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「ムーラン・ルージュ」 Moulin Rouge! 2001年 アメリカ映画 監督 バズ・ラーマン 出演 ニコール・キッドマン ユアン・マクレガー ジョン・レグイザモ ムーラン・ルージュと言えば、画家ロートレックが描いたポスターで有名な、19世紀末から20世紀初頭にかけてパリに実在したキャバレーです。ロートレックはこの店に入り浸り、この店に集う人々を題材にした作品を多く残しています。 そのムーラン・ルージュを舞台に、店のトップダンサーと作家志望の男の恋を描き、ゴールデングローブ賞の作品賞(ミュージカル・コメディ部門)・主演女優賞(もちろんニコール・キッドマン)・作曲賞を受賞し、米アカデミー賞でも衣装デザイン賞・美術賞を受賞(作品賞・主演女優賞初め6部門はノミネートのみ)するなど、数々受賞している、ミュージカル映画です。 1899年、作家を目指してパリのモンマルトルにやってきた青年クリスチャン(ユアン・マクレガー)は、画家ロートレック(ジョン・レグイザモ)らの劇団のショーの台本を担当することになり、ナイトクラブムーラン・ルージュへやってきます。 店の看板女優サティーン(ニコール・キッドマン)を一目見たクリスチャンは、恋に落ちてしまいます。 サティーンは、クリスチャンを傾きかけていた店を劇場に改造するためのパトロン候補のウースター公爵だと勘違いしてベッドに誘い込もうとしますが、詩を口ずさむ彼に本気で恋してしまいます。 クリスチャンが貧乏作家だと知っても、恋の炎は消えませんでした。作家と女優の関係を装いつつ愛し合う2人でしたが、ムーラン・ルージュのオーナーのジドラーにキスの現場を見られてしまいます。 何とか公爵のご機嫌を取りたいジドラーは、サティーンに、公爵のもとへ行くように命じるのです。 この映画の感想をネットで調べたら、「前半はいい感じで盛り上がっていたけど、後半失速してがっかりした。」といった感じのものが多くありました。僕も大いに同感です。 最初のショーの場面、クリスチャンがロートレックらの劇団と知り合うコミカルな場面、ショーの後クリスチャンがサティーと知り合うと同時に、公爵とブッキングしそうになるちょっと面白ハラハラな場面、などなど、前半は歌あり、踊りあり、笑いあり、豪華絢爛な舞台と衣装に包まれた、まさしくミュージカルって感じで、とっても楽しく観賞していました。 実はあらすじには描いていませんが、後半この映画悲劇になっていくんですね。当時としてはどうしようもない、ある事情(どんな事情かは一応秘密にしておきますが、よくあるお涙頂戴物の映画にあるやつです。「せかちゅう」とか。)から、クリスチャンとサティーの純愛は、悲劇に終わるのです。はっきり言って、「なんで???」と思いました。 元来、僕は不治の病(あっ、言っちゃった。まあ、いいか。)、つまり世の中のほぼすべての人が涙を誘われてしまう要素で、悲劇を組み立てるというのが、非常に安易に思われて、大っ嫌いなんですね。 せっかく楽しいコミカルな雰囲気で進んでいたいい感じのミュージカルなんだから、その雰囲気のまま、公爵をうまく出し抜いてコミカルなエンディングにしてほしかったと思ったんです。非常に残念です。結局アカデミー作品賞を取れなかったのは、そういうところでしょうかね。(ちなみに、作品賞を取ったのは、ゴールデングローブ賞ドラマ部門作品賞の「ビューティフル・マインド」です。まあ、しょうがないか。さらにちなみに、翌年はドラマの「戦場のピアニスト」を抑えて、ミュージカルの「シカゴ」が受賞しています。もしかして、バランスを取った?) ということで、楽しいミュージカルが、非常に残念でした。という話でした。 ところで、ロートレック役のジョン・レグイザモですが、子どもの頃の病気のため足に発達障害があり、異様に身長が低かったという、この実在の人物を演じるため、終始膝たちで演じていて(画面に映ってしまった足先はCGで消してあるということです。)、撮影終了後、しばらく足先の感覚がなく苦労したというお話です。さすがプロですね。彼の狂言回し的役割、とってもいい味を出していますよ。
2017.03.26
