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2011年10月07日
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そして、照れ屋が故に、こういう態度に出る・・・いいや、こういう態度しか取れないことも、もう判っている。

頭の中で、冷静な(?)分析をしていると、スカートのポケットから携帯を取り出し、時間を確認しながら遥が立ち上がった。

「そろそろ、行かないと。今日、日直なの」

「もう、そんな時間か。じゃあ、俺も」

遥に続いて 立ち上がろうとする俺を、勇平の声が引き留めた。

「涼、午後の授業は、なかったよな」

(うっ・・・チェック済みかぁ~★)

内心ドキッとしながら、小さく頷く。

「大事な話がある。もう少し、付き合ってくれ」



諦めて腰を下ろしながら、何気なく窓から外を見ると、すっかり雨は上がっているようだ。

そして、遥へと視線を向けると、空になった弁当箱を携え、教室を出ようと重い扉に手を掛けているところだったが、俺の視線に気付いたのか、突然振り返った。

「霧野先生」

「うん?」

「今朝、言ったこと・・・本気ですから」

瞬間、遥が総一に放った言葉が甦って来た。

『私の好きな人は、霧野先生よ』と。

おまけに、生徒を恋愛対象として見たことは 1度もない、と言った俺に、
『これからは、見て下さい。そして、私のこと、好きになって下さい』って・・・

そりゃ、俺だって、先生である前に 1人の男。
告白されて、嬉しくないと言えば嘘になる。



頭の中で自問してみるが、返す言葉が見つからず 押し黙っていると、心の内を知ってか知らずか、微笑みながら お礼を言われてしまった。

「貴重な時間を、有難うございました」

「いいや、こちらこそ。いろいろ、話してくれて 有難うな・・・雨は止んだようだが、地面がぬかるんでいるから、気を付けて戻れよ」

「はい。あっ、勇平さん」

「何だ?」



「どういう意味だ・・・★」

返事代わりに、遥は悪戯っ子のようにペロッと舌を出した。

「お先に失礼します」

そう言って 軽く一礼すると、ガラガラッと重い音を立てながら出て行った。

その姿を、廊下側の窓越しに見送った俺は、妙なことに気付き、小さな声を上げた。

「あれっ?」

「うん?」

「ああ、いえ・・・別に、大したことじゃないですが。今、鈴木が右側・・・西側へ向かったような」

「それが、どうかしたのか」

口に運んでいた箸を止め、怪訝そうな表情で訊ねて来る。

「俺は東側から来たので、てっきり、向こうへ行くものだと」

新米教師の悩み(54) おわり






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最終更新日  2011年10月08日 04時52分56秒
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