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奇跡の4B 記憶と発案「バッハ、貴方はすでに下界再誕の権利を、我々4人全員が得られる方法を思いつかれているのでは?」いつの間にか、ベートーヴェンのバッハに対する言葉遣いが変わっている。前の世の下界において、ベートーヴェンは「バッハは、小川ではなく大海だ」と評したことがある。それはドイツ語の“Bach”が文字通りには小川を指すことからくる洒落とも言えるが、ベートーヴェンもまたバッハを偉大なる作曲家として尊敬していた。だからこその評価だろう。ベートーヴェンは、知らず欠落していた前世での記憶の一端を思い出したのか?そうであるならば、言葉遣いが改まった事も理解できる。「1つだけある」3人が同時に身を乗り出し、同時に声を発した。「それは!?・・・」だが肝心のバッハは腕を組み黙り込んでしまう。バッハの口に全員の目が集中している。息をするのも忘れて・・・僅か数秒が3人には、とてつもなく永く感じられた。やがてバッハの口が開くと、1秒よりずっと短い時の後に3人が一斉に息を吐き、正常な呼吸を取り戻した。「ただ、どうなのかな・・・私の思いついたことは物を作って人々の役に立つものではないんだ・・・楽しんでもらえるとは思うのだがね・・・」「先ずは、とにかく・・仰ってみて頂けませんか?」あとの2人も、大きく頷いてベートーヴェンに同意した。バッハはベートーヴェンに向けていた目をブルックナー、そしてブラームスと、一人ずつ彼らの目を真っすぐに見つめ、その瞳に宿る熱意と誠意とを確かに受け取っていった。「わかった。君たちの意見も聞きたいし・・・この国の人々に喜んでもらえること、それこそがウェールズ国王の眼鏡に叶うことだろう。では我々に出来ることの中で最善なのは?・・・音楽だよ、この4人で素晴らしい楽曲を作り、国王をはじめα中天界の人々に聴いてもらって楽しんでもらうことじゃないか!?」ベートーヴェンもブルックナーも、深く頷いた。そしてブラームスにいたっては、胸の前で手を握りしめ目を赤くして、今にもあふれそうな透明に光るものを湛え、誰よりも強く賛同の意思を表した。何しろ、あの心酔する師とも仰ぐ、大バッハと一緒に曲を作ることができるだ!彼にしてみれば、まるで夢の中の出来事である。感動せずにいられるはずがない。バッハの発案により、4人の意思が1つになった瞬間だった。今日の好きな曲、これで何度目かな?でも好きなんですよー^^良かったらお楽しみ下さい。The Beatles - RevolutionThank you TheBeatlesVEVO,for up this song. いつも応援ポチをありがとうございます。♪今日もよろしくお願いします。(^^♪
2018.02.14
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☆インフルエンザでダウンしてました。熱が下がらず、頭痛もひどく喉は腫れて咳をすると胸のあたりにも痛みが走りお粥だけの6日間。明日からは普通に食事できそうです。返信も出来なかったこの6日間、毎日ご訪問頂き、コメントを寄せて応援までして頂いた皆様にお詫びと感謝を申し上げます。本当に有難うございました。奇跡の4B 「ならば・・・」α中天界の最西端に、壮大な公園が存在する。その中央に位置する二つの巨大な門。向かって右側の門を「受来門」といい、下界において生を終えた人を迎えるため常に開かれている。但し、他人の心を傷付けておきながら、反省をしない。故に謝罪もしないまま。また犯罪を犯しながら、発覚することなく罪を免れて人生を終えた者。そのような者を通すことは決して無い。そしてその隣にある門を「送世門」といい、常には閉ざされたままである。その扉は王様だけが持つ鍵によってのみ開かれる。モーツァルト侍従長の推薦によって王様が選び、今一度下界に戻って、嘗ては果たせなかったもう一つの人生を楽しむ機会を与えられた者を通す。1年に1度、5人に限ってである。ベートーヴェンによって、告げられた「下界再誕」の詳細をバッハが復唱した後、コーヒーショップ・SIGHに静寂の時が流れていた。コーヒーカップが木製のテーブルの上に置かれた音がして、3人の男たちの目がブラームスに集まった。「ならば・・・」「ならば、とは?」ブラームスの言葉を引き取ってブルックナーが問う。ブラームスは、バッハを尊敬していた。同じようにベートーヴェンやモーツァルトに対しても尊敬の念を抱いていたのではあるが、バッハの作曲家としての創造性と独創性には尊敬の想いを超えて、最早心酔している。それが故に、バッハの天才的頭脳はすでに「下界再誕」のご褒美を4人同時に頂くための、何かしらのアイデアを持っているのでは?そう思った。その思いが「ならば・・・」と口をついて出てきたのだった。ブラームスが青年らしく、純粋に音楽の天才に憧れを抱いている様子を見抜いたのは、これまた天才であるベートーヴェンの直感の鋭さのなせる業である。ベートーヴェンは、目を優しく細めてブラームスを見て頷き、その目を今度はバッハに向けた。今日気の聴きたい音は、The Beatles-Roll Over Beethoven(with Jimmy Nicol)In The Life of...The Beatles, thank you for uproad this song.です。いつも応援ポチをありがとうございます。今日もよろしくお願いします。♪
2018.01.30
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奇跡の4B 走り出せ!作者ああ!物語の大筋合意してるのに、中々走り出せないキーボード上の指・・・先ほどお茶しながら、ため息をつくと。校正員が睨みつけて宣うのです。「何も浮かばなくても、何か書くのよ。走り出せ!」と「各駅停車でも、いいの?」と「元々そうでしょうが・・・」と!それは言い得て妙かも!と先ずは1行書いてみました。何とかなるかも!
2018.01.27
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奇跡の4B モーツァルト侍従長の答え「生まれる所は叶えられる。時は・・・」(時は・・どうなのでしょう。モーツァルト様、お教えを!)ベートーヴェンはモーツァルトの前に跪いて、次の言葉を待った。「下界再誕の願いは、年に5人までというのは知っているだろうが、毎年必ず5人許されるという訳ではない。これがどういう意味か、わかるかな?」ベートーヴェンは、必死に頭を働かせた。「その年によって、王様のお許しが何人に与えられるか? 1人なのか5人なのか、それはその年によって差が生じる。そういう事でございますか?」モーツァルトは、満足げに大きく頷くと「その通りじゃ。例え5人許されたとして、君たちが、その5人の内に含まれるかどうか、それは私にもわからない。王様のお決めになること故な・・だが、王様は常に公平でいらっしゃる。それを疑わないこと。いいかな、ベートーヴェン君」モーツァルトの役職を正確に言うと、α中天界ウェ-ルズ国王側近、執政官兼侍従長である。王国の全てを掌握し、王様の意思を国土の津々浦々に行き渡らせる、大変な激務を担っているが、王様に似て、知的でありながら政治的実務を施行するにあたっては、国民に対して温情豊かに接し、且つ公平である。と国民の評判は上々である。ウェ-ルズ国王の彼に対する信頼は揺るぎないものとなっている。ベートーヴェンは、絶えず笑みを崩さず、噛んで含めるように優しく答えてくれたモーツァルト侍従長に対し、心から敬意を込めて感謝の言葉を述べ、退室前には頭を垂れ、扉を閉めると宮殿をあとにした。週の始まりの月曜日。仕事を終えた4人は、行きつけのコーヒーショップ・SIGH に集まった。それぞれが挨拶を交わしながら席に着く。バッハ、ブラームス、ブルックナーたちの視線は、当然のごとくベートーヴェンに集まる。彼が知らせてくれるはずの、モーツァルト侍従長の答えを知りたい。早く聞かせてくれ!と3人の顔に書いてある。ベートーヴェンは、モーツァルト侍従長の答えを3人の前で伝えた。3人は、うん、うん、と頷きながらベートーヴェンの言葉に耳を傾ける。全てを伝え終えたベートーヴェンは、かなりぬるくなったコーヒーを一口だけ飲むと、僅かに顔をしかめてカップをソーサーに戻し、テーブルの上に置いた。3人は、各々が心中に生じた不安を口にしようとしたが、バッハが重々しく咳払いをしたので、ブラームスもブルックナーも彼に一任しようと考えが一致したらしく、お互いに顔を見合わせると、バッハに向き直って言った。「君に任せる」するとバッハは、再び重々しく1度だけ咳払いをしておいて、ベートーヴェンに対し言質を取るかのように言った。「我々は理解したつもりだが、大事なことなので確認させてもらうよベートーヴェン。いいいかね?」「勿論、構わないよバッハ」「下界再誕の生まれる場所を選ぶことは叶えられる。そしてその権利は1年に5人にまで与えられる。だが、必ずしも毎年5人に与えられるとは限らない。つまり、4人が同じ年に王様のお心に叶った働きを成し遂げなければ、生まれる年齢に差が生じる場合もあり得る。そう理解したが、正しいかな?」「その通り、間違いなく、その通りだよバッハ」ベートーヴェンは、そう答えながら先ずバッハに頷き、次いでブラームス、ブルックナーにも頷いて見せた。今日の好きな曲は、The Beatles-Hello,Goodbyeです。Thank you TheBeatlesVEVO for uploading this song. いつも応援ポチをありがとうございます。今日もよろしくお願いします。♪
2018.01.10
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皆さん、こんばんは。長い事停滞している小説の更新ですが、今日ホームを通過しようとする言葉の一群を捕獲しました!^^急行も特急も全部、各駅停車せよ!と第3の目の力でセンテンスを留めているところです。^^停車させてしまえばこっちのものなのですから、2日ほど集中させて頂きますね。では、ε=ε=ε=(o・・)oブーンBeatlesーTicket To Ride、ユーザーの都合により、削除されたようです。視聴出来なくなった事をお詫びいたします。今日も応援ポチをお願い致します。♪
2018.01.08
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奇跡の4B ユニゾン4人は、仕事帰りに立ち寄るのが習慣となった、行きつけのコーヒーショップで、運ばれてきたばかりの、この店オリジナル・ブレンドコーヒーの香りを楽しんでいる。コーヒーショップ・SIGH (ため息)4人は仕事の疲れを、ため息が出るほどに美味しいコーヒーを飲ませてくれる、この店で癒してから帰宅することにしている。「ところで、みんな考えてくれたかい?」ベートーヴェンが、先週3人に提案していたことを口にした。「先ずコーヒーを楽しんでから、そうしないかい?」バッハが僅かに眉間に皺を寄せてベートーヴェンを見た。あとの2人も、バッハに同意する意思を4つの目に込めてベートーヴェンを見た。ベートーヴェンは、テーブルに目線を落とし、肩をすくめて見せると、彼もまたコーヒーを楽しむことにした。やがて、ベートーヴェンを除く3人がコーヒーカップをテーブルに置き、脚を組み換える。腕を組む。テーブルに両手を載せる。3者3様の姿勢をとった。やや慌て気味に、最後の一口を飲み干したベートーヴェンは、笑顔を浮かべつつ小声で口を開く。「僕は、この4人で下界再誕の許しをもらってだよ、前の世界で出来なかった、パトロンのことも教会のことも気にせずに自由気ままに曲を作って、僕らが楽しまないか!って言ったんだ・・・3人とも考えてくれたかい?」先ず口を開いたのはバッハで、「下界再誕って言うけど、どこの国に再誕するのかとか、4人が再会するには、同じ国のなるべく近くに生まれるって可能なのかも知っておくべきだよね」ブラームスがバッハの意見に何度も頷き、ぼくもそう思うと言うようにベートーヴェンに目を移して大きく1度頷いた。次に口を開いたのはブルックナーで、「それに年齢、生まれる時も大体同じにしてもらわないとね。前の世界じゃ、この中の誰一人としてバッハには会えていないんだから」偉大なる作曲家たちが口を閉じてしまい、音も声も無い、貴重な時間が勿体なく流れていく・・・早く音を!「それについては、僕から侍従長のモーツァルトさまにお伺いしておこう」ベートーヴェンの言葉を聞いた3人はそれぞれ顔を見交わし、大きく頷き、そして4人揃って、「コーヒーのおかわりを下さい」とユニゾンで言った。今日の好きな曲は、Beatles-There's A Place です。Beatlesrockthe60s,Thanks for up!この曲は、ポールとレノンのツインボーカルですが、あとの2人を無視した訳ではなく、ただ僕はユニゾンに惹かれるところがあって。サビの部分"Don't you know that is so?"でポールがオクターブユニゾンで高音部を歌っている。そこが好きなだけなのです。^^;いつも応援ポチをありがとうございます。今日もよろしくお願いします。♪
2017.12.26
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「 奇跡の4B 」 プロローグここは、α中天界。下界の人間たちには知られていない。もしも好奇心の強すぎる輩がいて、現代科学の粋を集めて探したとしても、神通力を持っていなければ見つけることは、不可能だ。この国の主は、α中天王と言って、住民たちに親しまれ、尊敬される王様だ。真面目に働いて、その成果が認められた者には、王様より特権が与えられた。それは、再び下界へ戻り、人間として人生をやり直すことができるという権利である。[4人組登場]午後3時になると、どこの職場も終業。帰り支度を始める。しばらくすると、α中天界のあちこちの道に、たくさんの人々があふれ始めた。中には、有名人だった人もいる。彼らは過去の栄光を忘れることが出来なくて、あまり熱心に働こうとしない。したがって王様に認めてもらえず、いつまでも下界に戻ることを許してもらえないのだ。それに比べるとバッハたちは、とても良く働き、品物の評判も上々だ。中でもブルックナーなどは、先月のコンクールで自慢のパンが、「たいそう美味しく焼きあがったね」と王様にお褒めの言葉を頂き、1年に5人までという下界再誕組の1人にほぼ決まっている。バッハとベートーヴェンが歩いている、向こうから1人の男が近づいてきた。ブラームスだ。丁度パン屋さんの前で合流すると、3人はパン屋のお客さんの出入りの邪魔にならない所に立ち、店の中を覗いたりしながら誰かを待っている様子。やがてパン屋のドアが開いた。「やあ、バッハ、ベートーヴェン、ブラームス」「やあ、ブルックナー、お疲れ様」4人の笑顔が弾け、いつものようにハイタッチ!この物語の主人公、4人組の登場だ!今日のお気に入りは!The Beatles - A Hard Day's NigThe Night です!TheBeatleLeo, Thanks for up!いつも応援ポチをありがとうございます。今日もよろしくお願いします。♪
