真夜中の廊下で。「生きる」執念に出会った瞬間
夜中の1時46分。 一睡もできず、絶望に打ちひしがれていた私は、トイレに立った廊下で「彼女」に出会いました。
入院したとき、廊下ですれ違ったときから、 私の目にあるものが焼き付いていました。
それは、彼女が引いている点滴のポールにぶら下がっていた、 相棒のような「可愛いぬいぐるみ」。
殺風景な病院の中で、そこだけが唯一の癒やしのように見えて、「あぁ、可愛いな」と心に残っていたのです。
1. 痩せ細った背中と、深夜の戦友たち
「この子達可愛いですね。今日お見かけしましたよ」
思わず声をかけた私に、彼女はポツリポツリと話し始めました。今年60歳になった私より1つ年下の59歳。
3ヶ月に及ぶ入院生活で消耗しきった彼女の姿は、
正直に言えばボロボロで、今にも崩れ落ちてしまいそうでした。
食事も喉を通らず、管から栄養を入れている状態。
そして、主治医からの過酷な宣告。
「もう、これ以上できる治療はありません。施しようがないのです」
うなだれる彼女の姿を見て、私はたまらなくなって、彼女の細い肩に手を置き、痩せ細った背中をそっと撫でました。
「頑張ってね……。頑張ってね……」
それしか言えなかった。
でも、祈るような気持ちで撫で続けました。
ふと見れば、深夜だというのに、 他にも髪が抜け落ち、
眉毛もなくなった患者さんたちが、 自分で点滴を繋ぎながら、
ゆっくり、ゆっくりと歩いていきます。
みんな、眠れない夜を戦っている。
声には出さなくても、そこには凄まじいまでの「生きる執念」が渦巻いていました。
【詳細は各章にて】
2. 私はなんて「甘い」んだろう
彼女たちの姿を目の当たりにして、私は自分自身を猛烈に恥じました。
たった半日の入院生活。
お昼も夕飯もがっぷり完食して、チョコまで食べて(笑)。
あろうことか、スマホで日経平均のトレードまでやっている私。
「あぁ、私……なんて甘いんだろう」
カーテンの中のいびきがうるさいだの、 個室代がどうだの、治療をやめて帰るだの……。
命の瀬戸際で、ボロボロになりながらも「生きたい」と叫んでいる彼女たちを前に、
今の私の状況がいかに贅沢で、恵まれているかを 思い知らされたのです。
【詳細は各章にて】
3. 絶望からのワープ
「私には、まだ受けられる治療がある」「まだ、美味しいものを食べて、自分の足でどこへでも行ける」
彼女たちとの出会いは、まさに「絶望からのワープ」でした。暗闇に突き落とされたと思っていた私は、 実はまだ無限の可能性の中にいたのです。
彼女たちが命をかけて守ろうとしている「今日」を私はなんていう態度で過ごしていたのか。
私はその夜、初めて「自分の命」と 真っ正面から向き合う覚悟を決めました。
【詳細は各章にて】
さあ、ここから私の「逆襲」が始まります。
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