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「バンド・ワゴン」 The Band Wagon 1953年 アメリカ映画監督 ヴィンセント・ミネリ出演 フレッド・アステア シド・チャリシー ナネット・ファブレー 1950年代、MGMのミュージカル映画が世を席巻していた時代、その2大スターといえば、ジーン・ケリーとフレッド・アステアでした。ジーン・ケリーについては、その代表作「雨に唄えば」を以前紹介しました。 でも、どちらかと言えば、僕はフレッド・アステアの方が好みです。がっちり体型でパワフルなダンスを得意とする、いかにもアメリカという感じなジーン・ケリーに対し、アステアは、パッと見、桂歌丸を上品な紳士にしたような感じの容姿なのですが、スローなダンスでは優雅で美しく、タップは非常にリズミカルで、非常にかっこいいのです。 しかし、実は僕は、彼の映画をしっかり観たことがありませんでした。MGMが50周年を記念して制作した「ザッツ・エンタテイメント」という、MGMのミュージカル映画の名場面を集めて作った総集編的映画で、観ただけだったのです。 だから、彼の映画をちゃんと観てみたいと思っていたのですが、やっぱり需要が少ないのでしょうか、レンタルビデオ屋には並んでいません。もしかして、アステア自身がレンタルされることを嫌がって、家庭用のビデオやDVDが作られていないのか、とも思っていました。 でも、見つけてしまったのです、古本屋で、しかも一気に何本も。しかもしかも、“180円”とか“280円”とかの値札が付いています。これは掘り出し物です。物の価値を知らないというのは恐ろしいものです。もちろん、即購入したのは言うまでもありません。 ということで、まずはフレッド・アステアの1番の代表作と言われる「バンド・ワゴン」を観てみました。 かつてのアメリカのミュージカル映画のスター、トニー・ハンター(フレッド・アステア)は、半ば引退したような日々を送っていました。久々にお忍びで訪ねたニューヨークでは、同じ列車に乗っていたエヴァ・ガードナー(本人がカメオ出演)を待ち構える新聞記者たちを、自分を待っていてくれたのだと勘違いする始末でした。 がっかりして改札を出たトニーを待っていたのは、旧知のレスターとリリーのマートン夫妻でした。脚本家とソングライターを兼ねる2人は、できあがったばかりの脚本をトニー主演で舞台化すべく早速駆けつけたのでした。 演出に予定しているジェフリー・コルドバが演出・主演する舞台がはねた後、マートン夫妻とコルドバはトニーを口説きます。「この舞台で新しいトニー・ハンター像を打ちたてるんだ。」と。 ミュージカル・コメディだったマートン夫妻の脚本を、深刻な心理劇に書き換えさせたコルドバは、持ち前の弁舌と手管で、バレエダンサーのギャビー・ジェラルド(シド・チャリシー)を主演女優に、その恋人で新進の振付師ポール・バードを獲得し、大勢の出資者まで確保し、自信満々で製作を開始します。 多少のいざこざがありながらも、なんとか初日にこぎつけた舞台“バンド・ワゴン”ではすが、その結果は散々たるものでした。コルドバの前衛的な演出と脚本の変更に客は唖然として引きあげ、スポンサーたちは手を引き、初日のパーティ会場はがらがらだったのです。 しかし、コーラスやダンサーとして参加していた若い役者たちの“愚痴パーティ”に顔を出したトニーやギャビー、マートン夫妻は、この舞台、このメンバーをこのまま失敗に終わらせるのは惜しいと痛感します。 もとのミュージカル・コメディ版の脚本に立ち返って、新曲を増やし、地方公演を行いつつ内容を固めればかならずヒットをねらえる、資金は自分の持っている印象派の絵画を売ればいい、と主張するトニーに、コルドバもまた賛成し、ひとりの役者として参加します。一方でギャビーは、手を引くポールに逆らって、次第に心を引かれ始めていたトニーとともに一座に残る道を選びます。そして、………。 以上、長々とあらすじを書きましたが、単純で予想通りの展開なストーリーは、はっきり言ってどうでもいいです。 やっぱり観るべきは歌と踊りです。 冒頭の靴磨きのオヤジ(何で靴磨きが、というツッコミは野暮です。)とトニーとの突然なコミカルなセッションや、マートン夫妻とコルドバがトニーを説得する歌“ザッツ・エンタテイメント”(この歌はこの後、MGMのスタンダードナンバーになり、映画「ザッツ・エンタテイメント」のテーマになります。)は、非常に楽しいですし、夜の公園でのトニーとギャビーのダンスは非常に優雅で美しいです。そして、最後に列車が走る映像と前後して(旅公演をやっているという体で)、挿入される舞台のナンバーの数々、非常に楽しく、観ていて飽きません。 ただ、元々がバレエダンサーだったシド・チャリシーとのペア・ダンスは非常に優雅ですが、フレッド・アステアの代名詞でもある巧みでリズミカルなタップ・ダンスが少ししか見れなかったのは残念でした。まあ、1899年生まれのアステアですので、この時すでに50代です。激しい踊りはさすがに難しかったんですかね。アステアと言えども年には勝てないということですか。(それを考えると残念ながら今日引退会見を行った山本昌の偉大さがわかりますね。ちなみに彼の本名は山本昌広です。登録名が山本昌ですので、それが本名だと思っている人が多くて困ります。) ということで、今回は歌とダンスが非常に楽しい、往年のMGMミュージカルの名作を紹介しました。