FFいれぶんのへたれな小説とか

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January 26, 2005
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カテゴリ: 七番目の魔法塔
 痩せた草木が所々に生えているだけのサルタバルタの平原は、冒険者の人気もあまり良くない。以前は肥沃な土地だったという話もあるが、20年前の大戦後を生きる冒険者の中にその姿を知るものは少ない。
 そのサルタバルタには、全部で6つの魔法塔が点在している。それら全てがホルトト遺跡と呼ばれる古代遺跡への入り口となっており、薄暗く不気味な洞窟と、魔力の光により薄緑色に浮かび上がる空間は新米の冒険者達を恐恐とさせる。
 また、ホルトト遺跡には制御を失ったガーディアンやアンデット、ボムといったモンスターが徘徊しており、冒険者達の行く手を阻む。既にその機能の大部分が破壊されたとされる遺跡に訪れるものは少ないが、熟練の冒険者達はこの遺跡がウィンダスにとってどれ程重要なのかを知っている。
 そんな事を思い返していたのか、ヒトは感慨深そうにサルタバルタの痩せた大地と、遠くに見える魔法塔をチョコボの背の上から眺めていた。今は荒野に見えるこの景色も、いつかはきっと―――。
 そんなヒトの姿を、トコは黙って見つめていた。熟練のナイトの証である白い鎧に身を包み、ゆるやかに流れる風に金色の髪をなびかせているヒュームと、精巧に編みこまれた白いローブに身を包んだタルタル。ウィンダス出身の二人は、古き遺跡で繰り広げられた偉大な獣に関する事件に関わったことがある。
 あの遺跡に関する事件は、あれで全てが終わったのだと思っていた。しかしこの遺跡を作ったであろうタルタル族以前の先住民や、このホルトト遺跡の持つ意味も、本当の所は何もわかってはいない。
 サルタバルタにそんな思いを馳せていると、LPからルーツの能天気な声が聞こえてきた。
『お~い、指定された座標に行ってみたんだけどヨォ、何も無いぜこりゃ』
『周辺も調べてみたが、それらしい痕跡は無いな』

「二人とも迷子~?」
『勘弁してくれヨォ、トコじゃあるまいし』
「・・・わかった。僕ら二人もそちらへ向かってみる」
 ヒトはチョコボの手綱を握りなおし、サルタバルタの平原を駆け出した。トコはヒトを見失うまいと、慌ててその後を追う。
 荒涼とした大地は冷え冷えとしていたが、彼ら冒険者はその光景から20年前の大戦を想像することは出来ない。幾多の獣人軍と、稀代の魔導師達が繰り広げた壮絶な死闘は、幾つもの悲しい歌と、明日に繋がる道を切り開いてくれた。シャントットら有名な魔道士らもその戦火において大きな功績をあげたらしいが、彼女らの口からその物語が語られることは少ない。
 やがて問題の場所に近づいた彼らがルーツとツィンの姿を認め、手を振ろうとした時だった。
 雲間から漏れる陽光の薄明かりが一瞬、強くなったかと思うと、陽炎のようなものが揺らめき、それは徐々にその姿を現していった。
「あれは・・・魔法塔?」
 ジャミングがかかったような、薄い霧に包まれ、あたりの景色に溶け込もうとする古びた塔。ホログラフのようにその存在感さえ薄く感じるその塔は、紛れも無く7番目の魔法塔だった。
「・・・どういう仕掛けかしらねぇが、手が込んでやがるぜ」
 ツィンと共に駆け寄ってきたルーツが、呻くように呟いた。大きく開いた塔の入り口が、まるで誘うかのようにぽっかりと開いている。

 トコが思わず不安そうな声を上げる。
「・・・タイミングが良すぎるな」
「ここまで来たら行くしかねぇだろ」
「しかし、罠という可能性も・・・」
 ルーツはあくまで慎重な姿勢を崩さないヒトに嘆息すると、騎上から降り、チョコボを街へと返した。

「慎重に議論してていつこの入り口が消えるかもわからねぇ。それに、とりあえず入ってみないことには何もわかんねぇさ」
 その言葉に同意したのか、ツィンとトコもチョコボを降りる。
「冒険者たるもの、目の前の機会を逃してはならない」
「多分大丈夫だよ~。それに、私も中がどうなっているか気になるし」
 ヒトは大きくため息をつくと、ゆっくりと地面へ降りった。
「無理して来なくてもいいんだぜ」
「・・・仲間を未知の脅威から守るのも、ナイトの仕事さ」
 やれやれといったふうに肩をすくめるヒトに、ルーツは笑っているように見えた。結局のところ、彼らは皆冒険者なのだ。
「それじゃ、いっちょ行きますか」
 かくて四人の冒険者を飲み込んだ魔法塔は。
 やがて初めからそこに存在していなかったかのように、その姿を周囲の景色に溶け込ませていった。





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Last updated  January 26, 2005 01:23:38 PM
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