「東雲 忠太郎」の平凡な日常のできごと

「東雲 忠太郎」の平凡な日常のできごと

2024.09.16
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カテゴリ: 数学


VLAN(Virtual LAN)は、物理的なネットワークを仮想的に分割する技術で、同じネットワーク上にあるデバイスをグループ化し、異なるVLAN間では通信を分離することができます。これにより、セキュリティの向上やネットワークの効率化を図ることができます。以下はVLANを使用する実例です。


### 1. **部門別にネットワークを分離**

企業内で部門ごとにネットワークを分割する場合、VLANが有効です。


- **例**: ある企業が、営業、経理、技術部門を持っている場合、それぞれの部門に別々のVLANを割り当てます。営業部門は「VLAN 10」、経理部門は「VLAN 20」、技術部門は「VLAN 30」といった具合に分離し、部門ごとのトラフィックを分けることができます。

  - **メリット**: 部門ごとにトラフィックを分離することで、ネットワークの効率が向上し、セキュリティも強化されます。例えば、経理部門のデータが営業部門や技術部門に誤って流れることを防ぐことができます。


### 2. **ゲストネットワークの分離**

企業や学校、公共の場所で、訪問者用のゲストネットワークを内部ネットワークと分離する際にもVLANが利用されます。


- **例**: 企業が従業員用のネットワークとは別に、来客者が使うWi-Fiネットワークを提供する場合、ゲストネットワークを専用の「VLAN 50」として分離します。このVLANは、従業員のネットワーク「VLAN 100」とは別のネットワークとして扱われ、内部のシステムやデータベースにはアクセスできないように設定されます。

  - **メリット**: ゲストが社内のリソースにアクセスできないようにすることで、セキュリティを確保しつつ、ゲストにはインターネットアクセスを提供できます。


### 3. **音声(VoIP)とデータの分離**

音声通信(VoIP)とデータ通信を同じネットワークで扱う場合、それぞれのトラフィックを分けて管理するためにVLANを使用します。


- **例**: IP電話(VoIP)のシステムが導入されているオフィスでは、IP電話用の「VLAN 40」を設定し、データ用の「VLAN 20」と分離します。これにより、データトラフィックが混雑している場合でも、音声トラフィックが影響を受けにくくなり、通話品質が維持されます。

  - **メリット**: 音声トラフィックとデータトラフィックを分けることで、ネットワークの混雑が一方のトラフィックに影響を与えにくくなり、通信品質の向上を図れます。


### 4. **セキュリティ強化のためのサーバー分離**

セキュリティが重要なサーバー群を、他のネットワークセグメントから分離するためにVLANが使用されます。


- **例**: 社内にデータベースサーバーやファイルサーバーがある場合、それらを「VLAN 60」に分離します。このVLANに対しては、アクセスを必要とする特定の部門のみからルーティングでアクセスできるようにし、他の部門やゲストからはアクセスできないように設定します。

  - **メリット**: サーバー群へのアクセスを特定の部門やユーザーに限定することで、外部からの不正アクセスや内部ネットワークからの攻撃を防ぐことができます。


### 5. **データセンター内のVLANセグメンテーション**

データセンターでは、異なるサービスやシステムを仮想的に分離して管理するためにVLANがよく利用されます。


- **例**: データセンター内でWebサーバー、データベースサーバー、管理ネットワークを分離したい場合、それぞれのサーバー群に専用のVLANを割り当てます。例えば、Webサーバー用に「VLAN 100」、データベースサーバー用に「VLAN 110」、管理ネットワーク用に「VLAN 120」を設定し、それぞれのトラフィックを分離します。

  - **メリット**: 異なるサービス間でトラフィックを分離することで、セキュリティとパフォーマンスを確保しやすくなります。また、障害や攻撃の影響範囲を限定できます。


### 6. **無線LANの複数SSIDの運用**

VLANは、無線LAN(Wi-Fi)環境で複数のSSIDを提供する際にも使用されます。


- **例**: 学校やオフィスで、従業員用と学生用、ゲスト用の異なるSSIDを提供する場合、それぞれのSSIDに異なるVLANを割り当てます。例えば、従業員用のSSIDは「VLAN 10」、学生用のSSIDは「VLAN 20」、ゲスト用のSSIDは「VLAN 30」といった具合です。

  - **メリット**: 異なるグループごとにネットワークを分離することで、セキュリティを確保しつつ、アクセス管理も容易になります。


### 7. **スマートビルディングにおけるデバイス分離**

スマートビルディングでは、監視カメラ、センサー、照明システム、空調システムなど、さまざまなデバイスがネットワークに接続されます。これらのデバイスを分離するためにVLANが使用されます。


- **例**: ビルの管理システムで、監視カメラ用に「VLAN 200」、空調システム用に「VLAN 210」、照明システム用に「VLAN 220」を割り当て、それぞれのネットワークを分離して運用します。

  - **メリット**: 各デバイスのトラフィックを分離することで、管理が容易になり、異なるシステム間での干渉を防ぐことができます。


### まとめ

VLANは、ネットワークを仮想的に分割することで、効率化やセキュリティの向上を図る強力な技術です。部門ごとのネットワーク分離や、ゲストネットワークの分離、音声とデータの分離、データセンター内のサービス分離など、さまざまな環境でVLANが活用されています。






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Last updated  2024.09.16 11:49:09


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