FFいれぶんのへたれな小説とか

FFいれぶんのへたれな小説とか

January 12, 2005
XML
カテゴリ: 七番目の魔法塔
 アダマンチウムの焦げる臭いがする。

 魔法のフィナーレ。最終楽章の名をつけられたその曲は、その旋律を持って標的を覆う魔法を打ち消す。それがたとえ、どんな強固な防御魔法でも。
「くっ・・・」
 ヒトの膝が折れる。二ヶ月間必死に金策して買った自慢の盾が、圧倒的な熱量の前に少しずつ溶けていく。
(これで、最後―――っ)
 最終節を奏で終わり、フィナーレが完結する。ガーディアンを覆っていた光が、薄まるように霧散していく。
「ツィン、今っ!」
 トコの言葉と共に、ツィンの巨躯が宙空を駆ける。狙うは魔道球の込められた、ガーディアンの胸部。渾身の力を持って、巨大な斧が振り下ろされる―――。

 しかし、岩をも砕くその一撃は、あろうことかガーディアンの細い両手によって受け止められていた。ガルカの体重を乗せた斧を持ち上げたまま、ガーディアンは事も無げにしている。
「・・・惜シカッタナ」
 再び光がガーディアンへと集まっていく。まずい。あのままの体勢では避けようがない。屈強な戦士といえど、あんな一撃をまともに食らっては―――
「終ワリ・・・ダ」
「・・・テメェがな」
「―――!?」
 いつもの不適な言葉が聞こえる。ガーディアンの背後に、いつの間にかルーツの姿が出現していた。青い短剣が、残像を描いてガーディアンの背中へと突き刺さる。
「ガッ・・・!?」
 集まりかけた光が、弾けるように掻き消えた。斧を掴みきれなくなった両手が、ぶらんと垂れ下がる。
 やがて低く唸りをあげると、人形は静かに床へと倒れこんだ。
「・・・ふぅ」

 短剣を鞘に収め、その様子をじっと見つめる。圧倒的な力を持ったガーディアン。その名前の意味を知るすべは、もう―――
 ―――パカァンッ!
「いてぇ!?」
 背後から叩かれ、ルーツは素っ頓狂な声をあげる。少し形の変わった盾を持ったまま、ヒトがその様子を呆れたように見ていた。
「テメェ!今盾で殴りやがったな!?」

「うるせぇこの不良ナイト!人の後頭部にシールドバッシュしやがって!」
 今にも掴みかかりそうな大声を上げ、睨みあう。やれやれといったツィンの横を抜け、トコが割って入る。
「まぁまぁ・・・無事でよかったよ、ホントに。でもどうして?」
 不思議そうな声を出すトコに向かって、ルーツはにやりとする。
「開発中の新技、死んだふりさ。敵を騙すには味方からっつうだろ」
「・・・」
 心底呆れたように、ヒトはお手上げの様子を示す。その姿に苦笑しながら、トコは横たわるガーディアンを見下ろした。
 静かに響く振動音。
 事切れたはずの魔法人形が、音も無く体を震わせた。
「え?」
 理解するよりも早く、その場を飛びのく。ただ事でないトコの様子に三人の視線が集中し、続いてゆっくりと起き上がる魔法人形へと注がれた。
「こいつ、まだ―――」
 再び臨戦態勢を取り、距離を測る。再び光を求めるかのように、ガーディアンが低く唸る。
 コツン・・・コツン・・・。
 その時、一つの小さな足音が、部屋の隅から聞こえた。
「・・・そこまでにしておきなさいな」
 諭すような言葉は、依頼主であるシャントットのものだった。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  January 31, 2005 12:30:59 AM
コメント(1) | コメントを書く
[七番目の魔法塔] カテゴリの最新記事


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: