PR
Keyword Search
Comments
ここボデガ海洋研究所はカリフォルニア州立大学の所管なんですが、大学関係者だけではなくカリフォルニア州政府の研究者も在籍して研究を行っています。ローラ夫妻もそうなんです。
また研究所の設立および運営経費の一部は、各種の団体、機関、または個人からの寄付や研究基金などでまかなわれています。
そうした団体はロビーなどにポスターなどを掲示して、自分たちの宣伝にも利用してるってわけです。また設立時に多額の寄付をした個人などは、玄関横のタイルに名前が刻まれたりしております。
そんな団体のひとつがMonterey Bay Aquarium.
お魚が泳ぐ姿を見せて入館料をいただく水族館、というだけではなく、海洋生物保全、環境問題などにも取り組んでいます。
そのMonterey Bay Aquarium の掲示版。
「Seafood Watch」と書いてあります・
なんのこっちゃ? と思って、そばにあるガイドを開きました。

ちと小さいかなと思いましたが、なんとか読めますな?
これは、環境にやさしく、海にやさしくあるためには、どのようなシーフードを選ぶべきか、または避けるべきかのリストなんです。魚種というだけではなく、獲れた地方や漁法にも言及してあります。折りたたむと名刺大になって、「いつでも持ち歩いてちょっ」という意図が伝わってきます。
ここで「BEST CHOICE」に選ばれている魚種の中には養殖魚が目立ちます。また天然魚は資源量が豊富とされている魚種で、なおかつ選択的に漁獲ができるような魚種、すなわちその魚を獲ることで他の希少な魚まで殺してしまう危険が少ない漁法によって漁獲されるようなものが並んでいます。
たしかに養殖魚ってえのは天然資源に手をつけないわけですから、海にやさしいといえばそうですね。
しかし、赤色の「AVOID」にも養殖魚は含まれていて、これには養殖サケや外国産エビ類などが挙げられています。これらの養殖魚は、養殖場そのものが環境によくない影響を与えている、という判断でしょうね。東南アジアのエビ養殖場は、広大なマングローブの原生林をなぎ倒し、埋め尽くして作られたものが大半です。
ここでちと考えたんですが、日本の養殖魚ってえのは高級魚が中心で、味は天然に劣るけれども価格が安くて安定供給できて、鮮度も良い、というのがウリですな。でもこのリストを見る限りでは、養殖の意義が自然界や環境にやさしい、という定義に代わっています。
ちと割高でも、環境にやさしいことがステータスになるんだったらプリウスでも買うか、そんな感じなんですね。
養殖と漁業のインターアクションという言葉をたまに耳にすることはありましたが、それは市場経済の話だろうと思ってました。このパンフで少し理解できたような気がします。
でもね、日本人の感覚には合わないだろうし、合わせる必要もないでしょうね。
日本人には海洋民族の血が流れてるはずなんです。お魚一切れで海のロマンを感じることもできます。
とはいえ、自然界から漁獲という形で「恵み」を「押し頂く」ことへの感謝と、果たすべき責任については忘れてはならんでしょうね。
つづく。