後、アステアの映画を3本、ジーン・ケリーのものを1本、同時に買いましたので、また紹介しますね。 ところで、リリー・マートン役のナネット・ファブレーという女優さん、脚本家の役だと思っていたら、最後の地方公演の舞台ではしっかりメインの女優として舞台に立っていましたね。しかも非常にパワフルな歌声でびっくりしました。当時は有名だったミュージカル女優さんだったのかもしれませんが、はっきり言って残念ながら容姿にあまり恵まれておらず、女優はまず美しいことが絶対条件だった当時の演劇界ではスターになれなかったんですね。僕は好きですけどね、かわいらしいファニーフェイス。(3枚目の写真の真ん中の赤ちゃんをやっている方です。)
2015.09.30
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「シカゴ」 Chicago 2002年 アメリカ映画監督 ロブ・マーシャル出演 レニー・ゼルウィガー リチャード・ギア キャサリン・ゼタ=ジョーンズ クイーン・ラティファ ジョン・C・ライリー かつて、「オール・ザット・ジャズ」という伝記映画(?)も作られた、ブロードウェイの伝説的振付師・演出家ボブ・フォッシーがトニー賞を受賞した、大ヒットミュージカルを映画化した作品で、米アカデミー賞で作品賞初め6部門を受賞している名作です。 「千と千尋の神隠し」が長編アニメ賞を受賞して日本でも非常に話題になった第75回のことですが、「戦場のピアニスト」「ロード・オブ・ザ・リング/二つの塔」「ギャング・オブ・ニューヨーク」などを抑えて作品賞を受賞したミュージカル映画がどんな映画か、非常に気になっていました。 1924年頃のシカゴ、クラブダンサーを夢見るロキシー・ハート(レニー・ゼルウィガー)は、人気のケリー姉妹が舞台に立つナイトクラブを訪れています。既婚者のロキシーだが、クラブに紹介してくれるというフレッドと浮気し、ショーを見に来ていたのでした。 その日、舞台に姉妹で登場するはずだったヴェルマ・ケリー(キャサリン・ゼタ=ジョーンズ)は、なぜか1人で登場し、見事に踊り上げます。舞台後、ヴェルマは、夫と妹がベッドを共にしているのを目撃して殺害した罪で逮捕されてしまいます。 1ヶ月が経過し、ロキシーがフレッドにクラブのマネージャーに会わせるよう急かしたため、彼は彼女と寝るための嘘であると語ります。激怒したロキシーは彼を射殺してしまいます。 ロキシーは、帰宅した夫のエイモス(ジョン・C・ライリー)に強盗を殺害したのだと語り、正当防衛で釈放される可能性を考慮し責任を肩代わりするよう説得し、彼は刑事に嘘の自白をします。 しかし、刑事がロキシーとフレッドが浮気をしていた証拠を見せると、エイモスは真実を話し、ロキシーはやけになって事件を認め、クック郡刑務所に送られます。野心的な地区検事長のハリソンはメディアの前で極刑にするつもりだと語ります。 ロキシーが刑務所に到着すると、“ママ”モートン(クイーン・ラティファ)が牛耳る殺人棟に入れられ、ヴェルマに会います。彼女は自身のアイドルであるヴェルマと仲良くなろうとするが、ヴェルマは無礼に拒絶します。 モートンのアドバイスにより、ロキシーはヴェルマの敏腕弁護士ビリー・フリン(リチャード・ギア)に弁護を頼むが、膨大な弁護費用が払えず、断られてしまいます。しかし、酷いことをされたにもかからず何とか自分の妻を助けようとする夫のエイモスの情に絆されてか、ビリーはある妙案を思い付きます。ビリーは記者会見でメディアを操作し、ロキシーの身の上を高潔な女性が都市での駆け足の人生により過ちを犯したという新たな作り話にでっち上げ、ロキシーをスターに仕立て上げ、ひと儲けしようというのです。 ビリーの思惑通りに、メディアはこの話を信じ、悲劇のヒロインに仕立て上げられたロキシーは民衆の人気を得、一夜にしてスターとなります。 注目されなくなったヴェルマはロキシーに、自分が殺害した妹の代わりに共にデュエットを組もうと説得を試みるが、現在ヴェルマより人気のロキシーは、かつてヴェルマにされたのと同様に鼻であしらうのでした。 以前も書いたと思いますが、ミュージカルが苦手な人って、やっぱりドラマの途中でいきなり歌い出すのがついていけないって人が多いと思うんですよね。僕は結構ミュージカルは好きなので、そういう気持ちよくわからないんですが。 この映画、心情や状況を説明するのに歌うという点では他のミュージカル映画と同じなのですが、ただ、所々挿入される歌の場面になると、そこが刑務所だろうが裁判所だろうが、いきなりステージに場面が転換され、歌う人はきらびやかなステージ衣装に変わり、バックダンサーやコーラス、バンドマンなども従え、画面全体がショーの場面に変わってしまうのです。