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2007.08.05
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カテゴリ: カテゴリ未分類
さて、今日もまた派遣社員のことについてつらつらと書いていこうと思う。

総務省の調査によると、非正社員の人口は1555万人(2004年1~3月平均)程度に達し、増加の一途をたどっている。実数は書いてないが、このうち派遣社員は400万人程度と読み取れる。
これに伴い最近はニュースなどで、非正社員の正社員化がしきりに叫ばれるようになっている。

これを根拠にして、「派遣社員は正社員に比べて劣っている。だから正社員になれ。」というような思想が広まっているように感じられる。実際私も仕事中、派遣先の正社員の人から幾度となく、「お前は何で正社員に就職しないんだ。」とか「なんで派遣なんかやってるんだ、勿体無い。」などとなじられ、ひどいときには頭をどつかれたりもした。いまでは、派遣社員であることを恥とも思わないし、この仕事に誇りを持っている。初めはいろいろと言われて考えが揺らぐこともあったが、3年かかってようやく仕事を理解できてきたという実感を得ている。

派遣社員に全く魅力がないわけではない。文末のリンク先にある、「非正社員を雇う理由」の中にもあるように、一時的な繁忙期に対応することができること、雇用の調整がやりやすいこと、会社ではなかなか育成しにくい高度なスキルを持った人を容易に雇用することができることなど企業の雇用運営に柔軟性を持たせる上では最適なシステムだと思う。しかしながら同じグラフ中にもあるように、大半の企業は派遣社員などの非正社員を安い労働力としてしか見ておらず、上記のような魅力を感じて採用している企業はまだ少ない。これは非常に残念なことだ。

派遣社員が派遣されるときは、まず相手が、企業に必要としているスキルをもった人材を探し、それが派遣会社の社員と一致した場合に派遣される。(今は、派遣されてから派遣会社に連絡も無しに違う業務に移行させられるというようなこともあるらしいがそんなのは論外だ。)野球で言えば、外国人助っ人のようなものだ。渡り歩きやすい特質上、企業秘密にかかわる部分の仕事を派遣社員が行うことはまず考えにくいが、それだけに与えられた仕事に対する成果については、正社員以上のものを要求されていると考えるべきである。なぜならば、派遣社員がする仕事を正社員で肩代わりできるような状況になってしまった場合は、必然的に派遣社員はその存在意義を失うからである。

私は、非正社員化の正社員化には反対である。政府は賃金格差を埋めるために、正社員化を推し進めようとしているようだが、機械的に非正社員を正社員にしていくのには危険を感じる。すなわち、非正社員が正社員になることにより賃金の格差は必然的に縮まっていくが、それと同時に、派遣社員の魅力である柔軟性を企業が失うことにもなりかねない。今重要なのは正社員の数よりもむしろ柔軟に世の中の流れに対応していける力なのだ。アルバイトにしても、学校で社会経験が不足している現状でもっとも社会に近いところで学べるのはアルバイトであり、その機会を失わせるのは最終的には損だと思う。重要なのは、正社員化して非正社員の数を減らすのではなく、派遣社員も正社員として認めた上で、同等の立場を与えてやることではないだろうか。

最後に、述べておきたいことがある。
今派遣業界は、コムスンの件やフルキャストの件などで話題になり、いつにもましてバッシングが激しい状況である。親会社の一連の不祥事を見て企業が派遣社員の雇用を取りやめたり

現場で働いている派遣社員の周りを取り巻く環境は不祥事が起こった後でも変わることはない。派遣社員は常に自分が働く機会を失うかもしれないという状況下で、自らの信念を持って懸命に働き続けている。少なくとも私の周りの同僚、上司、後輩はそのような人たちばかりである。そんな派遣社員の誇り、強さを、もっと他の人にも汲み取ってほしい。

参考資料 BSディベートアワーのページ
http://www.nhk.or.jp/bsdebate/0406/data.html





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最終更新日  2007.08.05 19:50:10
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