2017.12.11
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プロローグが一応の完成をみました。新作は SFというか、ファンタジー?こういうの僕は今まで書いたことがない。でも面白そうだから、やってみようかな。実はタイトルも一応決まっていて、α中天界で出会った4人組が意気投合し、生まれ変わったら、好きな事をやりたい、やってみないか。さあ、彼らの望みは叶うのだろうか。・・・・・・・・・・もう一度構成を見直して、慎重に。という意見もあるが、「やろうぜ。面白そうじゃないか」という声が高まっている。掲載開始も時間の問題かもしれない。「とにかくやってみようぜ!」とやる気満々なのが、バッハである。後の三人は誰にしようか、と悩む周囲に対してきっぱりと「彼らしかいないだろ!」とバッハは、あの顔で腕を組み、何度も頷いている。さてはもう、彼の中では既にあとの三人は決めている様子。これは面白いことになって来た。さあ、どうなりますやら、お楽しみに。
2017.12.04
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ある夏の日に 〈最終話〉元の世界に帰ろう期待通りの結末が、目の前の巨大なスクリーンに映し出された。地球に迫る彗星に第2の彗星が追いつき、衝突!瞬間に生じたとてつもないエネルギーは、光そのものとなりスクリーンを眩しく照らした!2つの彗星は粉々になり、地球の大気との摩擦熱によって燃え尽き花火のように跡形もなく散った。災害対策本部では、全員が事の成り行きを息をすることも忘れたように緊張して見守っていた。祈りが通じたその瞬間、言葉に言い現しきれない声が、会場の空気を膨張させたかのように膨らみ、手を取り、抱き合って喜ぶ。その姿はスクリーン上に何度も再生され、衛星中継によって世界中に歓喜の輪を拡げた!勇一が、ヨーコが、アンドリュー、マギーも!みんなで肩を抱き合って、そしてヨーコはやっぱり涙を抑えきれず勇一にしがみつき喜びを伝えた。かけがえのない父親を失わずに済んだのだから、当然のこと。多摩川流域で被害にあった方達の喜びも同じに違いない。・・・・・だけど。なにか、聴こえてこないか・・・何かが言っている・・・調和が乱れている・・・・と第3の目が伝えてくる。この世界も、その他の世界でも、みんな懸命に生きている。どの世界にも、守られるべき調和がある。ほんの僅かな時間だけ侵入した異邦人たちに悪意は無いにしても。いくつもの世界に影響を残してきたであろうことは否定できない。「ヨーコの父親を助ける為」俺たちにとっては大事なこととはいえ、変化を望む俺たちが訪れた。その時点で既にその世界の未来に変化をもたらした事になる。俺達さえ現れなかったなら、起きる筈の無い変化だ。その変化がそれらの世界にどんな事態をもたらすことになるのか、それを確かめる術さえ今はもう無いのだ。無責任極まる。第3の目の力は、力を持つ人のことだけを観ているのではない。今、この時は、近づいてくる人を観て最良の接し方を判断しやすくしてあげたり、この先の事では、大事、小事に渡ってより正しい判断が出来るように、特に人間関係においては、時によって辛い判断を下す事もありうる。利己的願望を抱いた上での判断を下すなら、その世界にとって負の変化をもたらすことになる。第3の目の力は、それ程のものであると、今の勇一は知っている。勇一は決断した。この世界を去る。この世界にも、別の世界にも、誰にも、「これ以上の迷惑をかけることはない」そう断言することなど誰にも出来ないからだ。私は、全力を出し切ってでも、元の世界に戻ろうと思う。例え何も変えられず、悲しい思いをしたとしても耐えて生きよう。そうすべきではないか・・・今まで、立ち入っては直ぐに去っていった幾つもの世界の未来に、もたらした変化がその世界の人々にとってマイナスに作用したなら、それは許されることではない。たとえ愛する人の為だったとしても、その行為は多摩川流域に住んでいて、落下してきた彗星の犠牲となって亡くなった、ヨーコの父親を含む、数人の人たち・・・確かに彼らとその家族たちにとって、それは悲劇である。だがしかし、他の世界に暮らす住人たちにとっては想像することさえ叶わない、別世界の出来事なのだから・・・そんな人達の世界を乱す資格も権利も我々は一切持ち合わせていない。元の世界のヨーコを、父親の墓参りに連れていこう。悲しみを繕うのではなくて、共有するのだ。チャーリーの店にいい音を聴きにいこう。普通の人が過ごすように、普通に生きていこう。勇一は、顔を上げた。「元の世界へ、どうか俺を導いてくれ」第3の目に、自身の胸中に!強い願いを発しながら歩き出した。 完今まで読んで頂いたこと、心から感謝します。これから暫くは日記を書く。そのくらいしか出来そうにない。僕にとってはこれでも、やっと完結!でしたので^^さて、今日の好きな曲は、The Beatles - The Long And Winding Road です。Ken W さん、この動画をUpして下さり、本当にありがとうございました。いつも応援ポチをありがとうございます。今日もよろしくお願いします。♪
2017.11.23
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ある夏の日に 晩夏に揺れる想いそうだ、追いつけ!そしてぶつかるんだ!ふたつの彗星が、粉々になって、それから成層圏で燃え尽きてしまう。その場面を想像して、勇一は愕然とした。多摩川の流域には、石ころひとつ落ちてこず、・・・だからヨーコの父親は助かる・・・良かった・・・それは本心か?お前は、ホントに本心からそう言ってるのか?勇一は自分自身に問う。全てが上手くいった時、それでも、その時でも、俺は・・まだ必要とされるのか?いくつパラレルワールドを渡り歩いてきたか・・・あの彗星がぶつかった時、何かが変わる。空から地上へ目を移したその時に、何かが変化したとしたらそれがあったなら、そこはもう、さっきとは違う世界だろう。勇一の第3の目が、そう告げている・・・それに耐えられるのか? 勇一・・・今日聴きたくなった曲は、The Beatles-PaperBack Writer です。The Beatles, Thanks for Up!いつも応援ポチをありがとうございます。今日もよろしくお願いします。♪
2017.11.11
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ある夏の日に Help!勇一には、何だか1号よりも2号の方が、より早く飛翔しているように見えた。(先に現れた、多摩川を終点としようとする彗星を、誰かが1号と名付け、後に現れた彗星を2号と呼んだ。それがSNS内に拡散され、一人のアナウンサーの口に乗り、瞬く間に世界に拡がったのだ。)勇一の願いが強く働いて、そのように見えたのかも知れない。いつか、我が身にも及ばないとは言えない。そういう危機感を抱いた時、人はどうやら、今回は自分の身の上に起こらなくても、決して他人事などとは想えなくなるようである。世界中の人々が今、どうかあの彗星が、地球の、日本の、そして東京の空から消えて欲しい!地上に落ちないで欲しい!と・・・真摯な想いで手を合わせ、それぞれが信じる仏や神に、願いをかけているのだ!同じ大地に火災が発生した時、野生の動物たちが、日頃、捕食している草食動物たちと共に草原を駆けて逃げる。無意識のうちに共存を認め合うあの光景。世界中に拡がるネットワークシステムによって、人類は一つの現実に同時に目を向け、共通の危機感を共有したのである。「追いつくか?・・・追いついてくれ!」一人のつぶやきが、やがて災害対策本部全体を圧する大きく強い声となった!―― 彗星は・・・ ――今日は好きな曲は、これ。The Beatles - Help!-Lyrics です。thanks,nowhereman113. 有難うございます。(^^♪いつも応援ポチをありがとうございます。今日もよろしくお願いします。♪ 今日は、唐突ですが、9年前まで元気でとても可愛く、良く懐いてくれていたゴールデンレトリバーのムクの写真をお見せしたいと思います。可愛いでしょ!本当は、もっと可愛いのですが、撮り方が下手なのです(^^♪
2017.10.31
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ある夏の日に 半直線多摩川を渡る東急田園都市線。東京側に二子玉川駅があり、神奈川側の駅は二子新地だ。その2つの駅と駅の間に流れる多摩川に落下すると思われる彗星が1つ。そこへ、太陽圏外で、何らかの天体と接触し、その衝撃によるものか、軌道を変え、驚異的に加速された彗星が地球を目指して接近しつつある。スーパーコンピューターの演算によって明らかとなるその軌道は、まもなく対策本部中央のモニタースクリーン上に現される。国立天文台のスタッフである松岡が立ち上がって告げる。「軌道計算終了!只今より中央のスクリーンに、2つめの彗星の軌道が表示されます」その場にいる全員が固唾を呑んで見守る中、彗星から1本の半直線(片方は点で止まり、もう一方はどこまでも伸びる線)が伸び始めた!それはどんどん伸びていく!この展開に対する勇一の想像は、期待を含むものであって、新たな彗星の衝突によって、本来ならば地球に激突するはずだった彗星の軌道が大きく外れる、若しくは砕け散って大気圏で燃え尽き、線香花火のように消滅するか・・・新たな彗星の軌道を描く半直線は、多摩川流域を到達点とする彗星に迫る・・・そして2つの半直線は交わると同時に弾けて消えた!同時に対策本部は歓声に包まれた!「気持ちはわかるがまだ早い!」しかし、勇一の声はかき消された。ヨーコが弾けるような笑顔で、勇一の胸に飛び込んできた。見上げている笑顔が愛おしくて、髪を撫でた。お父さん以外の誰かに触られるのは絶対嫌だ。と言ってたのに・・・俺ならいいのか・・・口にする前にヨーコが頷いた。もう、こいつしかいないな。スピーカーがオンになる音がした。「皆さん、落ち着いて!・・・これは3日後にこうなるという予測ですよ。まあ、ほぼ確実ですが。とにかくあと3日間は衛星中継とハッブル宇宙望遠鏡で監視します」そういう松岡のアナウンスも、柔らかな声音だった。 ―― 彗星衝突まで、あと3日――今日の好きな曲は、Deep Purple-Highway Star です。Momo Tarou さん、Upして頂いて、有難うございます。♪いつも応援ポチをありがとうございます。今日もよろしくお願いします。(^^♪
2017.10.18
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ある夏の日に ベーゴマ彗星鉄道のレールの上を行くように、ベーゴマ彗星(後に命名された)は、誰かの意思が働いたのか、おおよそ地球の方向を目指すと思われる軌道を、矢のように走る!NASAの協力を得て、ハッブル宇宙望遠鏡が捉えた画像を東京の対策本部でも同時に観れるようになっている。勇一もマギーの計らいで同席する事を許されていた。ベーゴマ彗星が太陽光を浴び、尾を引き始めたことによって、大型のスクリーンに姿を現した直後、マギーと勇一の目が合った!「もしかして・・・!」「なに!?、言ってみて勇一!」「多摩川に衝突することになってるあの彗星と、今現れた彗星の軌道が・・・ひょっとして交わるような可能性は?」マギーの目が大きく見開かれた!「Oh,my!...」そして立ち上がりながら、「スーパーコンピューターとリンク出来ない?」傍にいたアンドリューが、すぐに立ち上がり辺りを見回す。マギーが前方のデスクを指差した。「彼が日本の国立天文台のスタッフよ、多分」アンドリューは、マギーに頷くと急ぎ足でデスクへ歩み寄る。幸いにマギーの感?記憶?どちらにしても当たりだった。「このパソコンは、国立天文台とリンクしている。スパコンも国家危機管理情報部と共用で、今日から1週間、優先的に使える」スタッフの名前は松岡という。胸に下げたIDカードに記載されていた。松岡はパソコンに向き直り、キーボードに10桁ほどの英数字を打ち込んだ。パスワードのようだ。すぐに画面が変わった。松岡がマギーを振り返る。「大丈夫、今は我々の優先順位が1となっている」「お願い、すぐにあの彗星の軌道を計算して!」松岡は大きく頷くと、国立天文台のスタッフに、大至急ハッブル宇宙望遠鏡が捉えた、新しい彗星のデータを送ってくれるように指示した。届いたデータを直ちにスパコン側のスタッフに送る。松岡は、パソコンのマイクに声を送る。「これから彗星のデータを送ります。軌道の解析をお願いします」了解した、との返事があった。結果はスクリーンの画像に軌道として描かれる。全員の目が中央のスクリーンに釘付けとなった。― 彗星衝突まで、あと4日 ――今日の好きな曲は、Billy JoelでWhen You Wish Upon a Star です。バックの映像は、映画「Field of Dreams」。星の話ではありませんが、とても夢のある映画で、何度観ても新鮮で、大好きな映画です。MrMoonligttさん、Upして頂いて、本当にありがとうございました。 いつも応援ポチをありがとうございます。今日もよろしくお願いします。♪
2017.10.04
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ある夏の日に Across The Universe 午前2時。勇一は、ライブハウス「L」の階段を上がり、地上へ出た。親しい仲間たちを見送った後、思い出したように空を見上げた。(都会にしてはきれいな星空だ・・・)勇一には、彗星について先入観があったが・・・(それにしても、この違和感は何だろう・・・)第3の目、その力が未知の現象を捉えた事に、彼自身は未だ気づかずにいた。同時刻。とてつもなく遠い宇宙域に1つの天体が現れた。それは、無限に拡がる宇宙の彼方から、いくつもの星たちの間を飛びぬけてきた。何か急ぎの用でもあるかのように。その慌て者の天体を我々は彗星と呼ぶ。彗星にも公転周期があって、他の天体に邪魔をされなければ、半永久的にその軌道を飛び続けられるのだが、実際は稀にぶつかるのである。その衝突によって、いくつかに分かれた彗星は、それぞれが元の周期軌道を外れ、新たな軌道を描いて矢のように飛んで行く。そして今、その運命をたどった彗星が1つ、冥王星を含むカイバーベルトを通過して、太陽圏の内惑星宇宙域に侵入した。Across The Universe!今日の好きな曲は、Beatles - Across The Universe (ORIGINAL version)です。60s70sVintageRock,thanks for up!いつも応援ポチをありがとうございます。今日もよろしくお願いします。♪
2017.09.27
