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そんな中地から奴らは姿を現した。それは最も人に近い頭脳を持ち、最も人に恐れられる存在「ネクロマンサー」だ。 「ちっ」 リーナは反射的に距離を取った、しかしネクロマンサーの大群多少距離を取った所で何の変わりもない。屍になる時間が数秒伸びるだけだろう。 リーナはそれを悟っていたかのように一目散に逃げ出した。「今の私じゃ…」しかしうまく思考回路が回らない、心臓の高鳴りが彼女の心を埋め尽くして行く。 常人ならそうなったであろう、しかし、一方彼女の頭の中では妙に落ち着いていた。心臓は張り裂けそうなぐらい高鳴っているのに、私は何故か落ち着いていた。 だがそんな思いとは裏腹にうまく逃げられない。いや、体が逃げるのを拒んでいる。その隙を彼らが逃すはずも無かった。 襲い来る炎の雪崩、受けたら跡形も残らないだろう。私はそれも知っていた、だからかわそうとした、けれど体が言う事を聞かない。周りがスローに見えるこれが走馬灯と言う物なのだろうか…その瞬間私の思考回路はストップした。「悪いな…まだ彼女を死なせるには少々速いのでね」 リーナが倒れた後の出来事だった。その男?は背中に二つの翼を背負いながらも片方は痛々しい程に引きちぎられた痕がある。 「我が聖なる十字架はこの世に迷える者の道標とならん!」その叫ぶやいなや、地から神々しい光を放った十字架が出現した。 その威力はネクロマンサー達が一瞬で消え去るのを見れば想像できるであろう。彼らが消え去るのを見てその男は黙って去っていった。リーナが目覚めたのはその事が起きてから数時間も経った後だった。
2006.09.20
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私の名前はリーナ。 あれは、私がまだこの世界で何も知らなかった、そして静かに、ひっそりと古都の裏路地で座っていた頃の事でした。 10月の暮頃。そろそろ冬が近づいて来たこともあってか人々は暖かそうな服を着て歩いている時でした。 何時頃からでしょう、私その時生きる気力すら失っていました。家族の死、毎日の地獄、体を売ってまでしないと生きていられない始末。 でも私は一つだけ信じていました…きっと・・・きっと何時か・・・ 10月の中盤、私は何時ものように裏路地に座っていました。今日は何故か人通りが多く居心地の悪さを感じていた頃。「君……冒険者……だよね?」 一人の男がそう話しかけてきた。確かに私は冒険者だ。でもすべてを失っている武器も、戦う心も。「いえ……冒険者はもう……やめました」男は些か困ったような顔した。「実は今この世界で奇怪な現象が多々起こってましてね…一人でも多く協力者が欲しいのですが」 そんなの私の知ったことではない、私は早々にこの場を後にした。 そんな私の向かった先は何故か古都の西地区だった、此処は冒険の初心者達の集う場所私には似合わない。そう思ったのだが自然と足は人ごみのごったがえすその中央を抜けて行くように進んだ。ふとその景色が懐かしく思えた。 私も…この平原を歩いてたんだな…そう思うと昔が懐かしく思える。その時だった、地をも切り裂くような轟音が響いた。空は瞬く間に赤く染まり、地は蠢(うごめ)き、森は何時もの穏やかさでは無く恐怖を煽る正に森がすべてを飲み込んでしまうようなそんな気がする音だ。その中地から奴らは姿を現した。
2006.09.18
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小説サイトとしてやることは決めたもののどうしたものか・・まぁゆっくり考えますわ。
2006.09.18
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