2004.03.11
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ミケ



 嵐になるのかな。

 昨日はクラブへ行っていい汗をかいたから、コリも取れたし気分もかなりいい感じ。

 でも、そのスッキリ感はただ体を動かしたからじゃない。

 ちょうどタイミングよく、読んでいたよしもとばななの

「王国その2 痛み、失われたものの影、そして魔法」

 を、読み終えたから。



 「これは、私と楓をめぐる、長く、くらだらく、なんということのない物語の始まりだ。
 童話よりも幼く、寓話にしては教訓を得られない。
 愚かな人間の営みと、おかしな角度から見たこの世界と。

 つまりはちょっとゆがんだおとぎ話だ。」

 と、書いてあった。

 あぁ、そうだったのか・・・だからこんなにも気持が透明に透き通るような余韻が残るんだ。

 現実離れはしていても、それが全然違和感なく、す~っと心の中に染み渡ってくるような一つの文章があまりに良くて、ポロンっと泣けても、それが浄化作用によって、というような。

 私的には「魔女の宅急便」の大人版、と言うイメージを持った。

 いくつもいくつも、心に留まる文章や一節が出てくるので、気がつくとあちこちのページに付箋をつけてしまっていて、まるで真面目な学生みたいじゃないの?!と自分で勝手に思ってしまったくらい。

 「恋愛とか病気の治療と同じで、ものごとは正しい時間をかけて、順当な道をたどって変えて行かなくては絶対に収まるところに落ち着かない。人だけが、それをしょったり急いだりする。欲のために。」


 そしてその目的とリスクが折り合っているときは、最高の力を発揮して、求めていた結果を得ることになる。

  でも、リスクを負うこと全く考えずにタイミング悪く実行すれば、ただ寿命が縮む。

 私のような小娘でもわかるその簡単なしくみを、どうもみんなあまりよく知らないで闇雲に進んでいるようなのだ。」

 「口が先にしゃべるときには、二種類の感じがある。

  ひとつは、ほんとうに言いたいことをではない、自分の言葉ではないことを、場の雰囲気でついしゃべってしまうようなとき。そして、もうひとつは、ほんとうは言いたくてしかたがなかったことを自分で制限して言えずにいて、誰か信頼できる人を前にしたときに言葉が生き物のように飛び出してしまうときだ。」


 出し切らないと、受け取ることもできないからよどみはひどくなるばかりだった。」

 などなど。

 もぅ、そのよしもとワールド、「王国」そのもので、大いに堪能した。

 リンクした言葉がフンダンにちりばめられている本、だった。

 出産して、お子さんが出来てから、もっとよしもとばななの書く小説は幅が広がって、奥が深くなって、これからの作品も楽しみ・・・。

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最終更新日  2004.03.11 10:57:15
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