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ある夏の日に アカペラYesterday大きくて分厚いドアを開けると「いらっしゃーい」大音響に負けず・・・聴きなれたよく通る声が耳に入ってきた。思ったとおり、ヨースケが大きく目を開いてやって来る。「なんだよ、ユーイチぃ最近ぜんぜん顔見せないじゃない!新宿ばっか行ってんのかよー」「それ誤解だってヨースケ、新宿にも下北にだって行ってないからな。忙しかっただけだから」他の客の邪魔にならないようカウンターに移動しながら言い訳して奥の席に座るとヨースケが、「そう言えば、ユーイチ、昨日誕生日じゃなかったっけ?」驚いた!「え!何で知ってんだ?」 「いいじゃん別に」ヨーコにさえ、わざと言わないでいたのに・・・「ヨースケ・・・」「もう、ユーイチは言い出したら利かないからな・・赤坂のレコーディングスタジオの新倉さんから聞いた」「ああ、なるほど・・・」納得して幾度か頭を縦に振った。その時ドアが開いて新たな客が・・・!「いらっしゃーい!あらら、噂をすれば何とやら、だねユーイチ」 「だね、ちょっと挨拶してくるわ」音楽の師匠と仰ぐ新倉さんと奥様が!、空手の習得の為にリバプールから来てるティムちゃん、おっと!今日は豪のゲイリーさんも一緒!後の2人は初顔で、合計6人がテーブルにつく、その前に新倉さんが気付いてくれて。「よー、久し振りだな」と。「ご無沙汰してます」と頭を下げる。「Hi, Yuichi!」とティムとゲイリーが先に挨拶をくれた。「ハイ、ティム。ゲイリー」とカタカナ英語で手を上げる。ヨースケがいつものように客からのオーダー待ち、かと思ってたら、近づいてった。おまけに何かを新倉さんに耳打ち、それを新倉さんがティムたちに伝えているようだ。ティムがヨースケを呼んで耳打ちする。大きく頷いたヨースケがすっとぼけた顔して俺の横を通り過ぎると、唐突に音が止まり、ブーイングが起きる。当然の反応だ。すると、「Yesterday」♪ 前触れもなくティムがアカペラで歌い始めたのだ!皆の顔が俺に集まる!なんていい奴らなんだ・・・ヨースケが他の客の間を急ぎ足で回ってる。歌声は次第に大きく、そして広がり、一つになった!目の前がぼやけたまま、アカペラYesterdayが終わり拍手が鳴る。俺は一言どうしても、言いたくなった。「みんな!ありがとう!thank you!俺はこの歌が大好きだ・・新倉さん、翻訳お願いします。特に Oh, I believe in yesterday.俺はここを「ああ、俺は過去を否定したりなんかしない」と読み取りたい。自分の過去を否定してたら、これから前に向かって生きていけない。そう思うから・・・みんな今日は本当に素敵なプレゼントをありがとう!」深々と頭を下げた俺の頭の上を拍手と「Happy Birthday!」が通り過ぎる。頭を上げて俺はヨースケに言った。「ここにいる全員にビールを1本ずつあげてくれ。俺のおごりだ!」直後におきた歓声がこの日最も大きなものだったらしい。ヨースケが、そう教えてくれた。―― 隕石落下・・・それさえ忘れさせてくれた、ひととき――今日の好きな曲は、言うまでもなくビートルズのThe Beatles -「Yesterday」です。僕の中のNo1です!Beatroom7Dさん、 Upして頂いて、本当にありがとうございました。いつも応援ポチをありがとうございます。今日もよろしくお願いします。♪
2017.09.16
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ある夏の日に 防対委員会のあとで午後2時30分、災害対策委員会は全ての対策準備項目が了承され解散した。叔父のアンドリューに電話したあと、ヨーコは勇一を振り返った。その時勇一は、ヨーコの顔に戸惑う心を見た気がして先に口を開いた。「親父さんの傍に居てやれよ」「勇一は、それでいいの?」「ほんの3日やそこら、一人で平気さ・・こう見えても歓迎してくれるダチだって結構いるんだぜ」「・・・・・・・・」「そうだ!最近『Ⅼ』に顔出してないから荻窪と新宿に浸かるって手もあるし・・それがいいな、そうするってことで・・・親父さんの無事を確認してさあ・・・親子水入らずの時間を満喫すればいい。俺に電話くれるのはその後でいいから、な」「わかった・・・有難うね、勇一」「おいおい、湿っぽい顔してんなよ。ずっと会えないってわけじゃないんだからさあ!」勇一たちのそばに車が止まった。と同時に窓が下りてアンドリューが顔を出した。「2人共・・・早く乗った、乗った!夕方には渋滞がひどくなるから」勇一は、環八通り四面道交差点を右に曲がって青梅街道に入り荻窪駅北口の200メートル手前で車を止めてもらった。ここからだとライブハウス『L』は直ぐだ。今日の好きな曲は、勇一が「L」の分厚い遮音性の高いドアを開けた時に耳に飛び込んできたレッドツェッペリンの「移民の歌」です。RHINOさん、Upして頂いて有難うございます(^^♪いつも応援ポチをありがとうございます。今日もよろしくお願いします。(^^♪
2017.09.10
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ある夏の日に 力を合わせて成田空港の到着ロビーに、懐かしい顔がマギーたちを待っていた。NASAの同僚の二人、ニミッツとハルゼーがマギーとハグ!「どうしてここに居るの?」「チェリャビンスクの帰りに、東京に来て大使館に寄ったら、本部から電話があってね。そのままマギーと合流するように指示があったんだよ」とニミッツ。「それは心強いこと!・・・ね、後でチェリャビンスクの話聞かせて」「まず、タマガワの防災と事後調査を済ませてからね」首をすくめたあと、マギーはアンドリューを二人に紹介した。「よろしく」とアンドリューが手を差し出す。その手を交互に握りながらニミッツとハルゼーが「こちらこそ、よろしく」と笑顔で応じた。「さあ、とにかく災害対策本部へ案内するよ」ハルゼーが、ヨーコと勇一にも手招きしながらそう言った。緊急災害対策本部は、彗星落下予想地点である東急田園都市線、二子玉川駅と二子新地駅との間を流れる多摩川の真ん中から半径3kmの警戒ラインのすぐ外側にあるホテル内にある多目的ホールを借り切って、会議室兼災害対策本部総合司令室としたものである。―― 隕石衝突まで あと6日 ――※チェリャビンスク:2013年にロシア連邦チェリャビンスク州で隕石落下という天文現象が起きた。原因が隕石と確定している中では、初の大規模な人的被害をもたらした災害に見舞われた都市の名前である。今日の好きな曲は、ジョージハリソンでWhile My Guitar Gently Weeps です。MrMoonligttさま、Upして頂いて有難うございます。いつも応援、有難うございます。今日もよろしくお願いします(^^♪
2017.09.04
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ある夏の日に restartヨーコの強い想いは、勇一と一つとなることで、更に強くなった。チャーリーが、東京で二人の秘めたる力を開花させ、行く道を示し、背中を押してくれた。それ以後チャーリーは東京に居続けたままだが、ヨーコと勇一は、それ以外の何かを彼に求めることはしなかった。チャーリーは、二人の行く道に光を灯してくれた。歩いてゆく道と進んでいく力強い原動力を獲得させてくれた。「チャーリーは、何時でも自分たちを見守ってくれている」口には出さなくても二人はそう思っているのである。だからチャーリーは東京で、彼のジャズハウス「チャーリー」にいて、二人の帰りを待っていてくれたら嬉しい。それだけで充分なのである。あの日、東京は笹塚で顔を上げ、前を向いて歩き始めたヨーコと勇一は、困難な旅の中で少しずつ強くなった。その力強い歩みは、より力強い協力者を得ることになった。アンドリューとマギーである。マギーは職場であるNASAを動かすことによって、日本政府の関係省庁を動かし、彗星が落下するであろう予想地点の地方自治体は災害対策本部を立ち上げ、NASAが示した通りの住民避難・警戒措置を実施することとなった。ヨーコと勇一は、アンドリューとマギーの助力を得て、4人揃って「災害対策本部」のある東京へ戻ってきた。―― 隕石衝突まで 8日 ――今日の好きな曲は、John Lennon - Stand By Me です!Thanks john lennon for up!いつも応援ポチをありがとうございます。今日もよろしくお願いします。m(__)m♪
2017.08.27
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SF小説 ある夏の日に そろそろ、再開しようかな、と考えています。直ぐに、気持ちはそうですが・・・夏バテは僕の古びたブレインにも、触手を伸ばしている故、明日・・・明後日・・・断言は控えます。m(__)m厚かましいことに、応援ポチは歓迎致します。^^; by 夏バテマトリックスAいつも有難うございます。
2017.08.23
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只今、お盆休みの最中です。今日の好きな曲は、The Beatles - Hey Jude です!♪どんなに辛いことがあってもあきらめるなよせっかく出会えた彼女を抱きしめて 一緒に歩いていくんだきっと上手くいくさ♫TheBeatlesVEVO, thannks for Up!いつも応援ポチをありがとうございます。今日もよろしくお願いします。
2017.08.02
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ある夏の日に・特別編 勇一の葛藤ごく当たり前な世界でさえ、明日は何が起きるか・・・パラレルワールドを行き来する勇一のストレスはどれほどのものか?ヨーコにさえ漏らすことのできないのだから、なおさらでしょう。勿論、ヨーコのストレスも計り知れないのは同じなのですが。特別編では、そんな彼の胸中を綴ってみようと思います。「不確かな時の中で」時は過ぎてゆく。 時には乱暴でさえあるけれど、けれど置き去りにはしない。 時が私を置き去りにしたのなら私は、今でも赤ん坊のままかもしれない。時は確かに過ぎてゆく、けれどいつも一緒に居てくれたんだ。ならば私の大事な思い出も、時と一緒に居るはずだよ。書き留めておこう、思い出を言葉にしよう言葉を文字で形にして、繋ぎ留めておこう。時はたしかに過ぎてゆく、けれど思い出の反復記号は、繋ぎ留めてある。人生を泳ぐ力、失くしそうになった時私は思い出の反復記号にしがみつく。過ぎて行った流れの中に、私が居てその隣りには、時が待ってくれていた。ほら、あの日あの時の君だよって微笑みながら、教えてくれる。「自滅しそうな葛藤からは 逃げてもいいよ誰にも責める権利も資格もありはしないからね」それから、こうも言ってくれる。「自分で決めない限り、負けは無いよ。一度引いて立ち止まって考え直して、また挑むのが女々しい、なんて、賢いとは言えない」って・・・。今日の好きな曲は、The Beatles - We Can Work it OutTheBeatlesVEVO, Thank you for up!いつも応援ありがとうございます!今日もよろしくお願いします。
2017.07.16
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ある夏の日に NA◯Aを動かす!目的を持っていても、そうでなくても時は流れる。ただ、目的を持っていれば、より力強く生きていけるだろう。ヨーコの強い願いは、目的となってマギーに伝わり、彼女の正義感は、ヨーコと勇一、アンドリュー、そして彼女自身を入れて合わせて4人分と膨らみ、強固な意思を持って彼女の上司に伝えられた!日頃の彼女の勤務態度と能力を認めていた上司の柔軟な物理学的見地が幸いした!「この新聞も君のまだ『受理していない報告書』も、証拠としては扱えないが・・・今日、解析した情報として作成し直して、私のデスクへ持って来なさい。直ぐに受理して、比較的確率の高い情報として日本へ報せよう」NA◯Aの高度な情報となると、さすがに取り扱い順位が高いようで、直ちに内閣危機管理防災総室へ報告が届き、事前に決められている関係機関より専門分野の第一人者たち、そして該当する自治体の長及び担当者たちが召集された。―隕石衝突まで 12日―今日の好きな曲は、Fleetwood Mac - Go Your Own Way です♪過去にも載せた事がありますが、これが聴きたい気分なので。TheGreatestRockSongs,thanks for Up!いつも応援ありがとうございます。今日もよろしくお願いします。(^^♪
2017.06.20
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ある夏の日に 2週間後の新聞アンドリューは、勇一の持つ異能な才能を信じて時空世界を超える覚悟を決めた。似て非なるはずの時空世界でも、マギーに会える!理屈抜きだが確信は揺らがない。これが愛の力なのだろうか・・・ほぼ意識が途切れた。目の前のあらゆるものが歪み、そして見えなくなる。それから何分かが過ぎただろうと思われる時、充分にアルコールを飲んだ次の朝を迎えた時のように視界が戻った。多少、脚をフラつかせるアンドリューの腕を両方から勇一とヨーコが支えた。彼はまだ、時空間の移動に慣れていないのだ。もっとも、ヨーコと勇一ほど慣れている者が稀有なのだろうけれど。「ありがとう、もう大丈夫」冷や汗を拭ったアンドリューの目のピントが合ってきた。「ここは・・・NA◯A、からは少し離れている街の、公園もすぐ近くにある落ち着いた感じの住宅街の一角に、あるアパートメントが目の前に見える。ニューヨーク州の、あるところ、としか頭の中でさえ言えない。マギーのためだ。そこは、アンドリューが二つの理由で心ときめく場所だった。一つは、愛を育みつつある女性が暮らしている。二つ目に、今、速やかに解決したい問題に答えを出せる人もまた、マギーその人だったからだ。「最高だ!勇一、ありがとう!」アンドリューは勇一をハグした。「僕も嬉しいよ・・・」おやおや、勇一は涙目になって、でも踏ん張った。「ほら、電話して」男たちの友情に感激したのか、ヨーコは弾けるような笑顔になった。彼女が借りてる部屋の固定電話の番号をプッシュ。3度目のコールでマギーがフックを外した。「アンディ!どうしたの?トウキョウ、なのでしょ・・・」研究室の彼女からは、想像できない甘い響きがある。「いや、トウキョウじゃない。窓から通りを見てごらんよ」窓に彼女の姿が映った、と思ったら直ぐに消えて・・・程なくして1階ロビーのドアが勢い良く開き、マギーが飛び出してきて、歩み寄るアンドリューがしっかり受け止めハグした。「寂しかった・・」「トウキョウもいいけど、やっぱり君がいないと・・」その先はマギーの唇に塞がれて、アンドリューもその気になって、イヤイヤ、そうもしてられない。今夜は退屈させない、と誓って何とか落ち着いてくれたマギーに、アンドリューは2週間後に起きるアクシデントの一部始終を語った。当日の新聞も見てもらった。マギーは理解した。「この件解決したら、結婚しよう」とのアンディのプロポーズにマギーは「何でもするわ!」と再びアンドリューの首に手を廻して抱きしめた。 今日の好きな曲は、Christopher Cross/Arthur's Theme (ニューヨーク・シティ・セレナーデ)です。耳に心地良い声とメロディー!coto.pops music さま、Upして頂き、有難うございました♪いつも応援ポチを有難うございます。今日もよろしくお願いします♪
