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それはカルタの練習のときだった。
私たちがやってる百人一首下の句カルタは、
3対3のチームで戦う。
じょっちは真ん中の中堅。対戦相手は…運悪く…うちの子ども会では一番強いココ姉ちゃんだ。家では手加減しながら取らせてあげるけど、練習ではみんな真剣なんだから、ココも容赦無い。
中盤になり、じょっちチームは押され気味。
一枚、また一枚とココに札を取られて、じょっちの様子がおかしくなってきた。
白目をむいたり、変な顔をして姿勢もグニャグニャ。
周りの子は笑ってたけど、母とココは気づいてたよ。
癇癪を起こしそうになるのを必死で我慢してるって。
ヤバイ、どうしよう。
頑張って持ちこたえてくれと、祈る気持ちだった。
でも、とうとう爆発してしまって試合中なのに立ち上がって「もう最悪だ。二度と入らないぞ!」札をガシャンとぶちまけてしまった。
理由は取れないから、だけではない。
もちろんそれが一番大きな理由ではあるとしても。
あの日はみんながざわざわしてうるさかったし、もっとさかのぼれば朝、宿題を母に急かされて、たくさんさせられたから機嫌が悪かったのだ。
周りの子は初めてみるじょっちの癇癪にあっけに取られていた。
「負けていても最後までやるのが立派なことです」と言い聞かせたが、
帰りたいの一点張り。仕方なく父に迎えを頼んでおいて、
私がじょっちの代わりに入って試合続行。
…ところが5分後、私を押しのけてじょっちが試合にもどった。
「最後までやるのが立派」という言葉が脳に到達したのだろうか。
機嫌は悪いままだったけど、最後まで対戦したし、
チームとしては奇跡の逆転勝利だった。
その日、言葉は掛けなかったけど、じょっち偉かったよ。
すごく頑張ってたね。
次、カルタ行くって言うかな。心配。
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