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2025年02月21日
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カテゴリ: 資料館



こんにちは、資料館です。
七保にあった防空監視哨の位置と遺構の有無についての問い合わせがあったので調査をしてきました。
上の写真は、監視哨があったとされる駒宮天神山山頂の現況を写したものです。

防空監視哨とは、本土に襲来した敵航空機を目視と聴音により察知する施設です。
その情報は、監視隊本部を経由して陸軍軍管区に送られ、警報を発令したり、迎撃の飛行機を発進させたりする際の判断に活用されました。
山梨県には、甲府・大月・南部に監視隊本部が設置され、その下に、それぞれ15・10・7の監視哨が置かれていました。
大月の監視隊本部は大月警察署内(現在の大月信用金庫あたり)にあり、大月市内には大月・七保・笹子の3か所に監視哨がありました。
このうち、遺構があるのは、大月市立中央病院の裏にあるむすび山にあるものだけで、七保・笹子についてはおおよその場所がわかっているだけで、遺構の有無についての確認ができていませんでした。

七保の防空監視哨は、元監視隊員だった小俣敏雄さんの体験手記(『 ​ ​​ 終戦二日前 -八月十三日・大月空襲の記録- ​​ ​』(大月市総務課1984)所収)により、現七保町駒宮地区天神山にあったということがわかっています。
天神山は、西流する浅川と南流する葛野川の合流点に向かって北東方向から延びてくる尾根の最後のピークにあたる部分です。(地理院地図の496m地点)


山頂の現況は、上の写真の通りで杉林に囲まれ、郭(くるわ)や空堀などの山城と思われる遺構が残っているものの、監視哨らしきものの痕跡はありませんでした。
しかしながら、現在は植林した杉林のために展望は遮られますが、屹立する幹の間からは富士山を見通すことが出来ます。
加えて人里からも近く、監視哨を設けるには最適地だと思います。
また、地形的にも中央の最高壇となる主廓に立哨壕(聴音壕)を造り、その北側の下壇にある腰廓に監視哨(事務所)を置いてみると、小俣さんの描いた ​ ​​ 見取図 ​​ ​にうまくあてはまります。
​とはいうものの、県教育委員会が昭和60年に行った『 ​​ ​ 山梨県の中世城館跡​ ​  -分布調査報告書-』の「駒宮砦」の項には監視哨についての記述が一切見られません。​
監視哨を設置する際に、城郭遺構に手を加えているならば、それについての記述があるはずですから、監視哨はここには設置されなかったものと考えるのが妥当かもしれません。

天神山山頂(駒宮砦)から北東へ尾根伝いに駒止嶺の三角点(583.7m)まで行くことにしました。
地理院地図には道が描かれていませんが駒宮からの登山道との合流地点までの尾根は広く、どこからでも樹間に富士山を見通すことができます。
天神山山頂と合流点の間に、垂直に地中に打ち込まれた2mあまりの単管パイプ3本とその傍らに4角錐の電波塔の先端部分らしきものが転がっていました。
部材から考えてみると監視哨施設とは関係のないものだと思います。
合流点から駒止嶺までの道は、初めこそ笹が左右から生い茂り藪漕ぎを強いられましたが、その後は踏み跡も明瞭な登山道となります。
三角点には、頭頂部を5cmほど出して腐葉土に埋もれた標石と、傍らの木の幹に「駒止嶺」の標識がくくりつけられていました。
このあたりも開けていて樹間に富士山を望むことが出来ますが、遺構らしきもはありませんでした。
また、里からは遠くなるため、交代勤務を必要とする監視哨を置くのには適地とは言えません。

結局この日は、監視哨の位置を特定することはできませんでした。

※おまけ
山頂部の写真の中央に、小さく石塔が写っています。
北向きの正面に「南無阿弥陀佛」と刻まれている名号塔でした。
その下に「修善」と花押があり、名号の左にある文字は読み取れませんでした。
東側の面には「安政四丁巳年 三月吉祥日」とあることから、1857年の造立だとわかります。
西側の面の文字と台石に刻まれている造立者と思われる人名は読み取れませんでした。
拓本採取の道具を持参し来なかったことが悔やまれます。
また、名号塔の東の脇には山名の由来となった天神社とおぼしき祠が朽ち果てていました。





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最終更新日  2025年02月21日 12時03分39秒
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