなのか何なのか、歩み寄ってきた。

そして男の人は今度は苦笑いをして去って行った。


女の子にしてみたら、まるで自分の彼が誘惑されているように思えたのかもしれない。
彼といる時はいつも、そんな目に合っているのだろうかと思ってしまった。

でもきっと彼をとても好きなのだなと思った。
ある意味かわいい子だった。






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Last updated  2005.11.09 01:03:31
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