2017.06.05
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『隕石落下!多摩川を直撃!』※荒川は埼玉県の秩父を源に東京の北を通って東京湾に流れる。一方多摩川は、奥多摩から東京の南を通っており、古くからそれぞれ中山道、東海道の最初の難所となっていたが、今では川原を整地し、洪水から付近の住民を守るため、堤を高く、しかも堅固に、さらに排水能力を高めるための施設を充実し、公園や野球場として解放され主に東京都民や神奈川県民に親しまれている。ある夏の日に 調査報告書3宇宙のことに関して、世界で最もその名前を知られたアメリカの機関。映画でも実名で登場する、あの機関。しかしながら、重要なミッションにとりかかると初期調査を開始し調査に必要な資料を確保して持ち去るまで、スタッフは顔さえ見せない。地域住民さえ、どこの機関がどういうふうな調査を行っているのか、それさえ知らされる事無く始まり、いつの間にか終わっている。マスコミの取材陣も、警察によって張り巡らされた「規制線」によってシャットアウトされる。そうやって集めた貴重な情報は、ごく限られた人間以外の目に触れられる事無く、トップシークレットとして国家機密保管庫で半永久的に日の目を見なくなって忘れられる事が少なくない。それほどの資料が、民間人であるアンドリューの手に渡ったのには、当然それなりの理由がある。担当官であるマギーとアンドリューが親しい間柄にあるから・・それだけではなく、アンドリューの実兄が隕石落下の犠牲者の一人となった・・・それだけでもなく、「危険性の極めて低い彗星」として分類していながら、実はその彗星が地上に到達し得る物質で構成されたものであったという稀なケースであったことに驚き、是非ともその実態を把握しておきたい。NASAのミスとして公表されることの無いように対策を講じる為にも。嫌な話だが、犠牲者の親族から訴えられる前に謝罪し、「今は沈黙を守らなければパニックが起き関係機関の存続が難しくなる。二度とこのような悲しい事が起きないようにする。その為にも研究を継続しなければならない。それにはご遺族の皆様のご理解と協力が欠かせない」と充分な和解金を副えて沈黙を守らせよう。そう考えた。科学者として、上の処置は分からないでは無い。だが、人としてマギーの心は、そのままでは耐えられなかった。親しい間柄であるアンドリューの実兄、ジョン・ランドンが命を落とし、その一人娘に取り返しのつかない悲しみを負わせた。アンドリューは「君の罪では無い」と言ってくれたが、どうにかできるなら、何とかして欲しいとアンドリューに極秘資料のコピーを預けたのだ。実は、マギー・ジョーンズ、日本に留学中、なんと!チャーリーのお店の常連だったのだ。つまり、自分に理解不能な事が起きても決して「あり得ない!」などと言わない人だったのです!今日の好きな曲は、Sweet Maxine/DoobieBrothers です。これは、ロックの分かる話せる女の子に恋をした男の歌です。For example,like this.あの子は生まれつきこころのなかに素敵なものを持っているんだわかってるんだ ロックンロールが! humanjukebox1958,thanks for up!いつも応援ポチを有難うございます。今日もよろしくお願いします♪
2017.05.11
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ある夏の日に 調査報告書2アンドリューは、立ち上がった少佐に「まあ、落ち着いて僕の話を聞いてくれないか、マイク,ここへ来てくれ」二人掛けのテーブルの空いているイスを指示してアンドリューが言った。軽く息をついてマイクが受け取りやすいように、A4のコピーを二つ折りしてテーブルの上に置いた。「見ていいんだな?」「ああ、たのむ・・・」マイケル・ミラー少佐は、目を凝らして一読すると「アンドリュー、これはミスか?それともふざけているのか?」少佐はやや目つき鋭く言い放った。「なぜそう思う?」君の言いたいことは分かっている、そう言いたげにアンドリューが問い返した。「日付がおかしいだろ、2週間も先の日付だぞ。一体何の冗談だ」「いや、それは僕の友人が作成した報告書のコピーだ。彼女は真面目な科学者だし、何よりその書類の提出先はジョークの通じるセクションじゃない。分かっているとは思うが、今から、ここでその名前を口にしないでもらいたい」マイクは、ずっとアンドリューを直視していたが、ここで目線を落とし、首を振った。親友のアンドリューには分かる。マイクの性格からして想像がつくのだ。相手が自分でなければ、とっくに胸倉を掴む、そのくらいの行為には及んでいたことだろう。マイクは我慢してくれている。分かっていながらアンドリューは、その先を続けなければならない。「マイク、これも見てくれ・・・たのむ」他の者なら「ふざけるな!」と言い捨てて席を立つところだが、相手が親友のアンドリューだけに「仕方ない」という顔をして、もう一枚のコピーを受け取った。それは新聞の切り抜きをコピーしたものだった。日付は先程の報告書のものより、4日前になっている。見出しはこうだ。『隕石落下!多摩川を直撃!』今日の好きな曲は、Paul McCartney & Wings - Band On The Run です。Eagle Rockさん、Upして頂き、有難うございました。いつも応援ポチを有難うございます。今日もよろしくお願いします♪
2017.04.30
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ある夏の日に 調査報告書ヨーコが振り返ると、アンドリューがポケットから折りたたまれた紙を取り出しているところだった。「NASAの調査報告書だ。君らにも渡してあるはずだね・・・」折りたたまれたままの紙を受け取り、開くヨーコの目が点になる。覗き込んでいた勇一の目が僅かに曇る。英文だから、翻訳はヨーコに任せるが、最後のページにサインがしてあり、何とか「Maggie」と読み取れる。そんなことより!はっとして顔を上げると、隣でヨーコも同じようにアンドリューを見上げ大きく目を見開いていた。「ということは!」「勇一が想像したこと、僕の記憶と違う点は無いと思うよ」ヨーコの手が強く勇一の左手を掴み、二人は顔を見合わせる!なるべくなら、聞かれたくないミラー少佐の耳に届かないようにと声を落としたヨーコが、「アンドリュー叔父さんと私たち、同じタイミングであっちから」「こっちに移動した!ってことか・・・」「そうとしか考えられないわ・・・」「・・・奇跡的だ・・・」ヨーコも大きく頷いた。「何のことだ?アンドリュー!さっきNASAがどうとか言ってたが、民間人に教えていい情報なのか?」職業柄、無理もないことだが、ミラー少佐は眉間にしわを寄せて友人であるアンドリューを問い詰めた。今日の好きな曲は、The Beatles - Please Mr. Postmanです!Upして頂いた ea33414 さま、有難うございました♪ いつも応援ポチを有難うございます。今日もよろしくお願いします♪
2017.04.18
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ある夏の日に 許される作り話あれから、ヨーコはミラー夫妻と叔父であるアンドリューに、ダディのことで聞いて欲しい事がある、そう言っていつになく顔を曇らせた。そういうことなら、と夫妻は彼らの家のリビングルームに戻ろう「そのほうが落ち着いて話ができるだろう」と気を利かせてくれた。アンドリューのランチと、まだ足りてなさそうな勇一と少佐の為に買い足した、チリドッグとオレンジジュースの入った紙袋をテーブルの上に置いたハンナさんは、いつの間にか眠っていたジョシュアを抱き上げると、「悪いけど、勝手に食べてて」 そう小声で言って部屋の奥に向かった。子供部屋でジョシュアをちゃんと寝かしつけるのだろう。「実は私、父の事が心配で・・・」(いきなり、そんな風に切り出して大丈夫なのか?)「私の知り合いに占星術に凝ってる人がいて、先週、興味本位で観てもらったら、告げられたの・・・」(なるほど、そう来たか!信憑性を疑われるかも知れないが、パラレルワールドの話を持ち出すより、ずっとましだな、うん・・え?ヨーコ、俺を振り返ってどうする?その目は何かを俺に訴えている?・・・そうか!)勇一は、ヨーコの隣に来て、寄り添うように座り直すと口を開いた。「そうなんです。僕も一緒に観てもらったんだけど、本当によく当たるんですよ彼女・・・」「彼女って、その占星術師のことかい?」「そう・・・」ヨーコに目を向けたアンドリューに大きく頷いてみせるヨーコ。勇一は、彼なりにけんめいに頭を働かせて助け舟を出した。「彼女の話によると、地球に落ちてくる彗星は意外なほど多いけど、大気圏突入の摩擦熱で融けてしまい、地表に到達するのはほんの僅かだと・・・ところが、近いうちに、危機管理を必要とするほどの彗星が地表に到達する可能性があって・・・」そこまで話したとき、勇一は手の甲に温かみを感じた。ヨーコが手を彼の左手に重ねたのだ。「ありがとう、勇一。ここからは私が話す。父のことだから、勇一は私の話しに足りないことがないか、聴いててくれる?」それからのヨーコの話は作り話の中に事実を含ませたものだったが、パラレルワールドの中で得た情報などと言って、信じる者などいるはずもなく、それでも「嘘は罪」などという神仏がいるなら、俺はその信仰を信じない。勇一は、重ねられた手を裏返し、指を絡ませ少しだけ力を入れた。ヨーコが目を合わせる。勇一は彼の想いを送った。「大丈夫!何も間違ってはいないよ、罪の意識も要らない」目は口程に物を言う。安心と感激の入り交じった笑みを浮かべてヨーコは勇一にキスをした。今日の好きな曲は、ビートルズでAnd I Love Her です!Upして頂いた Pop Rock Art Showcase さん、有難うございます。 いつも応援ポチを有難うございます。今日もよろしくお願いします♪
2017.04.05
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※突然ですが、今日は童話にしてみました。 SF 大人の童話 「SF神様の国」人がいる。いい人は、感じがいいので神様は、とても大事にしてあげました。悪い人は、悪い事ばかりするので、神様は怒ってしまい、悪い人を魔法の消しゴムで、どんどん消していきました。最後の一人を半分消した時、悪い人は神様に命乞いをしました。「神様、もう悪いことはしませんから、どうか私を消してしまわないでください」半分消えかけていた悪い人は、涙を流してお願いしました。すると神様は、可哀想になって「本当にもう悪いことしないか?」と言いました。悪い人は、嘘をつくのが上手なので「もう、二度と悪いことはいたしません」と約束しました。神様は、悪い人の言葉を信じて「では、一度だけ信じよう」と言って消えた半分をいい人に似せて描いてあげました。悪い人は、何度もお礼を言いながら、去って行きました。そして神様は、いい気分になって帰って行きました。それから悪い人は、神様に描いてもらった、いい人に似た半分を見せるようにして、いい人の仲間にしてもらいました。けれど、どうしても悪い心が起きてしまい、いい人をだましてはお金を集め、働きもせずにいい暮らしをしていました。でも、ある日、いい人をだましているところを神様に見つかってしまいました。とうとう神様は、かんかんに怒ってしまい、悪い人を消してしまったのです。「これで残ったのはいい人だけになったから安心だ」それから1年後、神様が再び町に下りてみると、いい人の中に、悪いことをする人がいました。神様は、その人を捕まえて訊ねました。「お前はいい人だったのに、どうしてそんな悪いことをするのか」すると悪いことをする「いい人」が言いました。「私は昔、悪い人を助けてあげたのに、悪い人にだまされて貧乏になりました。だから私も悪い人の真似をして、いい人をだましていい暮らしをすることにしたのです。私は悪くありません。私をだました悪い人が悪いのです」すると神様は、たいそうお怒りになり、いい人も全部消してしまいました。人間がいなくなった神様の国は、たいそう穏やかで良い国になりましたとさ。 おしまい。今日の好きな曲は、ジャーニー/セパレイト・ウェイズです。(和訳付き)古さを感じさせない、新鮮なナンバーで、WBCのテーマ曲にも使われているくらい!Upして頂いた洋楽専門チャンネルさん、ありがとうございました。いつも応援ポチを有難うございます。今日もよろしくお願いします♪
2017.03.29
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ある夏の日に 邂逅ミラー夫妻は素直に邂逅を喜び、ヨーコたちを快く受け入れてくれ、横須賀ベース内のフードコートで歓待してくれた。久し振りだけど、相変わらず安くてボリューム満点!勇一は、『セントルイス・バーベキュー・リブ』とオニオン、ピクルスのせ放題の『ネイサンズ・チリ・チーズ・ドッグ』ドリンクは『バドワイザー』を、さも美味そうに口に運んでいる。どれも驚くほど安価なのだが、すべてミラー夫妻がご馳走してくれるというのでは、「安い!」を連発するのは失礼かと、満足している素直な気持ちを顔に表しつつ頂いている。ヨーコは、と顔を見て勇一は彼女の胸の内を察し、少しばかり自分を恥じた。(ごめんよヨーコ、正直言って一時的にだけど、お前のダディのこと忘れてた・・・食い意地はってるからなオレ・・・)俺の為に通訳をしてくれていたが、途切れてしまった。さすがにミラー夫人はヨーコの変化に気づいたみたいだ・・・「ヨーコさん、どうかした?」ミラー少佐もバドワイザーを一口飲むと、妻に同意して・・・「そうだね、さっきから落ち着かない様子だが・・・」ヨーコも自分の気持ちを隠せなくなったようで、食べかけのチリ・ドッグをトレイに置いて言う・・・「ごめんなさい、実は私、ダディを探して・・・」そこまで言ったとき、不意に男性の声がミラー少佐の名前を呼んだ。「Hey, Michael」ミラー少佐が嬉しそうに立ち上がり、相手の名前を呼ぼうとしたのをヨーコの声が遮った!「Uncle Andrew?」その場にいた全員の目が点になった。振り向いたアンドリューも驚いた。「ヨーコ、勇一も、君たちも来てたのかい?」とっさにヨーコがアンドリューにしがみついた。「おいおい、どうした?この間会ったばかりだろ」それでもアンドリューは愛しそうに、彼のその大きな手のひらで優しく姪の頭を撫でてやりながら、勇一を見た。勇一は、口ほどにものを言う目に気持ちを込めて見せた。(どうぞ、優しくしてあげてください)アンドリューに会えたことで、『これでダディにもきっとまた会える』ヨーコは、そんな風に感じているのだろう。勇一はそう思ったのだ。今日の好きな曲は、Neil Young₋Old Manです。アコギが声が、どっちも好き!kjkj74さん、Upして頂き、有難うございました。いつも応援ポチを有難うございます。今日もよろしくお願いします♪
