講師は、元さいたま文学館主査で放送大学非常勤講師の河越雄二氏です。
① 白樺派について
今回の講座内容を記録するに当たり、白樺派について少し整理してみました。
『明説 日本文学史』(編著:全国高等学校国語教育研究連合会、発行:尚文出版株式会社、初版:1994年)と、『原色 新日本文学史[増補版]』(編著:秋山虔・三好行雄、発行:株式会社文英堂、第1刷:2000年)の2冊を参照しました。
★ 白樺派
・ 1910(明治43)年に創刊された雑誌『白樺』のグループ、武者小路実篤(むしゃのこうじさねあつ)・志賀直哉(しがなおや)・有島武郎(ありしまたけお)・長与善郎(ながよよしろう)・里見弴(さとみとん)らは、「白樺派」と呼ばれた。
『白樺』を代表する詩人であった千家元麿(せんげもとまろ)は、『自分は見た』で、庶民感覚と生命賛歌を、平易な口語自由詩としてまとめた。
・ エゴイズムを強烈に肯定し、理想主義・人道主義を主潮としたが、大正末には、労働運動と結びついた社会主義の影響から衰退していった。
メンバーのほとんどが特権・上流階級の家庭に育った学習院出身者であったっため、生田長江(いくたちょうこう)により、「(主観を排する)自然主義の先例も受けない箱入息子の単純さ」などと酷評された。
★ 武者小路実篤と「新しき村」
・ 白樺派の指導者。
「・・・一定の時間だけ働くかわりに、衣食住の心配からのがれ、天命を全うする為には金のいらない社会をつくろう」という武者小路の提唱に共鳴した人々によって、1918(大正7)年、宮崎県日向市に共生農園「新しき村」が建設された。
しかし、理想どおりには進まず、武者小路自身は1926(大正15)年から村外社員の位置に退いた。
日向市の「村」が閉村後、1939(昭和14)年には、埼玉県・毛呂山町(もろやままち)に「東の新しき村」が建設された。
② 講座の内容
白樺派の作品に出てくる埼玉の地名など、今回のお話しや配付資料の中から、ごく一部を紹介します。
■ 新しき村
・ 2023年2月13日の朝日新聞によれば、「100年を超えて存続してきたものの、最盛期で60人を超えた村民は減り続け、今や、40~70代の男性3人に。
存続をめざし、寄付やアイデアを募っている。」
■ 白樺派
・ 志賀直哉『網走まで』。
青森行きの汽車に乗り宇都宮で下車する自分は、男の子と赤子を連れ、北海道の網走まで行くという母子と同席。
「・・・やがて浦和に来た。・・・」
・ 1982年3月28日『週間読売』には、「詩人の千家元麿は、武者小路の『世間知らず』を褒めたことがきっかけで、『白樺』の仲間と親しくなった。
縁結びの神で知られる出雲大社の宮司を代々務める千家家は、天皇家に劣らぬ長い歴史を持つ家系。」と載っている。
千家の詩『村の郵便配達』には、「飯能中山にて」「村の郵便配達は深夜の雨の中を遣って來る。」とある。
当時は、深夜に配達されていたのか。
・ 詩人・尾崎喜八(おざききはち)の詩『遠足』の冒頭。
「僕等五十人照りわたる秋の一日(ひとひ)の陽を浴びて、
そこになほ古い武蔵野のおもかげ残る
小手指(こてさし)ノ原、佛子(ぶし)の丘陵をめぐり歩いた。
鶫(つぐみ)とぶ十一月、まだ晴れやらぬ朝霧を
金色の縞に織りなす三ヶ島(みかしま)村の雑木林や松林、
二列の隊伍は揃ふ足並みも輕かった。」
⇒ 私は、以前、エッセイにも書いていますが、子ども時代を埼玉県の所沢市で過ごし、国木田独歩の『武蔵野』には思い入れがあります。
尾崎も「武蔵野」を舞台にした詩を書いていたことを知り、その懐かしい情景が心に残りました。
写真は、さいたま文学館からJR桶川駅方面を見たものです。
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