例えば、ロキシーが刑務所に入ってきたとき、そこを牛耳っている“ママ”モートンが、「自分を頼りにしてよ(賄賂が必要だけどね。)。」ということを説明するのに、実際には刑務所で囚人服を着ているはずなのに、突然グラマラスな胸元を強調したキラキラのドレスで思いっ切りな派手なメイクした姿に変わり、バンドマン・ダンサー・コーラスを従えて、観客(ロキシーやほかの囚人たちもその中にいます。)いっぱいなステージの場面に変わり、迫力いっぱいの歌声で、とうとうと歌い上げていきます。 これって、なかなかいい方法だな、と思いました。突然道端で歌い出すよりも、はっきりしていて、かえって違和感が少ないのではないでしょうか。最初、そのシステムが理解できなくって、「あれ、あれ、なんやこれ??」と思いましたが、それが理解できると、回想場面や心の声が挿入されるような感じで、非常にわかりやすいと思いました。 僕は舞台劇などは全く知らない(何しろ生まれが田舎ですので、コンサートや演劇を観に行った経験が少ないのですよ。)ので、元々がブロードウェイ・ミュージカルなこのお話、舞台上ではどのように演じられているのか非常に気になりました。日本でも、米倉涼子さん(もちろんヴェルマ役ですよね。イメージ的に。)がやっていたりするので、いっぺん観てみたいと思いました。 お話的には、女同士の怖い争いや、殺人罪を正当防衛にして無罪を勝ち取る弁護士の策略など、なかなか面白い展開で、ワクワクしながら観ることができ、非常に楽しめる作品に出来上がっていました。 かわいい系の容姿ながら、自分を守る(目立たせる?)ためになりふり構わないしたたかな女・ロキシーを演じるレニー・ゼルウィガーと、自分が常に世の中心でなければ気が済まない見た目通りの女王様・ヴェルマを演じるキャサリン・ゼタ=ジョ-ンズ、勝つためにはマスコミも操作する凄腕弁護士を演じるリチャード・ギア、そして、“ママ”モートン役のクイーン・ラティファ(「TAXI NY」で迫力ある女性タクシードライバーを演じていました。本業は歌手のようです。)、ロキシーのお人好しな夫・エイモスを演じていたジョン・C・ライリー(なんと彼は、この年作品賞ノミネート5作のうち「シカゴ」「めぐりあう時間たち」「ギャング・オブ・ニューヨーク」の3作に出演している、という快挙です。)、主要5人の演技・歌は素晴らしく、アカデミー賞やゴールデングローブ賞にノミネートされているのは当然です。(キャサリンがアカデミー助演女優賞、リチャードがゴールデングローブ・ミュージカルコメディ部門主演男優賞、レニーがゴールデングローブ・ミュージカルコメディ部門主演女優賞を受賞しています。) ということで、アカデミー作品賞とゴールデングローブ作品賞(ミュージカル・コメディ部門)をダブルで受賞しているのは伊達ではないな、という楽しい作品を今回は紹介しました。(個人的には、「戦場のピアニスト」の方がいいと思いますが、ジャンルが全く違うので、まあ、しょうがないかなと思った次第です。米アカデミー賞は元々ミュージカルびいきの傾向がありますしね。) ところで、先日気になっていると書いた4代め相棒の件ですが、反町隆史さんに決まったと、昨日のニュースで言っていましたね。意外と大物でびっくりです。どうなるんでしょう。10月からの放送がちょっと楽しみです。
2015.07.20
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「スウィーニー・トッド フリート街の悪魔の理髪師」Sweeney Todd:The Damon Barber of Fleet Street 2007年 アメリカ・イギリス映画監督 ティム・バートン出演 ジョニー・デップ ヘレナ・ボナム=カーター アラン・リックマン ティモシー・スポール イギリスの都市伝説をもとにしたブロードウェイミュージカルを、ティム・バートン=ジョニー・デップの黄金コンビが映画化したスプラッターホラー・ミュージカルです。 ロンドンのフリート街で理髪店を営むベンジャミン・バーカー(ジョニー・デップ)は、悪徳判事ターピン(アラン・リックマン)の策略で、無実の罪を着せられ、投獄されてしまいます。 15年後、命からがら逃げ出したベンジャミンは、“スウィーニー・トッド”と名を替え、フリート街に戻ってきます。昔の店に戻ると、大家でパイ屋の女主人ラベット(ヘレナ・ボナム=カーター)と再会し、自分がはめられた理由を聞き出します。 ターピン判事がベンジャミンの美しい妻に横恋慕し、彼女を手に入れるために、自分は陥れられたことを、そして、妻は亡くなり、まだ赤ん坊だった娘はターピンのもとで、育てられていることを。 “スウィーニー・トッド”は、元通りパイ屋の2階で理髪店を営業し、判事の懐刀である役人バムフォード(ティモシー・スポール)を丸めこみ、判事に復讐しようと画策します。 