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ジー、ツクツクツクボーシ、ツクツクボーシ
夏の終わりを告げる蝉の鳴き声が、遠くから...、
酒と旅を愛する小生...、
ふと思い立ち、親父殿の故郷、岐阜市北部の 「三輪」 という地に行ってみた。
数年前にも...、同じような季節だった。
http://plaza.rakuten.co.jp/machi21gifushi/diary/201208300000/
その時は、 「大智寺」 という寺を訪ねたのだが、
本日は...、この三輪の里の鎮守、 「三輪神社」 より、懐かしい地を廻る。

神社の手前には、この辺りの田畑を潤す 「中濃用水」 が引かれ、
参拝するには、この 添橋 をわたることになる。
橋の欄干には、珍しい 紋 が見てとれる...、 「重なる三つの輪」 、 三輪 だ。
幼い頃、お盆の墓参に三輪の里を訪れた時、三輪の子供たちと一緒に、この中濃用水で泳いだものだが...、
橋の欄干の紋 など、気づきもしなかった。

神社の社殿は、 江戸時代の再建 とされ、こんな可愛らしい 彫物 もある。

この三輪神社で、圧倒的に印象に残るもの、それがこの 太鼓橋 である。
あの時の...、 あの暑い夏の日 、
用水路で泳ぎ疲れた子どもたちは、この太鼓橋に登り、のびていたものだった。
この用水路のはじめは、 平安時代 にまでさかのぼるようで...、
はるばると、 奈良の「三輪の里」 からやってきた豪族が、この 岐阜の地 を豊かな地にするために拓いた 水の道 。
この時、奈良の 三輪明神「大神神社(おおみわじんじゃ)」 から分祀されたのが、この、 岐阜の三輪神社 。
それにつけても奈良の三輪明神...、 「おおみわ」 という音に、 「大神」 とあてる!
三輪山という山そのものが 御神体 という、とっても強力な、奈良の パワースポット である。

用水の水面 すれすれ に架かる 添橋 と、その向こうの 太鼓橋 。
なんとも美しいものである。
...水の流れとともにしばらく行くと、今度は寺がある。
「真長寺」 。
こちらも三輪神社と同じ頃、用水路の工事の 安全を祈願 し、創建されたという。
山門をくぐると、 飛石 が転々と...、

そしてひろがる 小宇宙... 。 「石庭」 である。
青いモミジ も、なかなかによいものである。

さらに、水の流れに沿って行くと、橋がある。
幼い頃の、ここで行う、ある 儀式 を思い出す。
お盆の墓参で、三輪の家に迎え入れられた 先祖の魂 は、数日を経て、また帰っていく。

先祖の魂を、再びあの世へ送るとき...、
大きな、おおきな サトイモの葉 を船に見立て、
その船に 仏様の好きなお供えもの、線香、蝋燭 をのせ、この橋から水面に浮かべて流す。

やがて、 サトイモの葉の船 は、橋の向こうの水面が白くなっているところへ...、

この 滝のような流れ に呑み込まれ、水のなかに消える。
あの世に帰っていく...。
子供たちは、この流れの向こうでは泳がない...。

それにしても、どこまでも のどかな田園風景 がつづく。
この風景のなか、拝殿の手前に 土俵 がある神社も、 「津島神社」 。
ここでは、 こども相撲 が奉納されるとのこと。

今日もずいぶんと歩いたものだ。

夜の帳が下り、そろそろ 酒が恋しくなってきた 頃、
田圃の真ん中に、 大きな塔?、看板が!。

「御食事処 バス」?

暖簾もない 、とても、食事をする店とは思えぬ、その表の体に、
磨りガラスの向こうに、微かに見てとれる、 割り箸と醤油さし に、少しほっとする。
ただ、 ひとつのこと だけを確かめたくて、店に入る。

たくさんの三輪の里の人々で賑わう、 懐かしい食堂 であった。

ほどなく、武骨な風体の、ここの主が近寄ってきて、小生に声をかける。
「どこから来んさったね。」
はじめて来た店なのに、はじめて来た気がしなかった?
御食事処 バス 、
バス...、

...あの頃の記憶 が、急にライブ感を増して、蘇ってきた!

これまでは、夢だったのかと思うほどの、 微かな記憶、

幼い頃の、
用水路で泳ぎ疲れた後...、親父殿と一緒に、
本物の乗合バスの中で、ふうふういいながら、すすったラーメンの旨いこと。
そう...、 バスの食堂 だった。

あれから、もう何年経ったのだろうか。
(おわり)
あにいさんからの投稿でした。
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