マックの文弊録

マックの文弊録

2005.05.04
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カテゴリ: 小言こうべえ
◇旧暦三月二十六日 戊子(つちのえ ね) 七尾青柏祭 豊川稲荷春季大祭

サラリーマンの「三原則」はこうなる。
1.お金は会社の何処から沸いてくる。つじつまが合ってさえいれば気にするな。
2.自分の仕事だけしろ。他人の領分に口を出すな。首を突っ込むな。
3.自分のリスクを最小限に保つ事を最優先しろ。

これを「サラリーマン根性」といって、さも悪いことのように云われている。
上司は部下のサラリーマン根性を嘆き、部下は部下で自分の事を棚に上げ、赤提灯でライバルのサラリーマン根性を罵倒してオダを上げる。

今例えばエンジンのような、多数の部品から成る機械を考えてみる。そうすると、上の「三原則」はこうなる。
1.燃料は不断に供給されることを前提に動く。

3.設計値を超えないように動作しろ。余計に働けば全体に悪影響が及ぶ。

つまりは、会社をエンジンと考えれば、個々の社員には正に「サラリーマン根性」に徹する事が求められるのだ。
これは大企業においてしかり。又官僚機構において典型である。

これに反してなまじコスト意識や、創造性、それに義侠心に燃えたりすると、
1.小心翼々、器量が小さい。
2.越権行為。統制を守らず不服従且つ不遜である。
3.和を乱す。出る杭は打たれる。
などと指弾されることになる。

4月25日に起きた尼崎脱線事故で、事故車乗車の運転士2人が、救助活動をしないまま出社し、業務に就いていた事が昨日(三日)報道され問題視されている。
「救助活動をしないまま」というところに力点が置かれ、あたかも彼らが鬼畜の如く人倫にもとる行動をとったかのように書かれているのが一般だ。

年長の一人は、途中電話で当直に事故報告をしたものの何の措置もとられなかったのだそうだ。この件で、JR西日本は関係者の処分の検討に入ったとのことだ。


色々報道を見聞きすると、JR西日本は近隣の私鉄との熾烈な競争の下で、正に精密機械のように、秒刻みのダイヤを運行させる事を至上の目標に置いていたようである。そういう中で個々の「構成部品」である社員は当然精密部品である事を厳しく求められる。それ以上の事など期待されないし、むしろ「人間味」などを持ち込もうものなら譴責される筈だ。
彼ら二人も普段からそういう環境に置かれていたはずである。

大災害や大事故の最中で動転すれば、尋常な人間としての視野を失うのは、誰でも経験するところである。そういう中でのよりどころは、サラリーマンにとっては普段親しんだ職場の「雰囲気」や「マニュアル」である。彼ら二人が、一人は徒歩で、もう一人は別の電車で出勤し、点呼を受けて規定の乗務に就いたのは、むしろ「部品」として当たり前の事だといってよい。

つまり、冗長性の極めて低いダイヤを組み、その遵守を求めるマニュアルを作り、それらの運用を続けてきた会社の「設計・運用の責任者」、つまりトップこそ、重大な責任を追及されるべきである。敢えて業務に遅刻する危険を冒さなかった件の二人など責めを負うべき存在ではないはずだ。

もとより、この二人は、事故後部品ではなく人間の視点に立った時に、自らとった行動に慄然とし、大いに恥じて居たたまれない気持ちに、既に充分苦しんでいるはずだ。


最近既成の大メディアと新進のネット屋との確執が話題になった。既成の側は「メディアの社会的責任」を振りかざして、公器としての存在意義をしきりと喧伝したが、彼ら自身本当にそう思っているのかねぇ。今回のこの一件を見るだけでも、本当は嫌いなホリエモンに荷担してしまいたくなりそうだ。





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最終更新日  2005.05.04 13:00:41
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