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吉田健一『書架記』中公文庫、 1982 年。
単に作品のことを解説したものではない。吉田さん御自身が所有していたけれど既に手元にはない本のことや、初めて読んだ際の記憶(出版元、体裁)等を含めてのご自身の読書遍歴、文学論(物語と小説の違い)等が語られた一冊。単行本刊行は 1973
年であるが、戦前のことが、ごくあたりまえのこととして現われる。大学での講義のような語り口であるが、縦横無尽に話が移る上に、著者の独特の文体もあいまって、この内容を耳だけで追うとなると、ついて行くのは難行だろう。反語のように見えるかも知れないが、それだけに、この本からは読む愉しみ(十分に咀嚼してはじめてわかる旨さ)がもらえる。
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