2017.03.16
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横須賀 ヴェルニー公園港に沿って続くヴェルニー公園から眺める停泊中の海上自衛隊や米海軍の艦船。 撮影 2008年 ある夏の日に 父さんの旧友「え、」「だから、盛り上がってるみたいねって・・・いいからシャワー」勇一は、ハンナさんを振り返った。彼女は優しく笑って言った。「遠慮する事は無いのよ、あなたはジョシュアの恩人なんだから、・・・」そう言ってハンナは彼女のジーンズとマイケルのティシャツを手渡してくれた。勇一の姿がバスルームに消えると、ハンナがヨーコをリビングに案内した。「コーラでいいかしら?・・・あなたの名前は・・・」「ヨーコ、ヨーコ・ランドンです」「ランドン?・・・」キッチンから戻ったハンナがタンブラーグラスをヨーコの目の前に置いた。「良く冷えてて、美味しい!」ヨーコが、テーブルの上にグラスを置くのを待ってたようにハンナが口を開いた。「ねえ、ヨーコ。さっきランドンって言ったわよねファミリーネーム。それってもしかして昔、この基地にいたランドン大尉と何か関係があるのじゃないかしら?」ヨーコの目が大きく開かれた!ごく自然なリアクションといえる。「ええ、そうです!父のジョン・ランドンは母と結婚する前は横須賀ベースにいて、転属で本国に帰って除隊してまた来日した時に母と結婚しました」オウ・・・声にならない声を上げてハンナはヨーコの隣に腰をおろすとヨーコをハグした。「ごめんなさい、訳があるの。あなたのお父さんは私の夫の上官で、休みの日には良く一緒に遊んだものよ。私も一緒にね・・・これで主人の疑いは晴れたってことね・・主人は軍人だから、プライベートビーチから日本の市民が入って来たことに不審を抱いていて・・あ、帰ってきたみたい、驚くわよ彼!フフフ・・」フフフのあと、ハンナはヨーコを見やり指先を口に当てて見せた。ハンナはジョシュアを抱き上げ、顔中にキスをするとマイケルにヨーコを紹介した。「マイケル、この女性はヨーコ・ランドンよ。やっぱり驚くわよね!そうよ、あのジョン・ランドン大尉の娘さんだったの!」オゥ・マイ・・・そう言ってマイケルは両手で頭を抱えていながら大きく目を見開いてヨーコを見つめた。歩み寄ったのはヨーコの方で、しかも両手を広げて「こんにちは。ミスター・ミラー」マイケル・ミラー少佐は相好を崩してヨーコを抱きしめた。ヨーコがそろそろ息苦しさを感じ始めたころ、やっとマイケルが腕を解いた。「信じられない!不審者かと思っていた女の子が、なんとあのジョン・ランドン大尉の娘さんだったとは・・・いや、許して欲しい。とんだ勘違いをしてしまったよ」「いえ、あんな所から現れたんですもの。誰でも不審に思います」「そうだね、随分と流されたものだ。まあ、しかし、ランドン大尉の娘さんなら大歓迎だよ!」ヨーコが上半身を傾けてマイケルの後ろを見ると、勇一がバスタオルを首に巻いて立っていて、全員の視線を集めた。「何だか、盛り上がっているみたいだね・・・」今日の好きな曲は、ジョージ・ハリスンで、「明日への願い」です。僕は彼の声に透明感を感じます。Upして頂いたMrMoonligttさん、ありがとうございます♪いつも応援ポチを有難うございます。今日もよろしくお願いします♪
2017.03.07
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ある夏の日に 男のくせにお喋り この家の主人、ミラー少佐は、片言の日本語しか話せないが、奥様のハンナさんの日本語は、とても上手なので勇一は、ほっとした。頼みのヨーコが、今シャワーを使っている最中であり、時々浦和の友人宅に呼ばれて楽しんでいたホームパーティと違い、英語の得意なホストが不在だから、落ち着けなかったのだ。彼らの愛息ジョシュアは、海水を飲んでしまっているので「一応念のため」と、父親に抱えられて医務室へ行っている。「あなたも、私のジーンズで我慢してね。主人のは合わないと思うの」「我慢なんてとんでもない。ご主人はすごく背が高いから、ジーンズをお借りしても、サムライが松の廊下を歩く・・・あ、」「それ、忠臣蔵ね!」「え!忠臣蔵をご存知なんですか!?」「あれ、面白くて憶えてる。日本の文化、興味あるから・・・」「いやー、驚きました。テキサスのケントの次に驚きましたよ!」(また、この人に関わりない話を・・・俺の悪い癖だ・・・)「テキサスのケント?・・・お友達?」「ええ、髪はブロンドで、瞳は綺麗なブルーです。紹介されて第一声が『お前、寿司好きか?』って流暢な日本語で・・・」「それで、なんて答えたの?」ハンナさん、お話し好きのようで、ソファの上で上半身前のめり!「好きに決まってるだろ、日本人なんだからって・・・」「そうよね!納得したんでしょ彼も・・・」「僕もそう思ったんだけど、ケント君は強者でして、『ふーん、それで?ネタは何が好きなんだよ?』って聞き返されちゃいまして」「オー、本当に強者ね!で、勇一の答えは?」「『たこ』って・・ホントに好きなんで・・・でも、ケントの奴!『この、タコ!お前それでも日本人か!ゲソだろ江戸っ子は!』唖然としたけど、そのままじゃ何か悔しくて、江戸っ子ってお前はアメリカ人だろ!って・・・」「ケント君て、本当に面白いのねぇ・・・それから?」勇一もお喋りなもので・・・つられてしまった。「『仕方ねえだろ、東京生まれの東京育ちで、おまけに親が日本の学校に入れたから、友達もみんな日本人だったんだ。今じゃ英語の方があぶねえんだよ!文句あんのかよ!』ってキレやがって・・・あ、すいません・・・汚い言葉を・・・」ついにハンナさん、吹き出して笑う!ヒーヒー言ってる・・・「たまんないでしょ?僕だってあん時、開いた口が塞がらなかったんですから・・・」何でこんな話を始めたんだ、俺?・・・・・背中がヒンヤリしたようで、振り返ると、ヨーコが立っていた。「何だか盛り上がっているみたいね・・・」こんな曲も好きなんですよ^^今日の好きな曲は、バーブラ・ストライサンドの「追憶」です。映画も良かった。観た方なら、既に胸ときめいてませんか?極イケメンも観れるし・・・余計な解説やめときましょうね。MrMoonligttさま、Upして頂き、感謝致します。♪いつも応援ポチを有難うございます。今日もよろしくお願いします♪
2017.02.28
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ある夏の日に ここは・・・!大きく目を見開き、立ち止まった勇一の顔を覗いてヨーコが言う。「ね、そうでしょ?やっぱりチャーリーの予言が・・・」勇一は、ヨーコが何を言いたいのか分かっていたけれど、終わるまで待ってはいられなかった。「違うんだ、俺が言いたいのは・・・いや、ヨーコが言おうとした事も分かる。けど、俺が驚いたのはもう一つの事なんだよ」「なに、もう一つの事って?」多少の不満を声に乗せてヨーコが言い、勇一は、ゴメンと言う替わりにヨーコの肩を引き寄せた。「この場所なんだよ、俺が驚いたのは・・・ヨーコのお父さんも確かここに居たんじゃなかった?若い頃・・・」ヨーコは、眉間にしわをよせていて、勇一の顔と目の前の風景とを2回ほど往復した。「ちょっと待って、父がいたのはアメリカ海軍の横須賀基地よ、ここは・・・小さな海水浴場だわ」勇一は、頭を横に振って言った。「ここは、そのアメリカ海軍横須賀基地のプライベートビーチだよ、小さいのは仕方ないさ。ヨーコは来たことないのかい?」「私が父に連れられて基地に行ったのは、まだ子供の頃だった・・この浜辺に見覚えはないわ」と勇一を振り返る。「この坂を登り切ったら、思い出すさ、俺も久し振りだけど」今度はヨーコが頭を横に振った。「米軍基地のプライベートビーチだったら、日本人が簡単に入れる訳がないよ、勇一は、どうやって入ったっていうの?」「うん、ライブハウスで知り合いになった友達のお父さんの任務地がここでね。『日本のビーフは高値すぎるから食べれない』からって、『親父がバーベキューやるって言ってるから行かないか』と、その友達が誘ってくれた。それから何度か来て、夏にはここで泳いだこともあるんだ・・・」勇一につられてビーチを振り返り、また前を向いて歩き始めると、そこはまるでアメリカだった!手入れの行き届いた緑の芝生が広く、真ん中辺りに簡素な戸建ての住宅が見える。ここらは、一帯が似たような作りで、隣の家と充分過ぎる間隔を持っている。おまけに近くでラジコンヘリを操っている子供は明らかに白人だ。つい、日本にいることを忘れてしまう。「ほんと!ここは横須賀ベースだわ!」ヨーコのこの一言、先ほど勇一に子どもを助けられた父親の耳に入っていた。シャワーを浴びて、洗いざらしの大きめのジーンズにTシャツを借りてくつろいだ時に、問われることになるのだ。今日の好きな曲は、エリッククラプトンで「いとしのレイラ」です。Upして頂いた、MrMoonligttさま、本当にありがとうございます。いつも応援ポチを有難うございます。今日もよろしくお願いします♪
2017.02.16
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☆前回のあらすじ新たなパラレルワールドに到着したヨーコと勇一は、空中に投げ出された。下を向いた勇一が、心の準備を整えてヨーコを見る と、彼女はすっかり勇一頼みである。何はともあれと勇一にしがみついてくる。今は喜んでいる場合じゃない。彼はヨーコに必要最低限の指示を与えることにした。「下は海だ、息を吸って止めろ!」何とか無事着水した2人は、今浮上中。温かく見守って下さいね。ある夏の日に パーフェクトな移動!先を争うように海面を目指して上昇する気泡を追って足で水を蹴る勇一。ほんとは両手も使いたいところだが、ヨーコの腰に手を廻してないと彼女が怖がるので仕方ない。やがてザバッとばかり海面に頭を出し、空いてる手のひらで顔をつるりと撫でるのと息を吐いて吸う、これは自然にほぼ同時に行う。ヨーコはいくらか海水を飲んだようでせき込んでいる。素早く後ろに回り込み脇の下に両手を入れて支え、立ち泳ぎを止めても沈まない体制を整える。こうすれば、怯えた要救助者にしがみつかれ救助者が溺れてしまうという悲劇は起きない。勇一の耳に、異常な声と音が届いた。やっと落ち着いたヨーコにも聞こえたらしく、勇一を見る。(案外、近いか・・・)立ち泳ぎしながら身体を回転させる。いた!・・溺れてる!勇一が気付いたのとほぼ同時に、前方から複数の大きな叫び声が沸き起こった。誰かが海に飛び込んだようだが、どう見ても勇一の方が近い。勇一は、待っててと言い終わらないうちにヨーコに背を向け、水を切るように泳ぎだした。15メートルくらいだろうか、一気に泳ぎつける距離だった。要救助者は白人の男の子だった。まだ小学校低学年くらいなので余裕だと思ったが、救助訓練で習ったとおり実践した。うまい具合に体勢を確保できたので、後ろ向きに背泳の要領で泳ぎ始めると足が届く所まで来ていて、思わず溜め息が出た。「Ethan!Ethan!are you okay?」(Ethan ← 読みはイーサン)どうやら彼の父親らしい、勇一からもぎ取るように両手に抱いて息子の名前を呼び続ける。すると後から追いついた大勢の中の1人が、ドクターらしく(白人だな皆・・・ここは外国か?)「大丈夫だ、心配ない。呼吸も脈も正常だよ」(以降日本語に自動翻訳、とします)「ありがとう、ドク!」「礼を言うなら、そこの日本人に言うべきじゃないか」父親は、駆けつけてきた男の子の母親らしい女性に息子を預けると振り返りざま、勇一の手を握りしめながら何度も礼の言葉を繰り返した。「それにしても、君たちは一体どこからやって来たんだい?」ただ困惑するばかりの勇一の前にヨーコが進み出ると流暢な英語で言ったのである。「私たち、向こうの海岸で遊んでたら波をかぶって、この際泳いじゃえ!って、そしたらここまで来てしまって。そして子供が溺れそうになってるのを彼が見つけたんです・・・」と、ヨーコは向こうの海岸と勇一を指差して、悪気のない作り話をでっち上げた。首をかしげながらも、そこは息子を助けてくれた恩人のことである母親が助け舟を出してくれた。「まあ、とにかくシャワーを浴びて、着てるものを乾かしてあげないと、そうでしょダーリン、さあ2人とも上がってちょうだい」その直後、助かった子供と勇一とヨーコは、その場にいた全員の拍手と賛辞に迎えられた。まるで英雄扱いである。歓呼に応えながら歩く勇一の手を引いてヨーコが言った。「ねえ!これってチャーリーが言ってた、『君が誰かを救ったとしたら』ってことじゃない!?・・・順番が違うけど・・・」勇一の目が大きく開かれた!今日の好きな曲は、Crosby Stills Nash & Young-Woodstock です。高校生の頃から大好きです。GREAT TUNES!,thanks for up!いつも応援ポチを有難うございます。今日もよろしくお願いします♪
2017.02.04
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今日は「ある夏の日に」の主人公の2人、ヨーコと勇一が出逢い、暮らした舞台。渋谷区笹塚のスナップ写真をご覧下さい。1、甲州街道は片側4車線、上を首都高速が通っています。その沿線、京王線笹塚駅前の交差点。ここを何度渡ったことか!2、手前が京王線、奥が都営新宿線かな?3、歩道橋から入っていける京王商店ビル。パスタの美味しいお店があった。(解体の為、現在はシャッター閉めてある)4、笹塚駅前の新京王重機ビル(伊勢丹21ビルから撮る。近すぎて最上階までは撮れなかった・・・)このビル、ヨーコたちの時代には無かった!5、「代一元」小さな中華屋さんだけど、とても美味しかった。ヨーコと勇一が昔からよく足を運んだお店。6、ここも結構通った、そば処「平野屋」さん、蕎麦はもちろん、カレーも美味かった!残念ながら閉店してしまったけど、建物は昔のまま。今日の好きな曲は、ビリージョエルの「ストレンジャー」です。鬱病を克服した彼の曲には、何度も励まされました。僕にとって珠玉の名曲です!MrMoonligttさま、Upして下さり、有難うございます。いつも応援ポチを有難うございます。今日もよろしくお願いします♪
2017.02.01
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※お断り。今日、もしかしたら明日も留守にするかもしれません。ちょっと別府まで行ってきます。m(_ _)mある夏の日に どこかの海?ピキっと、何かが軋む音が走り抜けた。ヨーコがピクっと身体を震わせた。今のは音じゃないな、例によって時空の変化の兆しを俺たちの五感が感知したのではないか?次の瞬間、勇一の想念など吹き飛ばしてしまうほどの爆発的な空間の膨張が五感を貫いたように感じた!2人の目の前で、大地と大気が、いや、世界そのものがズレたようだ。感覚がそうとらえた。変化はまだ終わらない。スクリーンのような世界に裂け目が現れると、その向こうに海が見えた?勇一とヨーコは裂け目から放り出された。眼下にはやはり海が広がっている!勇一は、ヨーコを見た。何とか勇一にしがみついてはいるが、判断力を失くした目が泳いでいる。「ヨーコ!下は海だ!息を吸って止めろ!」そして音と、強い抵抗が落下を最小限に受け止め、浮上を開始した。勇一と手をつないで海面を見上げるヨーコに、大きな動揺は見られない・・・しかし、2人はこのあと共通した戸惑いを感じることになる。だが、その戸惑いは解決すると同時に2人にとって幸運をもたらす、歓迎すべきことだった。今日の好きな曲は・・・スピッツ/ロビンソン です。久しぶりに聴いてみたくなって・・・いかがですか?Spitzclips さん、UPしていただいて有難うございました。いつも応援ポチを有難うございます。今日もよろしくお願いします♪
