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2014.12.05
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カテゴリ: H24過去問解説
問題34

ア Aの運転する自動車がAの前方不注意によりBの運転する自動車と衝突して、Bの自動車の助手席に乗っていたBの妻Cを負傷させ損害を生じさせた。CがAに対して損害賠償請求をする場合には、原則としてBの過失も考慮される。

イ Aの運転する自動車と、Bの運転する自動車が、それぞれの運転ミスにより衝突し、歩行中のCを巻き込んで負傷させ損害を生じさせた。CがBに対して損害賠償債務の一部を免除しても、原則としてAの損害賠償債務に影響はない。

ウ A社の従業員Bが、A社所有の配達用トラックを運転中、運転操作を誤って歩行中のCをはねて負傷させ損害を生じさせた。A社がCに対して損害の全額を賠償した場合、A社は、Bに対し、事情のいかんにかかわらずCに賠償した全額を求償することができる。

エ Aの運転する自動車が、見通しが悪く遮断機のない踏切を通過中にB鉄道会社の運行する列車と接触し、Aが負傷して損害が生じた。この場合、線路は土地工作物にはあたらないから、AがB鉄道会社に対して土地工作物責任に基づく損害賠償を請求することはできない。

オ Aの運転する自動車がAの前方不注意によりBの運転する自動車に追突してBを負傷させ損害を生じさせた。BのAに対する損害賠償請求権は、Bの負傷の程度にかかわりなく、また、症状について現実に認識できなくても、事故により直ちに発生し、3年で消滅時効にかかる。


1 ア・イ
2 ア・エ
3 イ・オ

5 ウ・オ



解答・解説

ア.○
裁判所は、「被害者の過失には、被害者本人と身分上、生活関係上、一体をなすとみられるような関係にある者の過失、すなわちいわゆる被害者側の過失をも包含するものと解される。したがって、夫が妻を同乗させて運転する自動車と第三者が運転する自動車とが、第三者と夫との双方の過失の競合により衝突したため、傷害を被った 妻が第三者に対し損害賠償を請求する場合 の損害額を算定するについては、右夫婦の婚姻関係が既に破綻にひんしているなど特段の事情のない限り、 夫の過失を被害者側の過失として斟酌 [しんしゃく] することができる 」と判示しました(最判昭和51.3.25)。

よって、この肢は妥当です。



イ.○
裁判所は、「 共同不法行為者が負担する損害賠償債務 は、いわゆる 不真正連帯債務 であって連帯債務ではないから、右損害賠償債務については連帯債務に関する 民法434条の規定は適用されない

ですので、CがBに対して損害賠償債務の一部を免除しても、原則として Aの損害賠償債務に影響はありません 。

よって、この肢は妥当です。



ウ.×
裁判所は、「使用者は、その事業の性格、規模、施設の状況、被用者の業務の内容、労働条件、勤務態度、加害行為の態様、加害行為の予防若しくは損失の分散についての使用者の配慮の程度その他諸般の事情に照らし、損害の公平な分担という見地から 信義則上相当と認められる限度において

ですので、A社は、Bに対し、 事情のいかんにかかわらずCに賠償した全額 を求償することが できるわけではありません 。

よって、この肢は誤りです。



エ.×
裁判所は、「 土地の工作物たる 踏切道の軌道施設は、保安設備と併せ一体としてこれを考察すべきであり、もしあるべき保安設備を欠く場合には、 土地の工作物たる 軌道施設の設置に瑕疵があるものとして、 民法717条所定の帰責原因となる ものといわなければならない。」と判示しました(最判昭和46.4.23)。

つまり、 線路も土地の工作物にあたる から、列車の軌道施設の設置に瑕疵がある場合は、 土地工作物責任に基づく損害賠償責任が発生する 、ということです。

よって、この肢は誤りです。



オ.×
裁判所は、「受傷時から 相当期間経過後に後遺症が現われ 、そのため受傷時においては 医学的にも通常予想しえなかったような治療方法が必要 とされ、右治療のため費用を支出することを余儀なくされるにいたった等、後日その治療を受けるようになるまでは、右治療に要した費用すなわち損害については、 消滅時効は進行しない ものと解するのが相当である。」と判示しました(最判昭和42.7.18)。

つまり、この肢の文にあるような状況の場合、消滅時効は進行しないので、事故があった時から3年で時効消滅するわけではありません。

よって、この肢は誤りです。





以上により、妥当な肢はアとイですから、答えは1です。


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Last updated  2014.12.05 20:50:34 コメントを書く
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