全国の名物研究所

全国の名物研究所

2006.07.02
XML
テーマ: 北陸の旅(175)
 最近、ちょっと古民家に縁があります。しかも富山県です。

 富山の伝統的な民家というとまず最初に「合掌造り」を想像される方が多いでしょう。

 戦前に日本を訪れたドイツの著名な建築家ブルーノ・タウトは合掌造りを「合理的かつ理論的な日本に珍しい庶民建築」と評したそうです。
 今でこそ世界文化遺産となり、その独特な存在は全国はもちろん世界中から知られるようになりましたが、「なぜこの狭い範囲にしか存在しないのか?」「なぜあのような独特なスタイルなのか?」……。考えてみると私自身、意外と知らないことが多い。
 これはぜひ調べてみなければと思って、明日は五箇山で合掌造りのスペシャリストに話を聞く機会を得ました。その後、白川郷でも詳しい人に話を聞く予定。何か面白い話が聞ければお伝えしますね。

 さて、一方で、「アズマダチ」という様式の民家自体もすばらしいのですが、周囲の環境も全て含めた「散居村」という独特な農村のスタイルが富山にあります。

 チューリップで知られる砺波平野を見下ろす山や展望台に上がると、一面に広がる田園の中にポツンポツンと緑の小さな島が無数に点在している景色が見られますが、このひとつひとつが実は屋敷林(富山ではカイニョと呼びます)に囲まれた家なんです。



 でもこの散居村の面白いのは、屋敷林が防風、防雪林にもなれば家の建材になったり、実のなるものを植えて食料になったりと、まあ、究極の自給自足スタイルをとっていたことでしょう。屋敷林の周りには畑を作り、薬草も植わっていたといいます。田んぼの中にあるので用水に生活排水を直接流さぬように今でいう浄化槽のような仕組みもありました。西日が当たる窓辺には落葉樹を植え、夏は涼しく、葉が落ちて日が当たる冬は温かいそうです。

 散居村のことを「田んぼに浮かぶ小宇宙」という人がいますが、ここはまさしく先人たちの暮らしの知恵がぎっしりと詰まった小宇宙です。

 ご多分に洩れず、ここも生活環境の変化により屋敷林は減少の一途です。ただ、これだけ環境が悪化してしまった今だからこそ、この散居村みたいな暮らしぶりから学ぶことは多いでしょうし、無くしてはいけないって強く思います。

 ちなみにこの散居村で作られる米は、さすが生産者の目が常に行き届いていることもあってか、県内でも特においしいコシヒカリが採れます(数年前までは特A米でした)。







お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2006.07.02 22:10:40
コメント(10) | コメントを書く
[ちょっと自然と環境の話題] カテゴリの最新記事


■コメント

お名前
タイトル
メッセージ
画像認証
上の画像で表示されている数字を入力して下さい。


利用規約 に同意してコメントを
※コメントに関するよくある質問は、 こちら をご確認ください。


Re:散居村が教えてくれること(07/02)  
自給自足のための屋敷林・・・なるほどですね。
素晴らしい小宇宙に感動を覚えます。

でも、モデル建築は微妙に中途半端ですね。
ドアの色が調和を乱します・・・。 (2006.07.02 22:18:05)

Re:散居村が教えてくれること(07/02)  
sayuratta  さん
小市民sayuratta家族は、メーカーが事前に組み立ててあったような、集合住宅に住んでいます。
大工さんの腕が必要ないバイト君でも作れる家なのかも。
やっぱり、日本の風土やその土地にあった素材や施工で、尚且つ新しい知恵が加味され、庶民でも買える家が理想で~す。 (2006.07.02 22:20:43)

Re:散居村が教えてくれること(07/02)  
こちらでも、屋敷林なるものがあり、ひろびろとした田園風景の中に、こちらでは屋敷森といいます
が杉とか栗とか木に囲まれた農家が散在しています。農村風景百選に選ばれています。いつか山に登って写真を撮ってみたいと思っているんですよ。 (2006.07.02 22:32:10)

Re[1]:散居村が教えてくれること(07/02)  
米スタア  さん
しゃれこーべVer.2さん、こんばんは。

 屋敷林の住居は夏はほんと涼しくて快適だそうです。でもその分、冬はかなり寒いとか。
 モデルルームはその点は改善されていますが、アズマダチの重厚感が台無しになってしまいました。 (2006.07.02 22:42:11)

Re[1]:散居村が教えてくれること(07/02)  
米スタア  さん
sayurattaさん、こんばんは。

 アズマダチは伝統家屋ですが一番盛んに建てられたのが戦後まもなくなんだそうです。すごく立派な家ではありますが、これがこの地方の一番庶民的な建物だったそうです。
 富山県民は今でもそうですが家屋敷にとにかくお金をかけます。持ち家率は日本一、一人当たりの居住面積も日本一だそうで、賃貸の狭いアパート暮らしの米スタアとは正反対。で、このアズマダチは誰も彼もがあこがれた夢のマイホームだったそうで、お金がいない人は少しずつ何十年、あるいは何世代かかっても完成させたそうです。
 だからこの辺りの家はみ~んなアズマダチ。それ以外のほうが目立っていますよ。 (2006.07.02 22:50:00)

Re[1]:散居村が教えてくれること(07/02)  
米スタア  さん
ララオ0181さん、こんばんは。

 農村には集村と散村という2つのタイプがあるそうで、一般的なのは集村(1箇所に家がかたまって集落を作る)で、散村の方が少ないみたいです。そちらもやはり扇状地でしょうか?

>いつか山に登って写真を撮ってみたいと思っているんですよ。

 高いところから見ないとよく判らないんですよね~~。砺波はクルマで登れる展望地がいくつかあるので楽です。
(2006.07.02 22:55:13)

Re:散居村が教えてくれること(07/02)  
散居村初めて聞きました 田んぼの真中に
屋敷の周りを樹木で囲まれてるのを言うのですか
北陸地方旅行のおりに見かけて記憶があります
白川郷 懐かしいです 数回出かけました
もうスーパー林道 紅葉のときは最高ですね (2006.07.02 23:22:32)

Re:散居村が教えてくれること(07/02)  
kimikan92  さん
そんなミュージアムがあるとは、知りませんでした。写真は確かにイメージと違う様な・・・。高速から散居村を見ると砺波という感じがしますね。 (2006.07.03 10:51:24)

Re[1]:散居村が教えてくれること(07/02)  
米スタア  さん
トンカツ1188さん、こんばんは。
パソコン直ってよかったですね(^^)

「散居村」は一般的には「散村」というそうです。
田んぼの中に点在する林みたいなのがそれです。全国各地にあるそうですが、規模は砺波平野が一番大きいらしいです。

 スーパー林道の岐阜県側の料金所手前にトヨタ白川郷自然學校という施設が昨年出来ました。自然を学ぶ学校としてしっかりとしたビジョンを持っているところですのでトンカツ1188さんにはおすすめです。また、温泉もある快適なリゾートホテルの側面もありますので機会があればお訪ねくださいね。
(2006.07.03 23:14:05)

Re[1]:散居村が教えてくれること(07/02)  
米スタア  さん
kimikan92さん、こんばんは。

このミュージアムは6月10日にオープンしたばかりです。砺波ICの裏側とでも言いましょうか? ICから3分もあれば着きます。入館無料ですが、このモデルルームのほかに復元した伝統的なアズマダチとセンターハウスがあるだけです。ま、通りがかりの暇つぶしにはなかなかいいところだと思います。 (2006.07.03 23:16:32)

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.

Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: