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剣竜さん
こあきんどさん
基本的には、以前お示ししたとおりです。
ただ、裁判官・裁判員の方に分かりやすく伝わるよう、読み上げるときは、まず一拍おきます。
そして、丁寧に読むのです。特に重要な点は、速度を落として読む必要があるでしょう。
このとき、読むべき部分が長いからといって、ちょっと読んで「ここまでは正しく読みましたね」とやり、またさらに読んで「ここまでは正しく読みましたね」と分断して読むのは良くないということです。
意図を察知され、言い訳をされてしまう可能性があるからです。
ちなみに、あまり長い場合には、一つ目のCのところで、調書を引用して「本当は『~~』じゃないんですか」と言ってしまうのも一つの手だそうです。
あと、調書を読み上げるときは、不利な部分も読み上げる必要があります。
都合の良い部分だけ読み上げると、アンフェアな印象与え、弁護人に対する信用性が失われます。
CICCで黙読させる場合には、どの部分の有無をチェックしてほしいのか指示をすること。指示なしに「とりあえず調書を読んで下さい」では、証人をコントロール出来なくなるからです。また、出来れば、調書は弁護人が手に持って居た方が無難です。証人が調書を握って手放さなくなる恐れもあるからです。
なお、調書を読む場合、あえて法廷での証言と一致する部分から読み、異なる部分と対比させることも一つのテクニックとして有効であるということです。
ただし、長すぎると、ぼやけるので、異なる部分を際立たせる程度にとどめる必要はあります。
黙読部分が長すぎる場合、段落ごとに読ませるのは有効ということです。
たとえば、「第1段落を読んで下さい。」→「ありませんね。」→「次に第2段落を読んで下さい。」→「ありませんね。」……という具合です。
なお、調書を示す際に、刑訴規則199条の11違反として異議を出されることがあります。
その際は、「自己矛盾供述の確認であり、刑訴法328条の趣旨からすると、刑訴規則199条の10として許容される」と反論してください。
すなわち、刑訴法328条は、自己矛盾供述の呈示確認は、当事者の権利として定めているといえます。しかも、自己矛盾供述であることは、厳格な証明が必要という判例もあります。
したがって、刑訴規則199の10が適用され、権利として裁判所の許可なく呈示が可能となります。
ここで、異議が棄却されれば、堂々と調書を見せましょう。
異議が認容されてしまった場合、「調書には、△△と書かれていますね」と聞きます。
これに対して「覚えていません」「違うと思います」と言われた場合、改めて「同一性確認のため、刑訴規則199条の10に基づいて調書を示します」といいます。
ここまで来て異議を出されることは、無いはずです。
ここまで来ると、裁判員は「本当はどうなんだろう?」と気になりますし、異議を認容してしまうと、証拠提出の許容性を認めざるを得なくなってしまうので、「証拠申請の手間をかけるよりは、ここで呈示を認めた方が簡便である」と裁判官も考えてくれるはずです。
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