この映画、とにかくすごいです。何がすごいかというと、血がすごいのです。モノトーンのロンドンの下町の画面の中で、派手に噴き出す真っ赤な血、非常に鮮烈です。派手な真っ赤な血がより鮮やかに映るように、明らかに意図的に、グレーや茶色を基調にトーンを抑えられて作られた画面ですが、その効果は絶大です。はっきり言って、血に弱い人は気分が悪くなってしまうでしょう。とりわけ、ジョニー・デップが観たいがだけに、よく知らずに観てしまった人は卒倒したかもしれません。要注意です。 そんなスプラッタな映画ですが、ミュージカルです。復讐を誓って、終始眉間にしわを寄せたままの、目力を強調させる目のまわりまっ黒メイクのジョニーが、鋭く光る剃刀を手に持ったまま、口の端だけ微笑を浮かべながら、お約束通り、突然歌い出します。もちろん、あの「ハリポタ」で悪役ベラトリックスを演じている、同じく目のまわりまっ黒メイクのヘレナも、「ハリポタ」のスネイプ先生こと、アラン・リックマンも、「ハリポタ」でロンのネズミに化けていたティモシー・スポールも、突然歌い出します。(なんか「ハリポタ」組ばっかりだね。“スウィーニー・トッド”を助ける若い船乗りアンソニー役のジェイミー・キャンベル・バウアーも最新作に出ています。) だから、ミュージカルの苦手な方は、やっぱり違和感を抱いてしまうかもしれません。 でも、この映画はミュージカルでなければいけないのです。 非常に暗い雰囲気の画面で、終始しかめっ面の主人公が、次々とスプラッタを繰り返す映画です。どう考えても怖い映画にしかならないでしょう。そんな怖い雰囲気を和らげているのが突然挿入される歌なのです。 歌なしのスプラッタホラーで作られていたら、一部のコアなファンが観るだけの映画になったでしょう。もともとが人々を怖がらせていた都市伝説です。その物語を舞台ミュージカルにして、大ヒットしたのです。やはり、ミュージカルにしなければ、大衆受けはしなかったでしょう。 それに、ミュージカルでなければ、主人公“スウィーニー・トッド”の心情が全くわからなくなります。再三語っていますが、この映画のジョニーは、終始眉間にしわを寄せたしかめっ面ですので、その表情から心情をうかがい知ることができません。しかも、非常に無口ですので、せりふも少ないのです。 彼は、歌うことによって、その心情を語っていきます。クールな彼が気持ちを言葉で語るのは興ざめですし、心の声という形で話すのも、ちょっと違う気がします。ここはやはり歌うのが一番ふさわしいのではないでしょうか。そう考えるとこのお話がミュージカルであるのは必然なのかもしれません。 この映画、ジョニー・デップの感情を抑えた演技もいいですが、1番光っていたのは、ヘレナ・ボナム=カーターです。 突然現れた“スウィーニー・トッド”が、かつてのベンジャミン・バーカーであることに気付いたラベットは、隠していた彼の愛用の銀の剃刀を渡します。このような日が再び現れることを見越して、彼女は高級な銀の剃刀をしっかりと保存していたのです。「ロンドン1まずいミートパイ」と評判だった店で、細々と暮らしながら、決して彼の残した剃刀を売ることなく、待っていたのです。 どうやら彼女は以前からベンジャミン・バーカーに好意を持っていたようです。だから、無実の罪で投獄された後でも、ひたすら待っていたのでしょう。 彼女は彼の復讐に無条件で手を貸します。再び2階の部屋を貸し、彼が殺戮する死体の処理をし、成り行きで居ついてしまった少年トビーの世話をし、劇中には出てきませんが、食事の世話などもしていたはずです。 そして、彼女はベンジャミンと仲むつまじく暮らす情景を、妄想します。まるで初めて恋をした少女のように、最愛の人と過ごす様子が映し出される彼女の妄想は、はっきり言って、年齢を重ね、どう考えてもおばさんといわれるほどの年齢であろう、彼女にとっては、恥ずかしいものですが、彼女のほのかな恋心を理解するには十分です。 決して振り向いてくれないであろう男を思い続け、けなげに尽くす彼女の気持ちが、痛いほど伝わってくるヘレナの演技は見事です。 彼女は、子どもの頃この物語の舞台を見て、非常にあこがれていたそうです。(考えたら、非常に変わった子どもですね。)しかし、この映画のこの役を手に入れるのは簡単ではありませんでした。 ヘレナは、ティム・バートン監督の内縁の妻で、生活を共にし、2人の子どもも儲けています。今までもたくさんのバートン作品に出演している常連です。監督も、このラベット役に彼女が1番ぴったりだと思っていたのですが、監督の妻だからいい役をもらっているといわれるのが嫌で、彼女には、とりわけ厳しいオーディションをしたようです。そして、その歌唱力や表現力を、このミュージカルを作った原作者に認めさせたそうです。 苦労して念願の役を手に入れたうれしさからか、彼女の熱演が画面から伝わってきます。(まあ、彼女はどの映画でも、いつも怪しい役を怪演し、存在感たっぷりですが。) ヘレナ・ボナム=カーターは、この映画で、ゴールデングローブ賞の主演女優賞(ミュージカル・コメディ部門)にノミネートされています。受賞は惜しくも逃していますが、さすがです。 そんな、やたら血が噴き出す怖い映画ですが、結局悲惨な最期となるラストも含め、一見の価値ある映画です。しかし、ジョニー・デップは、どうして、ちょっと変な男が、異常に似合うのでしょうか。
