雨の日は音楽を

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2020年01月12日
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カテゴリ: 何でもかんでも
詐欺師に会ったハナシ

若かったころ、勤務先の講師室にお茶を飲みに寄ったら、当日出講していない教員の友人と称する先生がいて、話をしました。同業者だというので、名刺を交換したら、その客が帰った後で、講師室のお茶くみのおばちゃんに叱られてしまいました。何であんな人に名刺をわたしたんですかと怒るので、え?だってT大学の教授...といいかけて、名刺をよく見ると、「教授」では無く「教援」となっていて絶句。こんなミスなんか有り得ないので、詐欺用に作成したものだったのでしょうね。ちなみにT大学は東京大学ではありません。

人生勉強としておばちゃんになぜあの人が怪しい奴だと思ったのか尋ねると、あいつは、タバコをフィルターが焦げるまで吸っていたし、靴が汚いから、一目で怪しいなとおもったとのこと。他の教員も来ていて、でも私達もくつはあまり磨いてないがなぁと言うと、先生たちは高そうな靴を乱雑に履いているけれど、あいつは安っぽい靴を汚らしく履いていたとのお言葉。足元を見るって言うのは本当なんだなと感心しました。ちなみにおばちゃんは小学校が最終学歴だそうです。やはり、社会経験が大事なんですね。

この話には続きがありました。いくつかの大学で非常勤をしていて、奴の名刺のT大学も教えていた方に相談すると、すぐに調べて、そやつ(H氏)は、確かにT大学で元は教えていて、大学用の教科書も一冊出版していました。でも本務校と同じ曜日の同じ時間帯に別の大学で非常勤講師をしているのがバレて(大学の英語教員の狭い社会だからバレないと思う方がオカシイ)クビ。でもおおきなT大学だから、数百人でやる教授会に素知らぬ顔で出席して、出される弁当のカツ丼食べたり、事務室から出前を取らせて無銭飲食がバレて出入り禁止とのこと。

何だ、そんな奴なんだ。会わないから、忘れれば良いんだなと思っていたら、周囲の年配の教員から、君は甘い。名刺交換しているのだから、必ず家に訪ねて来るから注意しなさいよと言われ、まさかなぁと思っていたら、キタキタキタぁ。

いやぁ、近くまで来たので、寄りましたとのことで、このやろーとは思ったのですが、内心ワクワク。詐欺師なのがわかっている相手が、どうやって私から金を巻き上げようとするのか知りたくて、家に上げて話をききました。

開口一番、ここは、私の弟が病院を経営しているんですよ、と来た。Hなんて名前の病院なんか、この町に無いのは分かっていたけれど、はなしの腰を折りたくないので、流しました。まあ、出るわ出るわ、教科書を作ると儲かるから、是非書けだの何だの、黙って聞いていると、言いたい放題。大学用の教科書なんて、せいぜい3000部くらいしか印刷しないから、当時の平均的な値段の700円だと、著者には6万円くらいしか収入にならないのに、儲かるって!!

いつ、お金を欲しがるかとワクワクしていると、おおもうこんな時間にと言いながら、そうだった、今日は財布を家に置き忘れてしまって、帰るのに電車賃が欲しい、だってさ。小岩に住んでると最初に言っていたから、こんだけの熱演代金として、千円差し出したら、これでは足りないだと。

でも小岩にお住まいと仰ってましたよね。



それでハナシがおしまいなら分かるんですが、必ず家に訪ねて来るよと忠告してくださった教員に、ご明察通りに来たので、電車賃渡して帰らせたからこれで解決、と言ったら、やっぱり私は若かったんですね。その方が再度の予言。いや君はまだ甘い。必ずその千円は返してくるよ。そしてもう一度来るだろう、と。

再びまさかなぁと思っていたら、キタキタキタ!本当に来たぁ。翌日に投函したHからの綺麗な字の礼状に、千円が入っていました。そして次の日曜日に再度の来襲。今回は玄関の扉を少し開けて応対。いやあなたのことは、調べがついているからもう来ないで下さいね、でオシマイ。

講師室のおばちゃんといい、アドバイスを頂いた教員といい、ああ、伊達に歳を食ってる訳じゃないんだなと実感しました。とても良い経験でした。

オマケですがH氏が注釈を入れた大学用の教科書の見本を取り寄せて、その作品の研究者に見てもらったら、注釈を読んでゲタゲタ笑っていましたから、ロクな教科書じゃなかったんでしょうね。学者も落ちるところまで行くとああなるんですね。





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Last updated  2020年07月29日 18時16分19秒
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