FFいれぶんのへたれな小説とか

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January 27, 2005
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カテゴリ: 七番目の魔法塔
 多少心もとない備え付けの魔力ランプの輝きが、エメラルド色の壁面をわずかに浮かび上がらせる。伸び縮みする影が壁に映っては消え、規則的な四つの靴音が、廃墟のような遺跡に木霊する。
「妙だな」
 最後尾を行く、ガルカのツィンが呟いた。そのすぐ前を行くトコはちらりとその表情を見る。最初の威勢はどこへやら、既に泣き出しそうな顔の彼女とは対照的に、彼はいつもの無表情を貫いていた。
 重厚な鎧に身を包み、その柄だけでタルタル族ほどはあろうかという巨大な両手斧を事も無げに担ぐ彼は、無関心を装いながらも周囲の警戒を怠らない。
「何が妙だっつぅんだよ」
 もう随分と同じような景色を繰り返す道に既に集中力を削がれてしまったのか、先頭を行くルーツが気だるそうな声を上げる。彼が身につけるのはいつも身軽さを重視した軽装である。しかしシーフとしての様々なアイテムを持ち歩くために、幾つものポーチが装備に付属している。
「わからないかい?もう随分と長い事歩いているのに、他の冒険者どころかモンスターとも出くわさない」
 額に少し汗を浮かべながら、ヒトはその言葉に答えるように言った。
「他の冒険者はともかく、モンスターは別に出なくていいよー・・・」

「少し休憩にしよう」
 そう言って壁に寄りかかると、ヒトは何事かメモを取り出した。ルーツとツィンも姿勢を崩してはいるが、周囲へそれとなく目線を走らせている。
「遺跡っつうよりマラソンコースだな、こりゃ」
 一直線に続く道は、その先どころかやってきた道さえ深い闇に飲み込まれて行くようだ。あても無く進む冒険者にとって、周囲の景色が変わらないことほど疲れるものは無い。こんなところでマラソンなんかしたら、それこそ気でも狂ってしまいそうだ。
「もうジュノに着くくらい進んでいるはずなんだけどね・・・でも、そんな巨大な遺跡、聞いた事が無い」
「・・・あるいは進んですらいないかも知れんな」
 何か思い当たる節があるように、ツィンが呟く。そんな彼に、ぎょっとした視線をルーツが向けた。
「いやなに、例えば細かい壁のシミなどな。符合する箇所が幾つもある」
「なっ・・・気づいてたんなら早く言えっつーんだよ!」
 思わず怒号を上げるルーツに、ツィンはふむ・・・と短く呟いただけだった。その言葉を補うように、ヒトが説明を始める。
「ホルトト遺跡には幾つもの仕掛けがある。異なる三つの魔力に呼応することで開く扉もあるし。一見しただけではただの壁も、すり抜けることが出来る箇所もあるくらいだ」

「君の腕を信頼していないわけじゃないさ。ただ、ここを作った連中はそんな大層な仕掛けを用意することが出来た」
 ルーツはそれで合点が行ったようだったが、トコだけは事態が飲み込めないのか、鼻歌を歌いながらザックからアップルパイを取り出していた。
「つまり、俺達は同じところをぐるぐる回っていると?」
「今の所、その可能性が高いと思うよ」
「かーっ、まじかよ・・・」

「もぐもぐ・・・美味しい~♪あ、あとオレンジジュースも・・・」
 複雑な三人の表情をよそに、幸せの絶頂にいるかのような表情を浮かべ、トコはザックに手を伸ばした。その小さな手が、何か硬い物にぶつかる。
「あれ?これは・・・」
 とりあえずそれを慎重に両手で持ち上げる。それは、シャントットに渡したはずの黒色クリスタルだった。
「トコさん、それは・・・」
 ヒトが黒いクリスタルの淡い輝きに気がつき、目線をやったときだった。一瞬クリスタルの輝きが増したかと思うと、低い振動音が辺りに響き、それまで壁だった箇所がぽっかりと開いた。人一人分通れる位の穴は、次なる闇が漏れ出している。
「珍しく、あの人に感謝しないといけないかな」
「・・・そいつは早計かも知れねぇぜ」
 表情を硬くしたルーツは、穴の闇に険しい視線を送っている。冷たい空気に運ばれてきたのは、アンデット特有の腐敗臭だった。
「あの人が関わって、穏便に済んだことなんて一つもねぇさ」





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Last updated  January 27, 2005 02:57:15 AM
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