2012.02.18
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「ウエスト・サイド物語」 West Side Story 1961年 アメリカ映画監督 ロバート・ワイズ出演 ナタリー・ウッド リチャード・ベイマー ジョージ・チャキリス リタ・モレノ ラス・タンブリン タッカー・スミス 言わずと知れたミュージカル映画の名作です。米アカデミー賞を作品・監督賞をはじめ、10部門受賞しています。「ロミオとジュリエット」の物語を、現代のニューヨークの下町を舞台に作り替えたブロードウェイミュージカルの映画化です。 ニューヨークのウエストサイドを根城にしている不良少年グループ、ベルナルド(ジョージ・チャキリス)率いるプエルトリコ系のシャーク団とリフ(ラス・タンブリン)をリーダーとするイタリア系のジェット団は、ことあるごとに対立していました。 ベルナルドの妹マリア(ナタリー・ウッド)は、あるパーティで、元ジェット団のリーダー・トニー(リチャード・ベイマー)と出会い、一目で恋に落ちてしまいます。二人は周囲の目をしのんで、逢瀬をしていました。 ある夜、シャーク団とジェット団は、ふとしたことでけんかになり、リーダー同士のナイフによる決闘になり、ベルナルドがリフを刺し、カッとなったトニーはベルナルドを刺してしまいます。 ヤバいと思った、両グループのメンバーは、その場を逃げ出します。 トニーは、けんかを止めようとしたのに、はずみとはいえ、人を、とりわけ最愛の人の兄を殺してしまったことにショックを受け、マリアの所へ逃げていきます。しかし、ベルナルドの彼女アニタに見つかりそうになり、再び逃げ出しますが、騒ぎを聞きつけてきた警察に倒れてしまいます。 くだらない意地の張り合いの結果、兄と恋人を失ったマリアの攻める言葉に、一同は返す言葉がありませんでした。 というように、お話は非常に単純でわかりやすいです。「ロミオとジュリエット」の対立する2つの家を、対立する2つの不良グループに置き換えているのがお分かりでしょう、ストーリーもほぼ同じで、結末が若干違うだけです。 ミュージカル映画ですから、やはり特筆すべきは歌と踊りです。 マリアとトニーが非常階段(「ロミオとジュリエット」のバルコニーのシーン)で愛を確かめ合うデュエット曲“tonight”は、1番有名で、美しい曲ですが、僕はこの映画の1番の見どころは、群舞の素晴らしさだと思っています。 シャーク団のみなさんが溜り場で、アニタを中心に、男女掛け合いで歌い踊る曲、“America”と、決闘の場から逃げ出してきて興奮するメンバーをジェット団のサブリーダーのアイス(タッカー・スミス)がなだめる“cool”、この集団で、歌い踊る2つの曲は、迫力があり、思わず引き込まれてしまいます。 また、せりふが全くなしで、曲と踊りでシャーク団とジェット団の関係を紹介していくオープニングも秀逸です。男性ダンサーのかっこいい群舞に魅せられて、作品の世界に入り込んでいきます。 ミュージカル映画は、今まで普通にしゃべっていたのに、いきなり歌って踊り始めるので嫌い、というタモリさんのような方は多いとは思いますが、こういう良質のミュージカルから入れば、その世界の素晴らしさが理解いただけるのではないでしょうか。
2011.12.22
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「雨に唄えば」 Singin’ in the Rain 1952年 アメリカ映画監督 ジーン・ケリー スタンリー・ドーネン出演 ジーン・ケリー デビー・レイノルズ ドナルド・オコーナー 若い映画ファンの人は、ご存知ないかもしれませんが、1940年代~50年代にかけて、MGM社のミュージカル映画が一世を風靡した時代がありました。(と言っても、僕もリアルタイムで経験しているわけではありません。) ジーン・ケリー、フレッド・アステア、フランク・シナトラ、ジュディ・ガーランド、デビィ・レイノルズ、ミッキー・ルーニーなど、歌って踊れるスターを中心に、大掛かりな舞台や、数え切れないほどのダンサーを使った圧倒的な群舞、個性的で楽しいダンスに、魅惑の歌声などで、ヒット作を連発していました。 その中の、誰もが認める代表作が、この「雨に唄えば」です。