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2011.09.21
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このシンポジウムは、JAMSTECがこれまで「地球シミュレータシンポジウム」として毎年開催してきたものを、今年は「京コンピュータ」を利用する「HPCI戦略プログラム(分野3)防災・減災に資する地球変動予測」との合同開催という形で開催したもののようです。

内容的には広く一般向けということでしたが、まずタイトルが非常に分かりにくいと思いますがいかがでしょうか。だいたい一般の人が「HPCI」とか「分野3」とか言われても分かるでしょうか。ちなみにHPCIとは「革新的ハイパフォーマンス・コンピューティング・インフラ」のことだそうです。

参加者は、台風接近の影響もあると思われますが、大部分が関係者といった雰囲気でいわゆる「一般人」らしい方はほとんど見かけませんでした。やはり一般向けと謳っておきながら平日開催というのはあまりよろしくないのではないでしょうか。今回は、本当に一般の人にこそ聞いてほしい内容だっただけに、非常に残念でした。

内容は、かつて世界最速であった地球シミュレータによる成果と、現在世界最速である京コンピュータ(まだ運用開始されていませんが)に今後期待される役割について、気候・気象分野と地震・津波分野のそれぞれの課題責任者あるいは担当責任者が紹介するというものでした。

前半は気候・気象分野で、最初に木本昌秀・東京大学大気海洋研究所副所長・教授により「グローバルな気候・環境のシミュレーションと予測」と題して講演が行われました。ここでは数値天気予報の歴史が振り返られるとともに、グローバルな気候変動モデルについて(ローカルな気象も同様ですが)、パラメタリゼーションと呼ばれる簡略化の方法によってモデルはいくつもあること、そうしたいくつものモデルから京コンピュータにやらせるにふさわしいモデルは何か、といった話がありました。次に「集中豪雨/局地的大雨の予測」と題して、斉藤和雄・気象庁気象研究所予報研究部第二研究室長から講演がありました。こちらの方はもっと短時間かつ局地的スケールの予測の話でした。現在は積乱雲そのものを直接の計算対象にできていないこと、今後これを計算に入れていくことの重要性が主張されました。そのためには観測による初期値が重要なのですが、現在の予報では初期値の作成に計算資源の半分が投入されているそうです。

後半は地震・津波分野で、こちらは気象分野に比べてシミュレーションの歴史も浅いせいか、シミュレーションに限らず観測なども含めた広範な話題となりました。まず「「京」コンピュータによる地震津波広域複合災害予測の展望―何が出来るか、どこまで出来るか―」と題して金田義行・海洋研究開発機構地震津波・防災研究プロジェクトリーダーによる講演がありました。地震発生のシナリオから発生後の地震波による構造物の揺れ、更には都市全体の被害想定まで行っていくという、大変野心的な展望が示されました。最後に、今村文彦・東北大学大学院工学研究科附属災害制御研究センター教授により「東日本大震災での津波被害と数値シミュレーションへの期待」という題で、主に津波の予測や被害についての話がありました。ただし今回は津波のシミュレーションの話というよりは、数字だけでは津波の怖さが伝わらないといった、むしろ防災上重要となる観点に重点が置かれていたように思いました。

シミュレーションと言うと、一歩間違えばただの計算機遊びに終わってしまうような危険性もありがちかと思いますが、このような防災上重要なシミュレーションは、現実への適用を十分念頭において開発していって頂きたいと切に希望します。

http://www.jamstec.go.jp/esc/sympo2011/





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Last updated  2011.09.22 22:30:35


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