2017.01.21
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前回までのあらすじ今から1ヶ月前、7月3日。東京都と神奈川県の境を流れる多摩川に彗星が1つ燃え尽きる事無く衝突した。それは川の水と土砂をえぐり、周囲にまき散らした。深さ約5m、半径30m程のクレーターを残し。死者3人、負傷者13人という被害をもたらした。天災だから諦めるしかないと、遺族たちは悔し涙を流した。 しかし、その彗星が大気圏突入時の摩擦熱に耐えて地上に衝突する可能性を秘めていたとしたら、事前に詳しく観測が行われていれば回避出来た、少なくともその可能性はあった。それでも諦めることが出来たのだろうか!? ある夏の日に 時を越えて勇一は、アンドリューを振り返った。ヨーコの叔父は手にA4サイズの茶封筒を持っている。「ぼくらが過去に行けたなら、NASAに勤める貴方の友人に会って、その茶封筒を渡すって事でしょうか?」勇一が、アンドリューの手の中にある茶封筒を指差して言った。「そう、この中にデータが入っている。例の衝突した隕石に関する詳細なデータを記録したUSBとその中身をプリントアウトしたA4サイズのコピー用紙を同封してある。それは君たちの分だ。ざっと目を通しておいた方がいいと思ってね」「有難うございます。決して無駄にはしません」勇一は、強い感謝の気持ちを込めて茶封筒を受け取った。そしてアンドリューが付箋紙を貼ってくれたページを読んだ。今の天体観測及び分析技術によれば、殆ど氷の彗星か若しくは金属鉄や塵が核の中心にあり、周りを塵や有機物質を含む氷に覆われた彗星であるか・・・「確かに、この調査結果報告書を突き付ければNASAも無視はできませんよね」「気持は分かる。僕にとっても大事な兄にまた会えるのだから、興奮してる、今までになく・・・だが彼女なら気負いは要らない。むしろ冷静に依頼するという姿勢が大事だ。マギーは若いが優秀な科学者だからね」「マギー・・・アンドリューさんの友人って女性なんですか?」アンドリューは勇一の言葉に女性に対する偏見を感じ取った。例え勇一に悪気はなくても、友人に対して失礼だし、そんな気持ちのままじゃ誰も力を貸してはくれない。小刻みに首を振った。僅かに頭をもたげた失望を払いのけた、大人だ。「勇一、ぼくが君の若さや仕事について、何か不安を抱いたと、そう受け取れる態度を見せた事があったかい?」「え!・・・?」勇一は、まだ未熟だったとあとで思い知る。「はっきり言うよ、別に責めてるわけじゃない。君の女性に対する、そして年齢にもかな、とにかくそういう偏見を持ってると思われても仕方のない態度は、アメリカンには受け入れられないな」勇一の身体が硬直した。恥かしいのだ。たまらなく・・・「ごめんなさい!なんて奴だ俺って!・・・」親友の前でしか見せたことのない涙が頬を伝って落ちた。彼は短気だが涙もろい。 心の底から、一切の他意なく自らを省みた時に流す涙は、人の心の奥底までも洗い流してくれる。 そしてそれは、第三の目を覚醒する最も優れた起爆剤となるのだ。勇一は、我知らず目を閉じた。!頭の中で眩い光を伴った数字が並んでいる・・・「年数、月、日付か?・・・!」あれはきっと!!「インパクトから2週間前で間に合う?」目を開けると同時に、勇一は、叫ぶようにアンドリューに問いかけた。打てば響くようにアンドリューが答える。「多分、今の君なら大丈夫だ!やれるさ!」勇一は、大きく頷いた。頭の中で跳ぶ時間を叩くようにセットすると、ヨーコに向けて手を伸ばす。駆け寄るヨーコの手を掴み、アンドリューを振り返る。「行ってきます!」「お、おう、しっかり!・・・で、何処に?・・・」勇一に抱きしめられると同時に、ヨーコは気を失った。見届けた勇一も、時の流れの渦に溶け込んで行った。今日の好きな曲は、The Beatles - Get Backです!Andrew, I will get back with her. Ph4tE92, Thank you! for up this song.いつも応援を有難うございます。 今回もよろしくお願いします ID:m8drcd
2017.01.11
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平成29年の年頭にあたり、今まできちんと説明できていなかった、主な登場人物を紹介致します。*主人公 小塚 勇一 (こづか ゆういち) レンタルスタジオ勤務。現在休業中。*勇一の恋人 洋子・Randon ( ようこ・ランドン ) モデル 現在休業中。 *勇一の親友 大田 勇 (おおた いさむ )漁業。 ※ヨーコの家族◯祖父 オリビエ・ランドンOlivie・Randon フランス出身アメリカへ移住 故人◯祖母 ソフィー・ランドン Sophie・Randon フランス出身アメリカへ移住 故人◯父;ジョン・ランドン John・Randon アメリカ生まれ 海軍将校として来日。 帰国後除隊。再来日し、明子と結婚。貿易業を営む。◯母;明子・ランドン Akiko Randon 日本人。ジョンが在日中知り合う。 再来日したジョンと結婚。故人 ◯叔父(父親の弟):アンドリュー・ランドン Andrew Randon アメリカ生まれ。両親の死後兄のいる 日本へ移住。兄の貿易業を手伝い今に至る。 いつも応援ポチを有難うございます。 今日もよろしくお願いします♪
2017.01.04
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身内のことで恐縮ですが、母が手の届かないところへ行ってしまいましたので、年賀のコメントは自粛させて頂きます。しかしながら、母は暗いのが嫌いな人でしたので、勝手ではありますが、母の好きな弦楽の良い音を聴いていただければと思います。 「さくら」素晴らしい音色、素晴らしい演奏をお聴きください。Kasumi Watanabe さま、素晴らしい演奏を有難うございました。
2016.12.31
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ある夏の日に Hope-16 ヨーコの願いヨーコと叔父、アンドリューとの再会は問題なく実現した。いつもと違うのは、お互いが、同じ人に再び会いたいという強い想いを抱えているからだろう。感動的なハグだった。叔父に促されソファに腰を下ろす前に、ヨーコは父の机の上にあった写真、ヨーコと父ジョンの二人を写したものだが、それを手に取り胸に抱きかかえて叔父の前に座った。「また、二人の写真を撮ろう」アンドリューは、ヨーコが胸に抱いた写真を指差して言った。ヨーコが大きく頷いた。「叔父さんも一緒に、ですよ」と勇一が言った。「ありがとう、いや、君も一緒に、みんなで一緒にだ」ヨーコが勇一をふり返って微笑んだ。「よし!作戦を詳しく説明するから、聞いてくれ」先ずは、東急田園都市線、二子玉川駅そばの多摩川に落下した隕石について、あの隕石については、NASAが地球に衝突する恐れのある彗星として認識されてはいたが、発見から間も無いなど、観測期間が短くデータも少なかった。その少ないデータからではあるが、他の一般的な彗星と組成要素は変わりなく岩石質および有機質の塵を含む氷の塊りであると観察された。故に地球に衝突しても、大気圏突入の際の摩擦熱によって溶けてしまうので危険性は無いと判断。つまり放置されたに等しい。しかし、あの彗星は溶けなかった。非常に稀なことに、中心部に強固な岩石を含んでいて、しかも氷に守られていた為、摩擦熱に耐えて地上に到達した・・・「そんな!それじゃあNASAが判断ミスしなければダディは助かったってこと?」ヨーコが、鋭く問う眼差しをアンドリューに向けた。「それなんだよヨーコ、そこが大事なんだよ。いいかい?」ヨーコは無言で頷くことで、アンドリューに話の先を促した。「NASAは、あの隕石の調査をすでに終えている。彗星として確認し、その組成を岩石質および有機質の塵を含む氷の塊り、と判断したデータと実際に落下した痕跡を調べたデータを突き合せれば、間違った判断を下した結果が、悲劇を引き起こしたと露見する・・・」「それが、原因が解っていれば、衝突は避けられなくても、あの辺りの住民に避難勧告をする事が出来たと・・・」勇一は、自分の理解が正しいのか知りたくて確認した。「そう、そして調査したNASAのチームに、僕の友人がいる」「え!」ヨーコと勇一は、同時に顔を見合わせた!今日の好きな曲は、John Lennon-"Happy Xmas (War is Over)"です。Peace will come true if people in all countries wish. And that was a wish of John Lennon.(平和は、全ての国の人々が望めば叶う。それは、ジョンレノンの願いだった。)Love&Peace To Everbody:-,Thank you for up!いつも応援ポチを有難うございます。今日もよろしくお願いします♪ ※おことわり。この小説では、「過去を変えると、未来も変えてしまう。所謂、タイムパラドックスなる時間的矛盾」は考慮しない。そういう考え方に立脚していますことをご承知おき下さい。 ―作者、マトリックスA―
2016.12.24
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前回までのあらすじヨーコと勇一が顔を見合わせて疑問符でいっぱいの顔を見せるのは、今日これで3度目になるが、驚くのはまだ早い。そんな展開が待ち受けているのだ。知らないのは二人だけではない。知れば東京は、パニックに襲われる。いや東京だけでは済まないかも知れない。ヨーコの叔父さんからの手紙の中身とは!? ある夏の日に Hope-15 叔父からの手紙ヨーコは、叔父であるアンドリュー・ランドンからの手紙を読み始めた。手紙の内容を知りたくてしょうがない勇一だが、ヨーコの隣に居ながら、手紙を覗こうともしない。アンドリューが、日本語を話せても読み書きは出来ないと知っているからだ。「ヨーコ、叔父さんは何と?」丁度その時、ヨーコは最後の一行を読み終えるところだった。勇一は、ヨーコの変化に気付いた。手紙が小刻みに震えている。それは、ヨーコの指先から伝わったものだと分かった。名前を呼んでみたが応答はない。肩に手を置いてみた。ヨーコが、勇一を見上げた。その目には、何かを問う強い想いが宿っていた。そして言葉になる。「勇一、私たちにできるかしら?」そう言って勇一に手紙を見せた。「俺に英文を読めと・・・」ヨーコが、勇一の言葉をさえぎり手紙の終わりの一行を指で示した。”If you could go in the past,you can save your father”なるほど、このくらいなら、と勇一は、黙読した後もう一度声に出して読んだ。チャーリーにも聞かせようと考えたからだ。追伸文も読んだ。「早く連絡しないとな・・・君のお父さんを救うというのは、多分隕石の落下から救えというのだろうけど、君の叔父さんに会えばその手段が分かるというわけか?」ヨーコは大きく頷いた。「そう書いてある。でも、例えその手段が正しいとしても問題は、都合よく間に合う過去に行けるのかという事よね・・・」「現代科学では不可能だが、奇跡の力なら、行けるかも知れない」チャーリーがそう言い、二人が振り向いた。「君が誰かを救ったとしたら・・・」チャーリーが勇一にそう言った。勇一は、「あ!」と言い、ヨーコは「それだわ!勇一なら奇跡を起こせる!」無茶言うなよ!その言葉は何とか飲み込んだが・・・「いつ、誰を、何から救えと?」勇一は、極力感情を抑えて言った。ヨーコの目から輝きが消えようとした時!「それは『天に任せろ』だよ。とにかく今は一刻も早くアンドリューに会うことだ」チャーリーの声は力強く、二人の胸に響いた。「よし!とにかく動く!」勇一は、吹っ切れたように立ち上がった!※おことわり。この小説では、「過去を変えると、未来に影響を及ぼすからいけない」という真面目な考え方には左右されない。そういういい加減な考え方に立脚していますことをご承知おき下さい。 ―作者、マトリックスA―今日の好きな曲は、久しぶりに聴きたくなったSuzi Quatro で 「Can The Can」です。歌詞は少々乱暴ですが、気にしない!Coolな歌いっぷりをお楽しみ下さい♪kiilakas777,thank you for up! いつも応援ポチを有難うございます。 今日もよろしくお願いします♪
2016.12.17
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突然です。20年前のこと、僕の一番年下の従兄弟が南の島から嫁さんを連れ帰った時に聞かせてくれた話を散文にしてみました。色とりどりの 紙テープが届かなくなる頃二度目の汽笛が 胸を揺さぶる君の島に 背を向けたクラクション 海沿いの道をクラクション 君の四駆が走る行き止まりで 四駆が止まる降り立つ君の 叫ぶ声が風に乗って届いた「ヤーダ!!」メールを送信「次はさらってでも連れて帰る」「待ってる」いやー、若いっていいですねー!ぼくの従兄弟にしては上出来だった!気分がいいので聴いて下さいね。Ifeel fine by Beatles.Day Tripperさん、Upして頂き、有難うございました!いつも応援ポチを有難うございます。今日もよろしくお願いします♪
2016.12.04