ジーン・ケリーが、土砂降りの雨の中で、題名にもなっている主題歌“雨に唄えば”を歌い踊るシーンはあまりにも有名です。 時代は、いまだサイレント映画の時代(おそらくは1920年代後半)、ハリウッドにトーキーの波が訪れ始めたころのお話です。 サイレント映画の大スター、ドン(ジーン・ケリー)と同じく大スターリナ・ラモントの主演映画を、トーキーに作り直すことになりました。しかし、ト-キーのノウハウがよくわからず、しかもリナは美しい顔立ちにふさわしくない、ひどい悪声(いわゆるアニメ声)でした。 ドンは、親友のコズモ(ドナルド・オコーナー)と、ドンの彼女で駆け出しのミュージカル女優キャシー(デビー・レイノルズ)と相談し、映画をミュージカルで作り直すことを思いつきます。そして、問題のリナの声は、キャシーが吹き替えることになります。 そんなトーキー映画創世記のドタバタを、歌と踊りを交えて、楽しく語っていく、とても楽しい映画です。前述の雨の中で踊るジーン・ケリーもいいですが、僕は、ドンとコズモとキャシーがソファーを使って歌い踊るシーンと、コズモがモップを相手にチークダンスを踊るシーンが好きです。 とにかく、いま見てもとても楽しめる、ミュージカル映画の大傑作です。
2011.11.05
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「掠奪された7人の花嫁」 Seven Brides for Seven Brothers 1954年 アメリカ映画監督 スタンリー・ドーネン とても古い半世紀以上前のミュージカル映画ですが、今観てもとても楽しいミュージカルです。 山奥で農場を営む7人兄弟がいました。長男のアダムが、町へ買い物に来たついでに、一目ぼれした花嫁ミリーを連れ帰ります。それに刺激された6人の弟たちは、お祭りで町に行った折、それぞれお気に入りの娘を見染めます。アダムにそそのかされた弟たちは、町へ行き、6人の娘を掠奪(略奪?)してきてしまいます。 あまりの横暴さに、ミリーが怒って、男たちを全員家から追い出してしまいます。 冬になり、辺り一面雪景色です。山への道は不通になり、町の人たちは奪回に行けません。春が来ると、ミリーには赤ちゃんが生まれ、そこそこにカップルの姿が、やっとやって来た町の人たちも、弟たちと娘たちの結婚を認めざるを得ませんでした。 という、非常に単純なストーリーですが、それが、コーラスの美しいバラードや、アダムとミリーのデュエットや、末っ子のギデオンのソロや、楽しいダンスに彩られています。 何といっても楽しいのは、お祭りのシーンです。フォークダンスを踊っているうちに、それがいつの間にか、兄弟たちと町の若者たちの娘たちの争奪戦になり、だんだんと男っぽいアクロバティックなダンスになっていきます。またその後、イベントで、小屋を競争で建てるのですが、いつの間にかケンカになり、作りかけていた小屋は、すべて壊れてしまいます。 また、あまりにも無骨で女心が分からない弟たちに、女性の扱い方をミリーがレクチャーするシーンや、町から奪回にやってきた人たちが、赤ん坊の声を聞き、「誰の子だ」と聞くと、もう帰りたくなくなっている娘たちが6人そろって、「mine!!」と答えるシーンが好きです。そんな楽しさとユーモアにあふれたお話です。 兄弟たちは、長男がアダム、次男がベンジャミン、………末っ子がギデオンという具合に、アルファベット順の名前になっており、常に決まった色のシャツ(関ジャニのように、スバルは歌の中心だから赤、ヨコは悪役だから黒です。)を着ているのですが、よく区別ができません。(すみません、名前もよく覚えていません。)娘たちは、単独でアップになることすらほとんどありませんので、もちろんです。結局、長男カップルのアダムとミリー、ソロナンバーのある末っ子ギデオン(「ウエストサイド物語」のジェット団のリーダーをやっていたラス・タンブリン)しか、わかりません。でも、そんなことは気になりません。 つじつまの合わないところ、都合のよすぎるところなどありますが、とても楽しいミュージカルです。山の自然も美しいです。(書割の背景もありますが) アカデミー賞では、作品賞など5部門にノミネートされていますが、作曲賞の受賞のみです。 しかし、サスペンスのような邦題、何とかならなかったのですかね。掠奪された花嫁は6人だし。(最初のミリーは掠奪されていません。)
2011.10.14
