マックの文弊録

マックの文弊録

2005.09.04
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◇日曜日:旧暦八月朔日 辛卯(かのと う) 旧八朔、敦賀気比神宮祭
荘川村合掌造りと稲穂

い よいよ今日から旧暦でも八月になった。今日は旧八月小の月の朔日。つまり、今日のお月様は新月だ。

以前にも書いたが、八月の朔日は「八朔」という。
江戸時代では田穀が良く実ったのを祝う式日で、この日諸大名は打ち揃って江戸城に登城した。つまりは、五節句なみに重要な式日だったのだ。

八朔は、二百十日、二百二十日と並んで台風襲来の特異日でもある。折りしも今列島南方には、「非常に勢力の強い」台風14号があって、現在九州に向け北上中である。この台風、日本に接近するにつれて、徐々に進路を東寄りに向けていくはずだ。
こういうのは、気象庁の予報より何となく当たりそうなのだから、気象予報士の皆さんにははばかり様というところかな。

さ て「葉月」の語源はどこにあるのだろうか?
旧暦の葉月は、新暦では九月上旬から十月上旬の秋にあたるため、そろそろ落葉樹は葉を落とし始める。それで、「葉落ち月」が転じて「葉月」になったとする説が一つある。
もう一つは、稲の穂が張る月。つまり「穂張り月」が「張り月」に転じて、最後に葉月」になったとする説。

さてどれが正しいのだろう。

何れであれ、共通のテーマは「移ろい」である。
我々日本人は、積分ではなく微分で季節を実感できる、世界にも類稀にして精神の細やかな民族なのである。

九 月になると、信州や東北など、早い地域では早々と稲刈りが行われるところもある。そうでなくとこの季節、わが国の水田地帯では、稲がしっかり穂を太らせる時期だ。

ここに「さる子」という言葉がある。「去る子」ではなく「猿子」である。
九月は霧のよく降りる時期。日暮れ時に稲の葉に結んだ露が、時に葉の縁辺に沿ってスルスル上に登っていくのを見ることがある。およそ「一秒一寸」程度のスピードだが、それが猿の幼子が覚束なくも枝を登っていく様子に見えるというので「さる子」と呼ばれる。

これは、小さな霧粒が隣同士接触して一体化する際、表面張力によって表面積を最小にすべく、丸い液滴を作る。それが更に別の霧滴に合体して・・・というのが原因だ。稲の葉の縁辺のギザギサが、葉の先に向かって生え揃っているため、霧滴の合体は葉先、つまり「上方」に向けて進行していくのだ。
「さる子」を運良く目に出来れば、結構不思議に見えるし、楽しめるはずだ。

昔は「さる子を目にしたら、早く家に帰れ」といって、夜遊びを諫めたのだという。但し、諫める対象は若い女性だったそうだ。
昔は、「もう日が暮れるから」と若い女性がおうちに帰ったのだから、今とは大違い。明け方までカラオケで騒いで、始発電車で帰宅しても恬淡恥じるところの無い現代の若い女性と較べて、なんだかいじらしくも可愛らしかったんですなぁ。







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最終更新日  2005.09.04 01:59:20
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