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ある夏の日に Hope-14 とんでもない異変!チャーリーの店に着くなり、二人は挨拶もそこそこにしてフラワーショップの話を切り出した。「チャーリー、ちょっと聞くけど。あのお花屋さん何時からあそこにあるんだっけ?」勇一は顔をチャーリーに向けたまま、自分の肩越しに後ろの窓から見える通りを指差して言った。チャーリーは、欧米人たちが良くやる仕草をして見せた。両手を広げ手の平を上に向ける、”どうしたんだい”とか ”理解できない”とでも言いたげな顔をしてみせる、例のあれである。実際、彼はそう言った。「おいおい、”どうしたんだい”勇一・・・あの花屋なら、もう3年も前からあそこにあるじゃないか・・・」二人の驚きは極みに達した!顔を見合わせると、お互いの目は疑問符で埋まり、こぼれ落ちそうになっていた。勇一は、話を続行する為に、その場の空気を変えようと無理して笑顔を作った。半分引きつった様な不自然な笑顔だったが・・・。「とにかく、座って話を聞いてもらおう」ヨーコが同意して、逆さまにしてテーブルの上に置いてあったイスを床に下した。勇一は、チャーリーが淹れてくれたコーヒーを一口飲むと、昨夜ヨーコに話した不思議な体験談、どれも話そのものが奇跡と言えるほどのレベルではないのだが、毎回事が起きるその前に、勇一が人命救助や動物を助けたりしている。それは体験した事の原因だと言ってもおかしくない程の回数であり、タイミングであるならば、奇跡とは言わないまでも、不思議な体験であることは間違いない。少なくともヨーコと勇一は、そう考えている。勇一は、すっかり冷めてしまったコーヒーを飲み干した。「他にもまだあるけど、これで充分だと思う。チャーリーの考えを聞かせて欲しいんだ」チャーリーは、勇一の目をしっかりと見据えて、”ああ”と言った。「今の話しだけで充分だ。君の言う通り、君の身の上に起きた出来事は、どれも珍しいが『偶然』で片付けられるくらいのことだ。しかし、それら全ての出来事が起きる前に君が取った行動、そのタイミングと回数、特に回数は100%なわけだ。それはもはや『偶然』では片付けられない。『原因』だよ。君自身の為にもそう確信するべきだ」勇一は、手のひらを顔の高さに上げてチャーリーに向けた。チャーリーがパンと軽く音を立ててタッチした。ヨーコが嬉しそうにテーブルの上の勇一の手に手を重ねた。「良かった!勇一、認めてもらえたね、信じてもらえたんだよ!」「そうか、勇一はずっと一人で抱えていたんだね」「ああ、ずっと自問自答してた、誰にも言えずに・・・そのうち忘れた方がいいのかなって思うようになって・・・でももういい、気が晴れたよ、チャーリーのお陰で、ありがとうチャーリー!」「礼を言う必要はないが、勇一の役に立てたなら私も嬉しい。それに・・・」「それに?なんだいチャーリー」「ああ、君にその能力があると分かったから、もう話してもいいだろう・・・ヨーコの為にも・・・」勇一はヨーコと顔を合わせて、再び疑問符でいっぱいの顔をしていると、チャーリーがカウンターから戻ってきた。手紙らしきものを手にしている。ヨーコに手渡して言った。「昨日、君の叔父さんから預かったんだ。読んでみなさい」ヨーコと勇一が顔を見合わせて疑問符でいっぱいの顔を見せるのは、今日これで3度目になるが、驚くのはまだ早い。そんな展開が待ち受けているのだ。知らないのは二人だけではない。知れば東京は、パニックに襲われる。いや東京だけでは済まないかも知れない。今日の好きな曲は、The Beatles - Revolutionです。革命というタイトルですが、歌詞のように「それよりもまず自分の精神を解放したら」そうですよね。まず自分が本当に正しいのか、それさえ判らないのに革命だなんて。生きてゆくので忙しいところ恐縮ですが、聴いてみてください。←なんのこっちゃ!私がまず大丈夫なのか、それが問題ですね。TheBeatlesVEVOさま、Upして頂き、有難うございました!いつも応援ポチを有難うございます。今日もよろしくお願いします♪
2016.11.27
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ある夏の日に Hope-13 異変二人とも今朝は目覚ましの音で起きた。もうすぐ9月だが、毎日が真夏日の連続で、バテ気味なせいか目覚ましナシでは朝8時になど起きられない。仕事のある日は別にして・・ヨーコは勇一に背中を向けて、LサイズのTシャツの袖に両腕を通し、頭からかぶると、勇一の足元からベッドをおりた。「おはよう、勇一・・・」(そのタイミングで"おはよう"って・・・先にシャワーを使う気だな。よし!)勇一は勢い良くシーツをめくり、はねるようにベッドから降り立って言った。「さてと、シャワー浴びるかな!」ヨーコが慌てて勇一を両手で押しやる。「あたしが先!」「あわてちゃって・・・冗談、お先にどうぞ・・・」「なによ・・」と、ひと睨みしたあと、背中を向けて浴室へ急ぐ。俺は、待ってる間に寝起きの一服。ジポーが金属音を立てる。煙草をくわえたまま窓を開け、煙を流した。灰皿にタバコを押し付けて消したころ、ヨーコが浴室から戻ってきてバスタオルを勇一の胸に押し付けた。10分過ぎた頃、汗を流してサッパリした顔の勇一が、ボーダーのハーフパンツとTシャツに着替えた格好で部屋に入ると、テーブルの上に朝食が並べてあった。表面に十の字に大きな切れ目を入れて焼いた厚切りトーストは、交差した切れ目の真ん中に、溶けきれずに残るほど、バターをたっぷりのせた勇一のお気に入り。それにベーコンエッグとトマトジュース。「美味そうだ!・・・」「勇一の朝食はシンプルだし、変化を求めないのが助かるわ」「だろ、和でも洋でも、朝は定番がいいんだ、俺はね・・・」朝食を済ませたふたりは、商店街を通り、甲州街道を越えて京王線笹塚駅の高架をくぐり、二つ目の角、そこは突き当りになっているのだが、それを右に折れると前方に・・・フラワーショップ!?「え、あそこにお花屋さんってあったっけ?」「いや、無かったよ・・・ここからチャーリーズハウスまでに花屋は1軒も無かった・・・それに、つい2日前だぜ、ここ通ったのって」「やだ、気味悪い!早く行こ!」駆けだしそうなヨーコに手を引かれて、勇一も早足で花屋の前を通り過ぎた。 今日の好きな曲は、ビートルズの「ジョンとヨーコのバラード」です。 Ph4tE92さま、Upして頂き、有難うございます! いつも応援ポチを有難うございます。今日もよろしくお願いします♪
2016.11.18
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ある夏の日に Hope-12 lesson大きく息を吐いて勇一は立ち上がった。「ヨーコも飲むかい?」振り返った勇一は、空になったビール缶を軽く振ってみせた。首を振ったヨーコがビール缶を指差した。「アルコールは適量にしとかないと、松果体の働きが鈍るってチャーリーが言ってたわ」肩をすくめた勇一は、台所で冷蔵庫の中を確認する・・・「ジンジャーエール、なら・・・」「私もそれで・・グラスもお願い・・・」アルコールなしの爽やかドリンクで、下りかけていた半透明のカーテンが上がり、2人の「第3の目」は、シャキッとしたようだ。「まだこの他にもいくつか体験した事があるけど・・・」「え!まだあるの?」「うん、まだある・・・」「こんなレアな体験が、まるで法則と言ってもおかしくない話が、まだあるっていうの?」「そう、不思議の度合いに差があったりするだけで、パターンはほとんど変わらない。どうする・・・全部話す?」「うーん・・・もういいんじゃない?って言うか、これ以上聴いててもどう理解していいのか私には分からないわ・・・」「・・・だね・・・そうだ!俺たちの理解力を越えちゃってる話だからさあ、明日チャーリーに聴いてもらうってのは?」「そうだね!チャーリーなら解るような説明をしてくれるかも!」勇一は大きく頷きながら立ち上がり窓を開けた。タバコを口にくわえた。Zippoライターの独特な金属音がして、紫煙が流れて夜の大気に溶けてゆく・・・ 「犬の恩返しか・・・そうかも知れないな・・いつだって事が起きるその前に、俺、動物や人を助けていた・・・それは確かにそうなんだ・・・けど」「けど、なに?」「確かに恩返しと思えるけど、直接手助けしてくれたんじゃなくて、俺の『第3の目』に磨きをかけてくれた。そのおかげで能力がアップした俺自身の『第3の目』が、俺の意識を超えて俺を救った。そう捉えられないか?」「そうかも知れない・・・でもそれってすごいじゃない!勇一の『第3の目』はすでに目覚めたってことじゃない?」勇一は首を傾げた。「わからない・・・すべては明日チャーリーに会ってからだ・・・」いつの間にか勇一の傍らに立っていたヨーコが、指を絡めてきた。今日の好きな曲は、ビートルズで「We Can Work It Out」です。「自分が言っていることを考えてごらん間違っているかもしれないのに、それでも問題はないつもりでいる僕が言っていることを考えてごらんよ二人で力を合わせて解決するか、おやすみを言ってしまうか僕らなら何とかできる、僕らなら何とかできるよ」そんな感じの内容です。Yeah, can somehow if we.Ph4tE92さん、Thanks for up!いつも応援ポチを有難うございます。今日もよろしくお願いします♪
2016.11.03
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ある夏の日に Hope-11 不思議な体験不思議な体験―(1) 犬の恩返し不思議な体験を何度となく重ねるのは、それ自体が奇跡的なことと言えるが、更に不可思議なことがある。それは不思議な体験をする前に、必ずその原因と思える出来事が起きているということだ。不思議な体験―(2) 勝手に動く手中3の夏―放課後の校庭の隅。同級生たちと立ち話の最中、突然、黄色い叫び声が校庭のあちこちから沸き起こり、校庭の内側を振り向いたと同時に勇一の右手が勝手に動いた。ライナー性の打球が見えたような気がした!次の瞬間、手のひらにバシッという衝撃を感じた時には既に軟式野球のボールが勇一の手の中にあった!さかのぼること、3日前。放課後、友達の家に立ち寄り漫画本を交換しての帰り道、小学生が3人で老犬に石を投げつけて奇声を上げているところに出くわした。この付近のゴミ集積所らしく、ゴミ箱がいくつか置いてある場所だ。ゴミ箱がひとつ横倒しになっている・・・犬が大好きな勇一に見て見ぬふりは出来ない。「犬をいじめるんじゃない!」と𠮟りつけ小学生たちを追い払った。見かけない犬だった。「早く帰れ、また虐められるぞ・・・」怯える目で見たが、倒れているゴミ箱に頭を入れてゴソゴソした後、去っていく。口に何か咥えている。捨てられた食べ残しか・・・歩き始めた老犬が立ち止まり、勇一を見た。その目にはもう怯えた様子はなく、気のせいか礼を言うように頭を下げて山道を入っていく。古く汚れた首輪が見えた。(捨て犬か・・・)人間を信じることは、もうないのだろうか、「おい・・・」声をかけてみたが、老犬は振り向きもせず山の中へ消えていった。不思議な体験―(3) 中古のバイクでジャンプ!高一の初夏。勇一は、中一から貯めていた小遣いで中古のバイクを買った。自動二輪免許を取ったばかりの新米ライダーである。早速親友の勇を誘ってホンダベンリィCD125Tを2人乗りで疾走!今も忘れられない!あのカーブ。対向車線から大きくはみ出ていますトラックが!曲がり切れそうにない!・・・勇一は左に避けざるを得なかった!ガードレールが見えた!ぶつかる!・・・運よく?ガードレールが途切れた!が・・・道路も消えた・・・そう、道からはみ出てジャンプしたのだ!!スローモーションの映像の中を落ちてゆく・・・勇一の町は、半漁半工+僅かに農業(しかも殆ど果樹園)田畑は無いに等しく、水田がどこにあるのか?など、当然2人の記憶にない。勇一と勇を乗せたホンダベンリィCD125Tは、その極僅かしか存在しない水田に、しかも長雨でたっぷり水を湛えたプールのような水田に姿勢良く、ほとんど垂直に着水した!奇跡だ!2人共、直ぐには喋れなかった。(逆のぼって、ある日曜日のこと。磯釣りに夢中な父親が目を離した隙に、足を滑らせて海に落ちた男の子を、たまたま近くで泳いでいた勇一が救い上げていた・・・) 今日の好きな曲はJeff Beck-Cause We've Ended As Lovers です。Jeff Beck 、何だかテンションめちゃ高い!いつも通りカッコいいんだけど・・・ジェフベックはロイ・ブキャナンが大好きなんですね。やっぱりキングはキングを知るって言うことでしょうか・・・ロイ・ブキャナン、もう会えないのが悲しいですが・・・お楽しみ下さいm(__)m Mr.面白・衝撃映像channelさん、Upして頂き、感謝します。いつも応援ポチを有難うございます。今日もよろしくお願いいたします。
2016.10.26
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ある夏の日に Hope-10 memories「信じられない・・・」「本当だって!種明かし、しようか?」「要らない。そのままを話してくれればいいの!」ヨーコの指先が、テーブルの上を叩きはじめた。これは彼女が発信するサインで、もう待てない、という意味である。「お、おう分かった・・・あのあと、俺が起き上がる前に顔見知りのおばちゃんたちが駆け寄ってきてね、『勇ちゃん、大丈夫?』って血相変えて、どこか怪我をしてないかチェックを始めたんだ」「当然だね。目の前で顔見知りの子供が、そんなところから落っこちたんだもの、焦っちゃうに決まってる」一応同意して頷いた勇一だが、「ところが、だよ。心配そうにしてたおばちゃんたちが、一転して笑いだしたんだ。俺、訳が分からなくなってさぁ・・・そしたらおばちゃんたちみんなで、俺の頭を指さしながら更に笑うんだ!」「何、それ・・・」「だろ!俺、何が何だかわかんなくてさぁ、キョトンとしてたら、一人のおばちゃんが『勇ちゃん、頭にウンチが付いてるよ』って、そう言うんだよ」「ウンチ?・・・」「俺もあの時理解できなかった。何故だか、臭わなかったし・・・だから頭に手をやろうとしたら、おばちゃんたちに止められて、貯水タンクの脇にあった井戸まで連れてかれた。そこで『頭を下げてて、水で洗い流すからね』って、どうして?って聞く間もなく、水と一緒に何かが流れ落ちてきて・・・それがウンチだったんだよ~!」「えー!何それ!・・・」「だろ!もう、どうしようもなくパニクってる俺に、おばちゃんが教えてくれた。『勇ちゃんが落っこちた所に、いい具合に乾いた犬のウンチがあったんだよ。柔らか過ぎたらクッションにならなかっただろうけど・・・良かったねえ、ウンが良いよ』ってまた皆で大爆笑したんだぜ・・・」ヨーコが吹き出し、声を立てて笑いだした。「なんだよー!ヨーコまで・・・」ヨーコは、顔を真っ赤にして、苦しいのか可笑しいのか分からない態で笑ってる・・・「ごめん、ゴメン!あんまり出来過ぎた話だったからさぁ・・ヒー!・・・だって、犬のウンチがクッションになって、怪我しなくて、ウンが良かっただなんてっ!あ、苦しい~!」面白くない!俺は立って台所に行き、よく冷えた缶ビールを手にしてリビングに戻った。あれ?さっきまで涙を流して笑っていたヨーコが、大きく目を開いたまま固まっている。「どうした?」「犬の恩返し・・・」え?「犬の恩返しよ、そうじゃない?」「・・・・・・・・」(恩返しだったのか、あれも・・・これも・・・)勇一は、小3の時から今までに自らの身の上に起きた「不思議」を想い返してみることにした。今日の好きな曲は、バフィー・セントメリーの「サークル・ゲーム」です。映画「いちご白書」の主題歌として有名でした。震えるようなビブラートが不思議な魅力で、ラジオの深夜番組に良くリクエストしてました。Carlen Emma Floenさま、Upして頂き、有難うございます。いつも応援ポチを有難うございます。今日もよろしくお願いします♪
2016.10.21