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「ドリームガールズ」 Dreamgirls 2006年 アメリカ映画監督 ビル・コンドン出演 ジェイミー・フォックス ビヨンセ・ノウルズ エディ・マーフィー ジェニファー・ハドソン シュープリームスとダイアナ・ロスの実話をもとにした同名のブロードウェイミュージカルを映画化した、ミュージカル映画です。日本でのヒットはいまいちでしたが、大スター歌手ビヨンセ主演で、ゴールデングローブ賞の作品賞(コメディ・ミュージカル部門)をはじめ、数々の賞を受賞し、アカデミー賞でも話題になったので、ご存知の方も多いでしょう。 エフィ(ジェニファー・ハドソン)、ディーナ(ビヨンセ)、ローレルの3人、「ドリーメッツ」は、黒人スター歌手ジミー・アーリー(エディ・マーフィー)のバックコーラスのオーディションを受けていました。アーリーのプロデューサーでカーディーラーのカーティス(ジェイミー・フォックス)は、3人に目をつけ採用します。 ツアーを続けるうち、エフィはカーティスと、ローレルはアーリーといい仲になっていきます。 ある日、「ドリーメッツ」が、エフィの兄C.C.が作った曲「Cadillac Car」を歌うのを見たカーティスは、「ザ・ドリームス」と名をかえ、デビューさせ、同時にレーベル「レインボーレコード」を立ち上げます。 しかし、エフィは不満でした。それは、デビューに当たって、センターポジションを美人のディーナと交代させられたからです。3人の中で歌唱力が1番だと自負していたエフィは、自尊心を傷つけられたのです。 「ザ・ドリームス」のデビュー曲は黒人専用のラジオ局を中心にヒットし、R&Bチャートのチャ-トの上位を飾ります。しかし、白人に曲を盗まれてしまいます。 カーティスは、カーディーラーをやめ、車を売り、白人も聞くラジオ局などにお金を使うなど、強引な方法で、3人を売り込んでいくのです。 そんな中、エフィの不満は膨らんでいき、周囲に当たり散らすなど、目に余る行動をとることが多くなっていきます。そして、カーティスの心はエフィから、ディーナへと移っていくのです。 この後、エフィの脱退、ディーナのソロデビュー、ジミーの没落など、いろいろとあって、エンディングに向かっていくのですが、あとは観てのお楽しみということで。 しかし、何といってもエフィ役のジェニファー・ハドソンです。その圧倒的な歌唱力と、感情むき出しの体当たりの演技は、ジェイミー・カーティス、ビヨンセ、エディ・マーフィーら、大スターを喰って、存在感たっぷりです。これがほとんどデビュー作というから驚きです。アカデミー助演女優賞は当然です。(菊池凛子さんは運が悪かった。彼女がいなかったら取れたかも、残念。)これは彼女を売り出すための映画だったんだ、と勘ぐってしまうほどです。まあ、感情むき出しなだけに、大スターたちの役よりもやりやすかったのかもしれませんが。 後、いくつか気になった点がありますので、述べていきましょう。ひとつめは、カーティスの扱いです。何か、悪役のような扱いで、強引な手を使うところが強調されていますが、売り込むために金をばらまいたり、スター性があるタレントをエコひいきするのはよくあることですよね。お金をばらまいたのは、3人の歌を聞いてもらうためで、聞いてもらえれば、才能があることがわかるからです。決して、不正をするためではありません。むしろ悪いのは、アメリカの根底にある人種差別の気風です。また、キャンディーズも、スーちゃんからランちゃんにセンターを替えたら売れてきたし、どこかの総選挙も人気を維持するためには当然だと思います。エフィの歌は確かに迫力があって、すごいですが、どう見ても、ディーナの方がスター性があります。渡辺直美がドリームガールズの曲で踊るときには、ビヨンセのまねではなくて、ジェニファーのまねをしているんでは、と思うくらい容姿が違います。聞くところによると、ビヨンセは、ジェニファーの方が歌がうまく見えるように、わざと押さえて歌っていたということですが。 もう一つ気になるのが、最後「ザ・ドリームス」の4人(エフィが抜けた後入った子も入れて)が仲良く一緒に歌って、いろいろなことを水に流すというところがあるんですが、それはないだろうと思ってしまいました。あんなにプライドが高かったエフィが、年をとって丸くなったとはいえ、兄に説得されたとはいえ、ディーナが謝罪しているわけでもないのに、男も地位も奪った相手と簡単に和解するんじゃないよ、と思ってしまいました。悪い部分は、カーティスに全部押し付けて、それでいいのかと思いました。 と、突っ込みを入れつつも、やっぱりいい映画だと思います。音楽業界の話なので、突然歌いだすという、ミュージカル嫌いな方の違和感も軽減されていると思います。しかも、シリアスな演技をするエディ・マーフィーという珍しいものを観ることができる、という特典付きです。どのくらい珍しいかというと、驚いたアカデミー会員が思わず助演男優賞にノミネートしてしまったくらい珍しいものです。
2011.08.05
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