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2007年04月12日
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櫻美中学校に入学して張り詰めていた気が俄かに溶けていく。初日の授業が全て終わって帰宅時間のチャイムを聞いた時、初めてほっと息をついた佳苗は空を見上げた。

空には低く灰色の雲が垂れ込めていた。しかし佳苗が黒革の真新しい制靴を履いた時に雲間を割って強い一条の春の光が差してきた。

細い春雨がキラキラと輝いている。

「あ!校舎の上に虹が・・架かっている」

佳苗は陶然として呟やき七色に染まる虹を仰ぎ見た。するとそんな佳苗の目に思いもしない様な光景が飛び込んできた。

七色の虹から降って来たのは青い色のドロップ、レモン色のドロップ、葡萄色のドロップ、苺色のドロップ。

そして、それぞれのドロップは今帰ろうとしていた生徒達の口の中へ吸い込まれて行く。佳苗の口の中にも白いミントのドロップが飛び込んできた。

ツーンと清涼感のある味が口の中に広がった。

その瞬間、佳苗はポーンと背を叩かれた。



「あ! うん こちらこそ 仲良くしようね」

気がつけば あちらこちらで華やいだ黄色い声が弾けている。佳苗は夢見心地で・・みんな降ってきたドロップが口の中へ入ってはしゃいでいるのだろうか思った。

佳苗はひと時の幻を見たのだろうか。ほっぺを指で抓って再び辺りを見回してみた。

もうドロップは空からは降って来ていなかったけれど、それでもあちこちで楽しそうな声が弾けている。

それで佳苗はふ~と長く吐息を吐いてみた。口の中はミントの香りが残っているような気がしている。

佳苗は幽かに笑みを零し・・・沢山の新しい御友達ができる気がして学校に来るのが嬉しくなってきた。





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最終更新日  2007年04月12日 22時50分46秒
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