まいど、俺や
朝からなんとなく天気よかったんで、
コーヒー片手に近所の公園へ散歩しに行ってきた。
ベンチに座ってぼーっとしてたら、
リュックの中から出てきたんや――
昨日の食パンの耳。
「まぁ、これも運命やな」思て、
ベンチの前にちぎって落とした。
最初の一羽、警戒心MAX
しばらくしたら、一羽の鳩がトコトコ近づいてくる。
首カクカクさせながら、
「これ、罠ちゃうか?」って顔で様子見てる。
俺も目ぇ合わせんようにして、
知らんふりでコーヒー啜る。
……一口、二口、三口。
ついに鳩、パンの耳にクチバシを突っ込んだ。
勝った。
なんやこの、世界征服したみたいな達成感。
すぐに仲間を呼ぶ鳩社会
気づけば次々と鳩が集まってきて、
気がついたら俺の前、鳩だらけ。
「パンの耳パーティー」状態。
ひとつの耳に3羽くらいで争う姿見て、
「人間社会も一緒やな」って思た。
食うために集まり、
奪い合い、
時々譲る。
そこにヒエラルキーが生まれる。
……鳩の群れに社会学を見出す無職。
今日も平和や。
ちっちゃなケンカ、そして静けさ
パンがなくなった途端、
鳩たちがいっせいに離れていった。
一瞬、あの賑やかさが嘘みたいやった。
残されたのは、パンくずとコーヒーの香り。
その静けさの中で、
「生きるって、一瞬一瞬の宴やな」って思った。
通りすがりの子どもが放った名言
「おじちゃん、鳩と友だちなん?」
……その質問、深い。
たぶん答えは「うん」でも「ちゃう」でもない。
“その時間だけ友だち”ってのが、
この世界のリアルなんやと思う。
親父の言葉がふと浮かぶ
防大卒の元鬼軍曹の親父が昔言うてた。
「動物に優しくできる人間は、
だいたい人にも優しくできる。」
……そう考えたら、
パンの耳あげただけやのに、
ちょっとええことした気分になったわ。
おかんのツッコミで現実に戻る
帰っておかんに話したら、
「鳩にパンあげてドヤ顔すな」って言われた。
うん、正論。
でもな、鳩があの顔でこっち見てくるんや。
もうそれだけで報われるんやで。
まとめ
鳩にパンの耳をあげただけ。
それだけの一日やけど、
不思議と心があったかかった。
人も鳩も、
“誰かに何かをもらう瞬間”で
生きてるって感じるんやろな。
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