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ある夏の日に Hope-9 memories俺たちはヨーコの部屋にいて、缶ビールを軽く合わせて乾杯をした。交替でシャワーを浴びてスッキリしたところだ。「さあ、例の話、聞かせて」ヨーコが350mlの缶ビールを一息ついただけで、飲み干して言った。いい飲みっぷりだ。「そうだな・・・初めての?な体験は、小2・・いや小3の時だったな。たぶんその頃。で、ある日家の近くにある児童公園に行くと、見たことのないヨッパライのおっさんが、1頭の犬を蹴とばしていた。そのヨッパライは足元がふらついていたし、犬は大型犬だったから、そんなにダメージは無かったのかも知れないけど、子供だった俺は、何故犬が逃げようとしないのか不思議に思って、少し近づいてみた」「うん、うん・・・」「そしたら見えたんだ。その大型犬の後ろに年取ったおばあさんがしゃがみ込んでいて、こわくて身を縮めている様子だった」「わかった!そのワンちゃん、おばあさんを守ろうとして、蹴とばされても逃げなかったのね!」「ああ、俺もそう感じた。だから放っとけなかった」「エライ!小3なのに勇一偉かったね!・・・それで、それで?」ヨーコの目が、大きく開き、テーブルに手をつき前のめりになった。「あの時、周りに誰もいなかったから、怖かったけど『おじさんやめて!』って言えた。俺しかいなかったから・・・そしたらそのオヤジ、 振り向いて『うるせぇ!』って怒鳴り散らした。その時、あの犬と目 が合ったような気がした・・・次の瞬間、ひとりの警察官の顔が頭に 浮かんだ」「頭に浮かんだ・・・やっぱり」「え?」「何でもない、続けて」「その警察の人が大の犬好きだったのを思い出したんだ。で、交番に 駆けこんで訳を話したら、そのお巡りさん、凄い勢いで公園へ駆けてった」「それで、おばあちゃん達は?どうなったの?」「俺が走って公園に着いたときには、ヨッパライはお巡りさんに𠮟りつけられてて、すいませんって謝ってばかり、おばあちゃんと犬が近づいてきて『ありがとう』って何度も礼を言ってくれて、あの犬もしっぽを振って俺の顔を何度も舐めるんだ、くすぐったかったなあ・・・」顔を上げた勇一の目は、ヨーコの顔も部屋の壁さえも映していない。どこか遠くを見ているようだ。今、彼の精神世界は第3の目を通して時空を超えているのだろうか。「勇一・・・」 「・・・・・・」「勇一!・・・」名前を呼ぶ声が次第に大きくなってくる。「勇一!・・・」やっと声が届いて勇一の目にヨーコの顔が映った。「なに?」「何じゃないよ、遠くに行っちゃったような目をしちゃって・・・話の続きがあるでしょ、待ってるんだけど・・・」「・・・そうだったね、ごめん。・・・そうそう、それから何日か過ぎた暑い日に・・・あの頃俺たち近所の古くて使ってない貯水タンクをプール替りにして遊んでたんだけど、俺、幅が10センチくらいしかないタンクの縁に上がろうとして足を滑らせてね、頭から地面に落ちたんだ」えー!と言ったヨーコが口を手で塞いだ。「タンクの高さは1mそこそこなんだけど、地面はコンクリートで固めてあった」「それ、相当ヤバいじゃん!まだ小3だったんでしょ!?」「そうなんだけど、無傷で済んだし痛くもなかった」「うそー!」「それが嘘じゃないから不思議だったんじゃないか・・・」今日の好きな曲は、稲垣潤一さんの「夏のクラクション」毎年この季節に聴くと、クラクションを鳴らしたくなるのです。夏が帰ってくる、そんな気がするのは僕だけでしょうか。いくつになっても夏は、終わる頃になってから恋しくなる。何故でしょう・・・よろしかったらお聴きください。chiinei3997さま、Upして頂き有難うございます。いつも応援ポチを有難うございます。今回もよろしくお願いします♪
2016.10.13
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ある夏の日に Hope-8 lessonチャーリーは、「lessonしていて、もしも大きな変化が起きるようなことがあれば、夜中でもかまわないから電話をするんだよ」目を細めてそう言った。背中を押しつつも、2人の不安を軽くしてやろうとの心配りが、その声に含まれて伝わり、肩から余計な力が抜けていく。ヨーコたちは心からの感謝を伝えてチャーリーのジャズハウスを後にした。1週間も頑張れば松果体も目覚めてくれるさ・・・歩きながら、そんなユルイ考えが勇一の中で頭をもたげた。気の置けない相手には言わなくていいことまで喋る勇一だが、ヨーコには絶対話さない、いや話せないのだ。万が一話してしまえば・・・『そんな風に調子にのってると、上達するどころか〇〇〇〇〇よ!』などと、想像したくもないような全面否定隔絶語を浴びせられる事が目に見えているからだ。離したくない女の前だと男は、後輩には絶対見せられない弱みを見せる。「そんなもんですよ」と銭湯で背中を流してくれた危ないお兄さんたちも苦笑いしながら告白してくれてたな・・・勇一が脇腹に痛みを感じて立ち止まる!ヨーコの肘が下がるのが見えた。(その肘をくれたわけか・・・)軽く舌打ちして顔を上げると、左に京王線笹塚駅が見えた。ヨーコに腕を引かれて道の端に寄る「あたし達、自主トレの間は一緒にいない方がいいと思うからさぁ」「自主トレ?」「もう、松果体の能力高める特訓に決まってるでしょ!」「お、おう分かってるさ、そんな事くらい」上目遣いだったのを元に戻したヨーコが、子供に言い聞かせる口調で言う。「ま、いいわ。あたしは此処から自分の部屋に帰るけど、勇一には別の部屋を用意したから暫くはそこを使って、千歳烏山駅北口を中央道に向かって・・・」住所とかは後でメールするからと背中を向けて歩き始めるが、勇一の「いつの間にそんな事に」の疑問に答える「さっき、チャーリーのお店で勇一がトイレに行ってる間によ」頷いた勇一が「着替えとかをヨーコの部屋まで取りに行かないと」と言い、「そっか、そうだったね」とようやく笑みを浮かべてヨーコが言い、勇一が追いつくと再び歩き始めるが、唐突に強い力で引き戻され勇一の身体にぶつかった。どうしたの?とヨーコが問う前に、ガシャガシャっ!と大きな音がして、2人の前方の歩道上に何かが落下した。勇一が引き戻さなければ ヨーコは確実に重傷を負っていただろう。さすがにヨーコも衝撃を受けて混乱し、勇一の胸に縋りつく。「タイルだ」と勇一が上を向いて指さすビルの壁面には、明らかにタイルの剥がれた痕跡が見て取れた。物音に反応して1階店舗から飛び出してきた人に、俺たちは大丈夫だからビルのオーナーに連絡しといてと言いおき、まだ震えの収まらないヨーコの肩を抱くように勇一が歩き始める。「有難う勇一、さっきのあれ、落ちてくるタイルが見えたの?」「いや、それじゃあ間に合わない」ヨーコの目が大きく見開かれた!「それってもしかして、もう第3の目が働き始めたってことなの!?」「いや、今みたいな事なら昔から、子供の頃から何度かあったんだ」ヨーコが勇一を見上げて言う「今夜はその話を聞かせてもらう事にするべきだと思う」「ああ、第3の目の働きと大きな関係があるのは間違いなさそうだからな」ヨーコの髪が大きく揺れて、頷いているのがわかった。今日の好きな曲は、イーグルスで「Take It Easy」です。coto.pops musicさん、Upして頂き感謝です🎶いつも応援ポチを有難うございます。今日もよろしくお願いします♪
2016.10.07
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ある夏の日に Hope-7 lesson何をどうやったら、松果体を鍛えられるのか・・・・・それは!「松果体をどうやって鍛えるか・・・先ずは、何でもいいから自分を癒してくれるもの、夢中になれる物事を特定する。そしてそれに対する集中力を高めることで鍛える。言い換えれば、松果体の眠れる潜在能力を引き出す。つまり、『第3の目』としての役割を果たせるように目覚めさせるという事なんだ・・・」「・・・・・・・・・・・・・・・・・」「例えば、絵を描くことに夢中になれるなら、これまで二つの目つまり『外側眼』で見ていたモチーフを『松果体で観る』と強く意識する・・・」チャーリーは、言葉を止め、笑みを浮かべて交互に二人を見る。「ここまで、いいかな?分からない点はあとで、ということで・・」「大丈夫・・・」とヨーコ「・・・同じく」と勇一「よし、基本は今言ったことだ・・あと他には、音楽が好きなら、目を閉じて音を『松果体』を通して聴く。小説を読んで心が広がるのなら、目から入ってくる文字の情報を『松果体』を通して読むと活字を頭の中で映像化することが容易く出来るようになる。そうなると小説の魅力は飛躍的にアップするだろう? 何でもそうだが、今まで見聞きして得ていた感動が更に増すことになる。そして何より、その感動こそが『松果体』の能力に磨きをかける事になるのだよ!」チャーリーの熱く、ほとばしる言葉がようやく一段落したようだ。「チャーリー、俺は今、ただ凄いことなんだってそう感じることしか出来ないでいるんだ・・・チャーリー自身の体験を通して言ってると思うけど、そんなに詳しく語れるのは俺の想像を越えてる・・・」ヨーコも勇一の隣で頷いている。ちょっと意外だが、チャーリーが大きく頷き、続いて小さく数回頷いた。「そう感じて当然、というか、二人とも本気で聴いてくれたからこそ生じた感想だと思うよ・・・君たちが感じているように、これは直ぐに理解できるレベルを超えている。だから私は体験したのに夢だったと逃げようとした。だが、そんな自分が悔しくて、勉強した。先駆者がいるならと、本を読み漁った・・・」「見つけたんだね!」ヨーコが俺を睨みつけた。「私もそう思ったのよ!本当なんだから・・・」語尾が小さくなってしまったな。「俺、昔から早押し得意なんだ。高校生クイズなんか、予選は軽くクリアしてた・・・」返事はなかった・・・俺はヨーコから目をそらした。小さな笑みでさえ、今のヨーコには大きな歪となりそうな気がして・・・小刻みに頭を振ると、目でチャーリーに話の続きを促した。「そう、私は思ってたより容易に知ることができた。『第3の目』については、驚くほど古くから、そして多くの学者たちの研究の対象だった!中でもかの哲学者デカルトは、松果体の能力について『物質と精神という2つの世界は、松果体を通じて行き来する事が出来る』と言い、松果体を『魂のありか』と呼んだんだ!」チャーリーが大きく息を吐いた。喉が乾いたと言い、椅子を引いて立ち上がり申し訳なさそうに、「私はそろそろ、バーボンにするよ」と言い、俺は笑みを浮かべて返事とした。ヨーコと、椅子をお互い内側に向けてチャーリーの講義の内容を確認し合っていた。忘れるところだった!!チャーリーが珍しく大きな声で言った。カウンターの中からだ。「精神の分野だけしか話してなかったよ。『松果体』にとってフッ素と過剰なカルシュウムの摂取は毒だ。松果体の石灰化を招く。それら有害物質を除去するには、緑黄色野菜、海藻に含まれるビタミンKとヨウ素を、あと・・・味噌や納豆で酵素を摂る、食物繊維も有効だな、それも覚えておいてくれ」チャーリー・・・ただ人の好いジャズハウスのオーナーじゃなかった・・・どちらからともなく、二人は頷き合った。「人って、本当に分からないものね・・・」「あぁ、そう思うよ、俺も・・・」今日の好きな曲は、Steppenwolf-Born To Be Wildです。coto.pops music,Thanks for up!いつも応援ポチを有難うございます。今日もよろしくお願いします♪
2016.09.29
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ある夏の日に Hope-6 lessonチャーリーのおはこ、ホットドッグとベーコンエッグ、それに搾りたてのオレンジジュースでブランチを味わった。「ご馳走様、美味かったよチャーリーありがとう」「ご馳走様、チャーリー本当においしかったわ!」チャーリーの目が糸のようになった。「それは良かった!相変わらずのファストフードをそんなに気に入ってくれて、嬉しいねぇ」チャーリーが本当に嬉しそうに言った。彼はナプキンで口を拭うと二人を見て、「第3の目」を理解できたかどうかを訊ねた。勇一が口を開いた。「『第3の目』とは、大昔、頭頂眼として頭頂部にあったものが退化して今は脳の中に隠れるようにひっそりと存在する・・松果体として・・そういうこと?」「あ、それ分かり易い!ね、チャーリー、そうでしょう?」勇一は、ほんの一瞬ヨーコに向けた目をすぐにチャーリーに戻した。チャーリーは、一旦ヨーコに「そうだね」と相槌をうっておいて勇一に向き直った。「ヨーコの言う通りだよ。君はちゃんと理解できている。言うこと無しだ」目を細めて勇一の理解度に満点をつけた。「さて」とチャーリーは身を乗り出して言い、頑丈な一枚板のテーブルに両ひじをついた。「二人ともちゃんと理解できたようだから、次に進むよ」「分かった。いよいよ松果体の鍛錬方法だね!」勇一が目を輝かせて言った。「そうだ・・・テレパスは、誰でもなれるというものじゃない・・・だが、君達はすでに優れた受信者だから、きっと習得できるさ」ヨーコが首をかしげた。「優れた受信者?」「そうだよ。テレパシーという能力を会得するためには、まず、優れた受信者であることが求められる。その上でもう一つの能力を身に付けたなら優れたテレパスになれる。そのもう一つの能力とは何だと思う?」勇一は、一部がレコードの棚に占領されたカウンターにヒントを探してみたものの、そんな訳ないとテーブルに目線を落とし、ヨーコは、チャーリーの目を覗き込んで答えを見つけようとしたが、チャーリーが自らの手で目を隠したため、ため息と共に首をひねった。「OK,それじゃヒントをあげよう。電話で話をする時に欠かせないものは何だ? 受話器と・・」「話す方!」ヨーコが答えると、チャーリーが声を立てて笑った。「間違っちゃないけどね・・・送話器だよ!まあ、君らは一体型しか知らないだろうが、昔は別々になっていたんだ」「へえー・・・?」二人同時にあっけにとられた顔をした。「例えが古すぎたようだな・・・ここはひとつ、説明の仕方を変えよう・・・要するに優れた受信器があっても、送信器がなければ会話は成り立たないだろう・・・そう言いたかったんだが・・・」何とかして伝えたいという思いが強すぎると、こんな空気を作る事がある・・勇一は、そこは言わないでおくことにした。「チャーリー、僕らはちゃんと準備が整っているんだろう?急かす訳じゃないけど具体的な方法を教えて欲しいんだ」「OK!じゃあ始めるよ。まず優れた受信器とは、今の君たちのように先入観を持たず、心を開いて何でも素直に聴き取ろうという姿勢でいられる存在のこと。ここまで、問題ないね」二人は大きく頷いた。「よし、次は送信だ。いくら受け手が優れていても、自身の思念をしっかり送り届けることが出来なければ、はね返ってくる受信者の考えをキャッチ出来ない。もっと言えば、優れた送信者とは、聴き取る相手の心を開かせることが出来る能力を身につけた者のことで、それには、聴き取る相手の心の不安を払拭することが絶対条件となる」勇一とヨーコの口は半分開き、目が点になったままだ。さて、久しぶりに聴いたら、やっぱり良かった!Jeff Beck-Led BootsEagle Rock,Thanks for up!いつも応援ポチを有難うございます。今日もよろしくお願いします♪
2016.09.21
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