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2025年02月18日
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カテゴリ: 資料館

こんにちは、資料館です。
上の写真は、七保町林地区にある十王堂です。

かつては、茅葺の風情あるお堂だったそうですが、今やただの二間一間の高床式の小屋にしか見えなくなってしまったのが残念でなりません。
堂内には、木造の十王像と二体の仏像(不明(地蔵菩薩か?)・うち一体は面部分が割れ剥がれている)が安置されています。

左手前の段下、道路脇に立つ説明版には次のような文が書かれています。


十王堂の由来
江戸時代、十王堂はどの村にも必ずあったが現在大月市内にはこの十王堂一つだけとなった。
十王信仰は人が死亡すると、その日から7日毎に7回(49日)と続いて百カ日1周忌、3回忌と10回閻魔大王以下10王のさばきをうけ、生前に善行したものは極楽に、悪事を働いたものは地獄へ送られるという。
このさばきにあたる日には死者の霊を救ってくれる。不動明王、釈迦如来、阿弥陀如来などの10の仏様に、読経したり念仏を唱えて死者の回向をしなければならない。
このお堂はその忌日に念仏講の人たちや親戚縁者などが十王の前で回向する場所であった。
昭和初期まで毎月16日に念仏を唱える会があったが今は絶えた。
しかし昔の人たちは、だれも必ずおとずれる死後極楽に行けるように生前つねにおこないをつつしみ善行につとめる考えがこの十王堂から教えられたのである。
この説明版は人々の生活を長く守り支えてきた地区文化財の由来を伝え、保護するためにふるさと創生事業により建てる
平成3年12月
七保公民館


十王信仰は、もともとは中国の唐代に仏教と道教との融合で起こり、日本でも平安時代の末頃から信仰が始まりました。
日本で広まる過程で、奪衣婆(だつえば)や懸衣翁(けんえおう)などの新たな登場人物が創られ、十王を仏の化身として見立ててそれぞれに本地仏が充てられました。
説明文の中の不動明王は初七日に審判する秦広王(しんこうおう)、釈迦如来は二七日の初江王(しょこうおう)、阿弥陀如来は10回目の三回忌に最終審判を下す五道転輪王(ごどうてんりんおう)に対応する本地仏です。
回向とは、死者(亡者)の親族や仲間たちがそれぞれの本地仏に読経・念仏をすることによって罪の軽減を願うことで、忌日法要(法事)の意義を説くキーワードの一つです。
ともあれ、十王信仰は、審判の過酷さや地獄の苦しさなどからの救済を求めて仏教への信仰を広める役割を果たすともに、死後の世界への辛さ苦しさや恐怖心から日々の生活において悪行を慎み善行を積ませるという道徳心の向上のためにも大きな効果を発揮しました。
十王堂がどの村にもあったのは、主に後者の理由によるものからです。

説明文の文頭に、「現在大月市内にはこの十王堂一つだけとなった」とありますが、確かに十王像にはあちこちでよく出会いますが、「十王堂」と名乗る堂宇を見かけたことがありません。
大月市内の他地区で、現存する「十王堂」をご存じの方は資料館までご連絡ください。
​
なお、「広報おおつき 令和7年2月号」の「大月探訪記」で紹介した ​​​ ​ 大松山光照寺の閻魔堂 ​ ​ ​ の記事も合わせてお読みください。​

※おまけ
十王堂の左に写る石塔は名号塔。
名号塔の正面に「南無阿弥陀仏」、右側面に「念佛講中」、左側面に「文政二卯天五月造立」

十王堂の右に写る七保公民館林分館の脇には二十三夜塔と石祠。
二十三夜塔の正面に「二十三夜」、右側面に「當村中」、左側面に「嘉永七卯寅祀一月吉日」
石祠の内部には丸石、「農の神」との伝えあり。


風化が進んで文字が読み取れない。
平成7(1995)年9月に行った調査では次の文字が刻まれていることが確認されている。
「右なら子 左無らみち」
文化3(1806)年の村絵地図を見ると、三差路から北西に山方向へ向かう道が「用沢道」、何北に直進する道が「奈良子道」と書いてある。
この道標、三差路の「奈良子道」西側道路脇、「用沢道」をほんの少し登った段下にあるが、どこから来た人のための道標であるかがわからない。
道路の改修工事で石造物が移設されることはよくあることで、ひょっとしたら現在の位置と設置された当時の位置が違うかもしれない。
いずれにしろ「用沢道」は山道(徒歩道)となり、現在は宝鏡寺薬師堂裏から用沢川沿いに舗装された立派な市道が通じている。
先にも書いたが文字は読み取れず、道も付け替えられために今や用を為さない道標。





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最終更新日  2025年04月16日 11時48分46秒
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