マツモトヨーコの海豚亭通信

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2007/08/30
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カテゴリ: 文化的なはなし
きのうは水曜日、映画1000円の日。

島根県の浜田市で撮影したということらしいが、海が近くにある「ど田舎」、という村が舞台。
小学校と中学校がいっしょになっても6人しか生徒がいないような村の学校に、東京から離婚して実家に戻った母親に連れられ、男の子が転校して来た。
この男の子が背の高いちょっとしたイケメン君。
着ているものも髪型も都会ふう。
彼の転入で、同級生になった主人公の女の子をはじめ、子供たちの、そしておとなたちの生活にも小さなさざなみがたちはじめる。
といってもあまり大きな事件もなく、あこがれの東京に修学旅行(といっても先生たちの人数のほうが多い)にいっても、あまりの人ごみに疲れて帰り、唯一きなくさい事件に発展するかにおもえたできごとも、何もなかったかのようにすぎてゆき、また春が来て、学年があがって...
というふうなおだやかな物語であった。


佐藤浩一が父、夏川結衣が母。
あとはほとんど知らない人ばかりで、これは俳優なのかシロートなのか、判別がつかなかった。
でもおかっぱ頭の小学生や、小中学校の先生たち、郵便局員のシゲさんなど、めちゃめちゃええ味だしていた。
それとやっぱりなんといっても「正しい日本の田舎」とでも言いたくなるような風景の存在が大きい。
素朴な学校や、髪の毛を切るのは「ダサい」理髪店しかない。主人公と同じ中学校に通う友だちの家である。
あと、コンビニではなく「よろずや」めいた商店も友だちんちである。

子供の頃、夏休みには「田舎に帰る」という友だちが何人もいた。
私は子供の頃は関西のベッドタウンみたいなところで育ったし、おばあちゃんもいっしょに住んでいたので、とくに帰る「田舎」はなかった。
東京で暮らし始めてようやく盆や正月に「帰省する」という言葉がリアルになった。
私の実家は大阪郊外の山を切り開いて作ったニュータウンなので、なんのおもしろみもないのだが、ちょっと周辺に足を伸ばすと、まだまだ「日本の田舎」が残っている。
水田や畑があって、小川が流れている。

ああいう風景を見ると、小学生の頃を思い出す。

最近は中途半端な地方都市に行くと、どこもおんなじような風景だ。
大きな幹線道路ぞいには、パチンコ屋、中古車販売センター、大規模店舗やファミレス、ファストフード店などがどこにでもあり、美観などこれっぽっちも考えてない下品な看板をでかでかとあげ、風景を均一に汚すのに一役かっている。

不便な田舎に、いつまでも田舎のままでいて、というのは都会で暮らす人間のゴーマンやとはおもうけど、失ってしまうと、取り返しのつかないものもある。
映画の中でも主人公がつぶやく。





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Last updated  2007/08/30 10:01:37 PM
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