2007年10月05日
テーマ： 最近、読んだ本を教えて！(24657)
カテゴリ： 小説
小間物問屋「遠野屋」の若おかみ・おりんの溺死体が見つかった。
安寧の世に満たされず、心に虚空を抱える若き同心・信次郎は、
妻の亡骸を前にした遠野屋主人・清之介の立ち振る舞いに違和感を
覚える。―この男はただの商人ではない。
闇の道を惑いながら歩く男たちの葛藤が炙り出す真実とは。
あさの作品には珍しい時代小説でしたが、
TVで観るような時代劇臭さがなくさっぱりした印象でした。
実写化されたら、誰がどの配役に合うだろうとか、
勝手に想像しながら読んだりして
月夜に起こる殺人。
闇に生きる者の宿命と巻き込まれた者の悲劇を、
ほぼ、初老の岡っ引き・伊佐治の目を通して描かれています。
伊佐治の上司・信次郎は、若き同心と言っても、
「バッテリー」や「福音の少年」の主人公たちと比べたら、
そして信次郎は、頭は良いけど非情な性格で、
いつでも人を試し、すぐ剣に手をかけたりと、
心やさしい伊佐治をいつもハラハラさせています。
ひとつ贅沢を言えば、信次郎の破壊的な性質(怖さ)を、
伊佐治にたびたび語らせるよりも、
もっとそれぞれのセリフや振る舞いで表現できたら、
より深みが出たようにも思いました。
でも、物語はもちろんのこと、この二人のやり取りも、
まずまず面白かったので、続編を読みたいなと思っていたら、
この9月に出てたんですね。
訳ありの遠野屋主人・清之介の今後も気になるところだったので、
とっても楽しみです
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働く母まこぺーです。ブログは超初心者ですが、通勤電車で読んだ本の感想や、子育てなど日々思うことをのんびり更新していきます。よろしくお願いしますｍ(__)ｍ
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