マックの文弊録

マックの文弊録

2005.05.31
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カテゴリ: 小言こうべえ
◇火曜日;旧暦四月二十四日 乙卯(きのと う) 世界禁煙デー

六本木駅で地下鉄を降りる。
工事中だらけで飯場状態の地下通路を案内に従って抜けると、カタコンベのような丸い空間に出る。但し、このカタコンベは上方から明るい光が差しこみ、無闇に明るい。

二階分の高さを繋ぐほどにも長い自動階段に乗って上に向かうと、差し込む光はいよいよ明るさを増し、やがていきなり地上に放り出される。

大いなる開放感と共に見上げれば、目の前の広場の向こうに銀灰青色に輝く巨大な塔が屹立している。塔自体は直方体の四隅をなだらかな弧に切り取り、えいやっとばかりに天高く押し立てたようなものだ。塔の周囲に鋭角が無いために一種獰猛な存在感がある。

カタコンベから地上に復活して来た多勢の人間が、三々五々この塔に吸い込まれていく。塔の前の広場にはやはりかなりの数の人間がブラウン運動状に動き回っている。

今をときめく六本木ヒルズである。
不覚にも、今日初めて訪れる機会が会った。

何しろ、夜の六本木を徘徊するには、いささかロートル過ぎる。それに、あぁいうところをオジサン同士でうろついては却って怪しまれるでしょうに。そうなると相手がいない。


しかし、あれはマッチョ主義か、男根崇拝主義の表象以外の何ものでも有りませんな。少なくとも僕にはそう思えました。(Inferiority Complex?)

地下の暗いところから細い通路で運ばれてきて、一旦広い場所に解放され、その後ぞろぞろと塔に吸い込まれていく我々は、そうなると・・・・spermatozoa?

入り口に向かって広場の左隅には、唐突にと言った感じの彫刻がしつらえてある。
地上かなりの高さに八本の足を広げて辺りを睥睨する像は、ありゃぁ確かに蜘蛛に見えた。しかもこの蜘蛛、白く輝く卵を腹(と思しき辺り)に幾つも宿しておりましたゾ。

同行した物知りの部下に依れば、あれは通の間では「ひるず」と言うのだそうだ。
「正式の」発音は、「ひ」の次の「るず」は、半音階上げる。つまり「ミファファ」又は「シドド」というわけ。これを「ファソソ」とか「ラシシ」と全音階にすると、響きが明るくなりすぎて、カネと欲望の雲がまとわりつく男根のアンニュイをうまく表現できないのだと。
なるほど。

思えばいささか古いけれど、他にも「ブクロ」(池袋)、「ザギン」(銀座)、「ナオン」(女)など、ある種の隠微さをこめての呼称は、皆同じメロディーで発音する。

そうなると、この頃、国鉄清算事業団関連のスキャンダルが取り沙汰され始めている品川の辺りは、玄人筋にどんな「正式名称」で呼ばれているのか気になってきた。





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最終更新日  2005.06.01 17:32:36
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