心身健康レシピ(@自宅)byはんなりシェフ

心身健康レシピ(@自宅)byはんなりシェフ

2004年11月09日
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ストリートコート。

桜ヶ丘、というだけあって、豊かな木々が見下ろす
フリースペース。普段見過ごしている紅葉が
なんだかまぶしく見える。開き忘れた故郷からの便りのように。

バカで最高な仲間と、アホみたいにはしゃいで。

走る、飛ぶ、投げる、笑う。
へたりこむ、飲む、倒れこむ、空と目が合う。
汗の匂い。肺の痛み。なつかしい心地。


僕はサッカーと、一緒にサッカーをしてきた仲間が
本当に好きだった。

みんなを引っ張れるほど優秀なキャプテンじゃなかったけど、
ピエロのように、チームを盛り上げることに命をかけていた(笑)。
思えば、自分よりうまい奴がわんさといたなぁ。

さて、バスケット。
僕はこのスポーツも、サッカーと同じくらい好きだ。
そして、サッカーよりも、なぜか【人並み以上】だ。



僕はどうして、サッカーを9年以上もやってきたのか。
もしかしたら、下手くそだったから、かもしれない。

そうだ、思い起こせば、最初はサッカーなんか大嫌いだった(笑)


週に3日ある練習なのに、一度もいかないことばかり。

ただ、たま~に参加するときには、必ずお礼を言っていた。
コーチは無償でやってくれていたから。
(そんなことに気を遣うような、変な子どもでした(笑))
夕焼けがびっくりするくらいの、『ありがとうございましたっ』。




『次も来いよ~』って。

僕はもう、そうとうパニックになった。
でも、コーチが怖くて、もちろん反抗はできない。
「(o;TωT)o" ビクッ! は、、、はいっ」と僕。

怖くて約束をやぶれない僕は、ほんとうにほんとうに珍しく、
2回連続で、クラブに行ったのだ。(快挙だ・・・)

そしたら、恐れていたことは起こった。
『また次回も来いよ~』
である。

僕は正直言って、練習がつらかった。
体力的にもきついが、何より、下手くそだからだ。
学校ではガキ大将で威張っていた分だけ、
居場所のなさにはとても敏感だった。

いつも僕のことを『師匠』と呼ぶ友達が、
(それはそれで十分異常だけど(笑))
僕よりよっぽど華麗にボールをあやつる。

彼らは、蝶のようだ。
僕は自分を、芋虫みたいだ、と思っていた。本当に。

その僕が、辛いような後ろめたいような恥ずかしいような
思いを引きずって、
2回連続でクラブに行ったのである(ああ、なんかあの頃の想いが・・・)

そして、そのサイクルは、繰り返された。
ただ僕は、辛いこともあったものの、やっぱり
ちょっと嬉しかったのだ。
『次回も来いよ』って、言ってもらえることが。



そうこうするうちに、僕は毎回通うようになった。
そして、なぜか、誰よりも早くグラウンドにいた。
なぜか。

誰もいないなら、サッカーをしていたって、自分の
居場所が確保できたからだ。怖いコーチもいなければ、
下手くそなところを隠したい同級生もいない。

大した練習なんてしていない。
ただ思い切り、一人でボールを蹴っていた。
1時間も、2時間も。でも、
それはほんの少し、楽しかった。

そんなある日。

『お前、最近なんかえらい頑張っとるなぁ』
コーチが、この僕に、言った。

明らかに一番下手だった、僕に。
最初は信じられなかった。
いや、言われてからもずっと、信じられなかった。

そんな戸惑い顔の僕を見て、コーチは続けた。

『家具を運ぶときに(コーチは家具屋の経営者だった)、
 グラウンドの横を通ったら、いつもお前がおったわ。
 先生、嬉しかったぞ。』

・・・
・・・・・
小さな僕は、必死で涙をこらえた。
いつも厳しくて怖いコーチが、褒めてくれたのは
初めてだった。想像したことだってなかった。

きっと死ぬまで忘れないだろう。
体中で叫びたいほど、嬉しかった。

グラウンドが真っ赤に染まるくらい、
夕焼けのうるさい夏の日だった。
僕はあの日、本当にサッカーが好きになったのだ。



毎回かかさず、練習に通う。
毎日隠れるように繰り返していた練習は、このときとても
役に立った。

一番下手くそだった僕は、意外にも、誰よりも強い
シュートを打てるようになっていた。
それは、本当に本当に、嬉しかった。

僕は自分の居場所を、なんとかかんとか、
獲得した。

これが、今の僕のサッカーの、そして性格の、
土台になっている気がする。



中学・高校と、ずっと続けてきた。
才能のあるやつには、勝てないものも多かった。

ただ、僕ははげましや声だしを一生懸命やったり、
練習を楽しくやれるように工夫したりピエロをやったり・・・(笑)

実力的には、影でもやっぱり練習したけど(笑)、特別にはなれなかった。
でも、それはそれで受け止めて、
僕なりに、『自分ができること』を、ずっと探してきた。

それはいつしか、僕にしかやれないこと、になった。
ピエロはピエロで、一流のピエロになればいい。
花形は別にいる。そして彼には、ピエロはできない。

そしてピエロな僕には、
大切で最高な仲間がたくさんできた。

そんなこんなで、僕はサッカーがものすごく好きになった。
好きになれた、と言った方がいいかもしれない。

サッカーが教えてくれたものは、とても多くて、大きい。

僕は、本当に何もできなかった。居場所もなかった。
だから、多くを学んだ。

下手くそじゃなかったら、ずっと知らなかった。

誰よりも自分が劣っている、という辛さ。
居場所のないことの辛さや後ろめたさ。
それでも頑張れる可能性が必ずあるってこと。

そして、嬉しいことも。

優しい声をかけてもらえることがあんなにも嬉しいなんて。
仲間に入れてもらえることが、あそこまで自信になるなんて。

自分の居場所を作るということが、子どもにとって、
きっと大人にとっても、命が揺れるほど大切だってこと。

『お前、明日も練習に来いよ』って、本当に嫌で嫌で
逃げ出したかった、友達のセリフ。
それがいつからか、
『明日も練習一緒に行こうね~』に変わった。
そしたら、僕が、変わった。
変わることができた。

性格が変わったわけではないけれど、
うつむいていた顔が、たしかに上がった。


会社でも同じ。カナダでも同じ。
これからの日本についても同じ。

僕は、『自分にできること』を必死で探すんだと思う。

基本的にはピエロでいい(笑)。楽しい仲間と、それを
探せたらいい。幸福なことに今の会社には、そういう仲間がいる。

僕は最高のピエロになりたい。
泣いてる大人が、笑ってしまうような。


バスケに疲れ果てて寝転びながら。
そんなことまで、思い出して、改めて思い直した(笑)。

スポーツの秋である。
空想の、秋である。

ふと、
僕の中の少年が、フリーコートを横切っていった。


【今日の人生レシピ】
僕が何かを期待する前に、
僕が何を期待されているか、何ができるか。
それを考えて生きたい。





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最終更新日  2004年11月09日 23時57分03秒 コメント(4) | コメントを書く


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