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2011年04月27日
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今朝の、3年生達との約束を果たす為、まずは、余り人目に付かない場所を探してみることにした。

急いで昼食を摂り、使用していない教室を探す。

本校舎の方は、余分な教室など ほとんどない上に、どうしても人目に付いてしまうので、狙い目は、やはり旧校舎だろう。

とはいえ、築年数が相当経っている上に、旧校舎は昔、病院を買い取って そのまま使用していたとか。

螺旋階段の下には霊安室があり、夜な夜な泣き声が聞こえる・・・という、噂のある場所なので、余り良い気分ではない~★

だが、背に腹は代えられないので、取敢えず、行ってみることにした。

昼食時間ということもあり、他に人影もないまま、旧校舎のすぐ側までやって来た。

その昔、いわくつきの病院だった、という古めかしい建物を見上げると、やはり、1人で来たことを後悔しそうだ。

俺はともかく、生徒達は来たくないよなぁ・・・等と思っていた時だ。

微かだが、ピアノの音が聞こえて来た。

ピアノ・・・一体、誰が!?

耳に神経を集中させて辺りを見回すと、どうやら、旧校舎の中から聞こえて来るようだ。

誰か、居るのか?

怖いというより、好奇心だったのかもしれない。
いつの間にか、音のする方へと、吸い寄せられて行った。

その音は、旧校舎一階の一角にある『第一音楽室』から聞こえていた。

緊張の面持ちで近付くと、目の前の扉に手を掛け、ゆっくりとスライドさせた。

ガラガラガラ・・・

立て付けの悪い扉は、派手な音を立てて開き、当然のように、ピアノの音はピタリッと止まってしまった。

シーンと静まり返った 薄暗い音楽室は、不気味そのもの。

「あの・・・誰か、居るんですか?」

教室の片隅に置かれた、グランドピアノの方に向かって声を掛けてみたが、返事はない。

「気のせいだったかな」

そう呟きながら、光を閉ざしている 目の前のカーテンを開けた。

すると、薄暗かった室内が明るくなり、聞き覚えのある声が響いた。

「霧野先生・・・」

振り返ると、ピアノの陰から遥が顔を出した。

「す、鈴木!? どうして、こんなところに」

俺は、側へと駆け寄った。

「勝手に入って、すみません。練習時間が欲しかったんです」

そう言って、頭を下げた。

「発表会でもあるのか?」

「・・・・・・そんなところです」

曖昧に答えると、遥は俯いた。

「確かに、旧校舎へ勝手に入るのは、良くないことだよな・・・って、俺も同罪だから、他人(ひと)のことは言えないな」

「クスッ、クスクス・・・」

彼女がこんな風に笑うところを、初めて見た気がした。

新米教師の悩み(14) おわり






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最終更新日  2011年04月28日 03時54分19秒
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