マックの文弊録

マックの文弊録

2005.11.10
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◇木曜日:旧暦十月九日 戊戌;エレベーター記念日

ドウダンツツジ-2
一 年365日大抵何かの記念日になっているのは不思議な程だが、今日はエレベーター記念日である。明治23年(1890年)のこの日、日本で初めての電動式エレベーターが設置された赤レンガ造りの凌雲閣が浅草に完成した。俗に言う「浅草十二階」である。
浅草十二階は八角形のフロアプランを持った、高さ52mの、当時としては「超高層」のビルであった。それで昭和54年(1979年)日本エレベーター協会が、十一月十日をエレベーター記念日としたわけだ。

浅 草十二階の1階から8階までは、このエレベーターで登れる・・・はずだったが、これがとにかくのべつ故障ばかりしている代物で、ろくに動いたためしがない。それでとうとう翌年には使用中止になってしまったそうだから、そんなものを記念日にしてしまって良いのかと思う。

日 本初の動かないエレベーターを尻目に、螺旋階段を登り詰めたてっ辺からの眺望は素晴らしかったらしく、当時の文人たちの記述も多く残っている。例えば田山花袋などは「十二階の上で見ると、左は伊豆の火山群から富士、丹沢、多摩、甲信、上毛、日光をぐるりと細かに指点することが出来る。第一に目に着くのは富士である。東海の帝王、実際屹然として群を抜いている。その下にやや左に偏って、足柄群山が見える。・・・・」と、「浅草十二階の眺望」に書いている。今のように、車も殆ど走らず、高層ビルなど全く無かった時代のことだ。澄み切った空気を通しての眺めはさぞかし素晴らしかったろうと想像できる。しかし、ご存知の通り浅草十二階は大正12年(1923年)の関東大震災で倒壊してしまった。

先 頃体調を崩して食欲が無く、お粥を炊いた。
体の具合がよくないのは、何かの毒が体内に滞留している所為だと思う。本来人間の体は自ら治癒力を持っている。だから、なるべく外から清らかものを体内に取り入れて毒を排出するようにすればよい。単純だけど、僕の場合それで結構うまくいくのだから、多分正しい。具合がよくないときは自然水を沢山飲んで頻繁におしっこにして排出する。それだけでは体力が消耗するからお粥をいただく。色々加工されたものではいけない。太陽の恵みをいただいたお米を、綺麗な水で柔らかに炊き上げるのだ。

ゆきひら(飴釉)
お 粥を炊くには、ゆきひらに限る。
ふっくら丸みを帯びた深めの胴に洗ったお米を入れ、たっぷりの水を入れてゆっくり炊き上げる。やがて細かい泡が注ぎ口から顔を出すようになったら、吹きこぼれないように更に火を弱める。その内粘りが出てきて、ゆきひらがふつふつつぶやき始める。頃合を見て、岩塩を少しだけ振込めば白粥が出来上がる。お米の香りがふんわり立って、そのままでもおいしいが、えびすめ(大阪の昆布の佃煮)や、梅干を入れれば程よい旨味がつく。かつ節をかけて、ちょっとお醤油をたらすのも、鰹の香りが立って好きだ。


ゆ きひらという名前が好きだ。「Yukihira」という音は響き優しく、湯気を上げる真っ白なお粥に相応しい。
この名前の由来には諸説がある。
在原業平の兄の 行平 ゆきひら が海女に塩水を汲ませ、平たい鍋で焼いて塩を作った故事に因むというのが一つ。塩を焼く平たい器を雪平鍋といったのだというのが又一つ。鍋から湯気の立つ具合を 湯気平 ゆげひら といったのが「ゆきひら」になったというのがさらに一つ。

いずれにしても、焼物製の深い鍋だ。最近はアルミの打ち出しやステンレス製の片手鍋を「ゆきひら」と称して売っているようだが、あれは似て非なるものだ。あくまでも陶製の丸っこい深鍋で、必ず把手と蓋、それに鍋自体に注口が付いているものを「ゆきひら」というのである。これを使って作るからお米もゆっくりと煮えておいしいお粥が出来上がるので、アルミやステンレスではおいしく出来るわけがないのだ。





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最終更新日  2005.11.10 15:59:17
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