マックの文弊録

マックの文弊録

2005.04.21
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ローマ法王がドイツ出身の枢機卿に決まった。今度の法王は保守派とのことで、避妊とか中絶には絶対非寛容なのだそうだ。既にリベラル派や、人口爆発に悩むアフリカ方面のカトリック教会からは、色々ジャブが出ているようだ。

新しい法王は中々の戦略家で、前法王の存命中から色々多数派工作をやってきたそうだ。神に仕える身とはいえ、10億人もの人間を束ねる立場だから、其処には当然俗な「政治」というのは無視できないだろうとは容易に想像できる。
法王の選出の過程でも、最初からトップを走っていたようで、リベラル派も教会内の内紛に至るのを避けるために、途中でギブアップしたのだと言う。ホリエモンと同じで「力の論理」はカトリックでも働く。

法王を選ぶプロセスは、「コンクラーベ」という。法王の選挙なんて滅多にあるもんじゃないから、普段は誰も知らないが、今回の一件では随分この言葉は有名になったことだろう。

日本人としては、直ぐ「根競べ」だと聞き換えて、「何だカトリック教会でも日本語使ってる!」とか、「そりゃ10億人の代表を選ぶんだから、ややこしくも長い手続きで、候補者同士も大変なんだろうなぁ。」と思う。

Conclaveはラテン語→古いフランス語で、Com (一緒に)+ Clavis(鍵)だ。昔は、鍵のかかった密室に有権者と次期法王の候補者が缶詰になって、それこそ根競べをした。(今では、皆年寄りが多いから、毎日「バス通勤」するんだそうだ)

このClavisと同源の言葉に、クラブサン(フランス語)、クラヴィールがあって、これはどちらも今のピアノの先祖の楽器である。だからピアノのことは日本語でも鍵盤楽器といって、ちゃんと鍵の字がついてる!

それにしても大昔から隠然たる権威を代表して、俗世でも大きな政治力を持ってきた法王を選挙で選ぶのは面白い。ヨーロッパはギリシャヘレニズムの時代から、時の権力者を選挙で選ぶという伝統があって、ローマの皇帝も戦争の勝者ではなく、選挙で選ばれていた。

わが国では、世襲か或いは戦争、又は時の権力者の任命によって、宗教の世界も政治の世界も指導者が決まってきたことと較べれば、この辺にも彼我の違いを理解するClavisがあるのかもしれない。





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最終更新日  2005.04.22 09:09:23
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