再出発日記

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2014年10月26日
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テーマ: 本日の1冊(3719)


「昭和二十年夏、僕は兵士だった」梯久美子 角川文庫


うまくつかまることが出来て、反動をつけて甲板のへりにしがみつこうとしました。すると、わたしの脚に、他の誰かがすがりついてきたんです。
二人だったか、三人だったか。その重さで、ずるずると下に落ちていきそうになります。そのまま落ちれば、下は燃えさかる船底です。
わたしはどうしたか。
しがみついてくる者を、蹴り落とし、振りほどきました。必死でした。芥川龍之介に「蜘蛛の糸」という小説がありますが、まさにあれと同じです。(82p)


考古学者の重鎮、大塚初重氏の初めての戦争体験の本格的インタビューである。1926年生まれ。海軍一等兵曹として乗り込んでいた輸送船が二度撃沈され、二度とも九死に一生を得た。この本には、他に金子兜太、三国連太郎、水木しげる、池田武邦のインタビューがある。

この壮絶な体験の前に、なんと言っていいのかわからない。このインタビューがなされたのは氏が80歳の頃。よくお年寄りは戦争体験のことは黙して語らない、ということを聞く。「戦争は二度としてはいけない」と強く思っていたとしても、である。こういうのを読むと、その気持ちが少しわかる気がする。

現在、戦争を体験した最後の世代が次々と鬼籍に入ろうとしている。認知症を患っている方も多いが、80歳代でまだまだ矍鑠(かくしゃく)としている方もおられる。

その方たちの話を聴く最後の「とき」が来ている。
2014年10月22日読了





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最終更新日  2014年10月26日 14時00分11秒
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